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【美術閑話】日本刀と1年間向き合って見えた景色

こんにちは。筆者の すみれ です🌊🐚🌈
普段からのライフワークである美術展行脚の中で
見た様々な美術展示の記録としてnoteで書き留めています。
審神者の皆様もご機嫌いかがでしょうか。
夏の連隊戦も無事終了しましたね🌈🐚
今年も光忠兄が夏の男してて嬉しいです。
長袖だけど。

美術がとっても大好きで、美術展巡りが
ライフワークの私が日本刀鑑賞を始めたのが
ちょうど一年前。
この1年間、日本刀の世界に揉まれて洗われて
魅力にどっぷりと浸り好奇心を全力疾走させながら
日本各地の日本刀展に足を運んだので、
1年間の振り返りや感じた変化とか率直な感想を
たくさん書けたらなと思います٩( 'ω' )وヤー‼︎‼︎‼︎


結局何振り見たのか

燭台切光忠◉ 八丁念仏◉ 児手柏 池田光忠 
実休光忠(復元)◉ 薬研藤四郎(復元)◉ 
鶴丸国永(写し)◉ 一期一振(写し)◉ 
数珠丸恒次◉ 膝丸◉山鳥毛◉ 
大般若長光(写し)◉ 髭切◉ 大慶直胤作◉
静型・巴形薙刀◉ 小竜景光(写し)◉ 童子切安綱 
鯰尾藤四郎◉ 村正(ノーマル・皆焼)◉ 大左文字
太刀・銘光忠 大倶利伽羅広光◉ 乱藤四郎◉ 
水神切兼光 波游ぎ兼光 般若丸 池田家伝来 光忠 和泉守兼定(之定)作◉ 孫六兼元作◉ 
戦艦三笠砲鋼  長曽祢虎徹作◉ 中川江 
源清麿作◉ 水心子正秀作◉ 南海太郎朝尊作◉ 他 
(◉は刀剣乱舞キャラクター実装刀剣)

号などがあり、思い出せる限り書き出してみると
こんな感じ…その他にも体験用とか影打ちとか
レプリカとか押型だったり細かいのを数えると
もっともっとある。いや〜〜〜〜〜〜〜!!!!
めっちゃ見たぞ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
これは、、、これは自分を褒めてもいいんじゃない??!!!!
すっごく頑張ったもん!!!←
自分の趣味を応援してくれて手伝ってくれたり、
興奮したわたしの話を嫌な顔せず逆に質問しながら聞いてくれた周りの家族・友達たちにはもちろん
感謝の気持ちがあります♡
その上でネットやXなどで展示情報を調べたり
勉強をして、1年間でいろんな土地に行き、
たくさんの方と出会い、お話させてもらって。
素晴らしい景色をたくさん見ました。

そこでの自分の行動力や好きなものへの突進力(笑)
推進するエネルギーは自分の強さだなって再確認できました☺︎

何がわたしを突き動かしたのか

さて、自画自賛はほどほどにいたしまして…(笑)
なんでそんなにハマったの??と考えてみると
やはりまずは「刀剣乱舞」。

今まで刀剣鑑賞なんてしたことがなかった私。
その入り口を開く鍵をくれたのは確実に
刀剣乱舞というコンテンツのおかげさまさま。
去年の7月にやってた刀ステ無料配信を
お試し感覚で視聴し、気がついた時には背が
スラッと高く脚が超長くて料理上手なんだけれど
その長身のせいでエプロンがつんつるてんの
眼帯の伊達系刀剣男士くん()にハートを
がっっっっっっっちり掴まれてました😂❤️
燭台切光忠という名前の彼。最推しです。
大好きだよ。みっちゃん。


次に、私がもともと美術品鑑賞が大好きで
ほぼライフワークというか、趣味の範囲を
超えているので刀剣を見るために美術館や
お寺に足を運ぶことにハードルはそもそも無く、
そういったことも積極的な刀剣鑑賞への追い風に
なったと今になって思います。

様々な刀剣を見ていく中で、長い歴史の中で
細やかに積み重なってきた日本刀の魅力に気付き、刀剣乱舞というゲームの域を超え日本刀鑑賞に
本腰を入れていました。
最初こそ好きなキャラクターの元ネタになった
刀に会いに行ってご本人(刃)様との対面…的な
気持ちでしたが、途中からどんどん
「見事に詰んだ地肌を見たくて」
「長船派の造りを感じたい」
「金筋を見たすぎて。。。」
みたいなもう正直刀剣乱舞あんま関係ない
マインドで展示行ってた気がします笑笑笑
刀剣鑑賞の経験を積むごとにそういう願望というか、欲求()がどんどん濃くなっていきました。

もちろん、刀剣乱舞のコラボがあったりすると
めっちゃ行きたくなりますし徳ミュの燭台切くんの
パネルの置き方が大好きです‼︎‼︎‼︎
ながーーーーーーい通路の奥にいるパネルを倒さないと展示室には入れないんじゃないかと思うくらいの圧倒的「僕たちを倒せるかな?(笑)」感。
(隣に八丁念仏くんのパネルもある)

あまりにも広大で深淵な鋼の海を旅する

この1年間、振り返ってみればもうとにかく夢中でした。時間さえあれば京都や大阪を中心とした展示に足を運びまくりました。

最初の最初を思い返すと、とうらぶを始めて、
人生で初めて日本刀見たい!見るぞ!ってなって
初めて見るなら最推しっしょ!!!!となり…

審神者になって1ヶ月後に私はなぜか、
気がつけば茨城県の水戸市にいました。(???????)

今考えるとまじ頭おかしかった…….
いい意味で。(???)
しかも数ヶ月にも再度水戸行きました。どんだけ。

もちろん岡山県の長船にも行き、
長船派の波動を感じました。
去年の年末にあった山鳥毛展示コラボの
オリジナル音声ガイドも〜〜〜〜〜最高だった。
全国の小鳥ちゃんは焼き鳥になったよね♡

見ていくとやはり少しずつながらも知識がついてきて細かな違いや刃文や刀派ごとのそれぞれの
区別がつくようになってきます。
そこで気付いてしまうのが、

このジャンル、めちゃくちゃ深淵すぎる…ッ‼︎‼︎‼︎

ってこと。
遅れて入ったジャンルが発展しすぎて供給が
すごい時のあの感情に似てる。

刃文一つ取っても種類や特徴も様々で刀派や時代、流行だってある。刀剣見てて面白いのは、
やっぱり刀は本来は実用品であるので
デザインの流行り廃りがあったり持ち主によって好みのカスタマイズがあったり。もちろん実用された証拠などもじっくり見ると確認できて、
本当に人々の生活の一部だったことがうかがえます。
刀を持たない2024年の我々から見るともう、
なんというか"時代劇で見る特別なもの"という
イメージがどうしてもあるけれど実際は全くの逆で、徹底的に人に寄り添った武器であると
私は感じています。人が、人のために生み出し、
人の手に在るべき武器なのかも。
そう強く感じるんです。


そうやって1000年以上発展してきた世界なので
もう覚えることが死ぬほどある。やばい。
わからないことがめちゃくちゃある。
わからないことが分かった時にまた
新たな疑問や問いが秒で生まれてくる
素晴らしいジャンル。
食らいつきがいがめちゃくちゃあります。

正直に吐露してしまうと沸とか映りとかまだ完全に掴めてないです!これかな?いや違うかも…と
トライエンドエラーばっかりで、展示から帰る時に毎回「あー今回も映りが上手く鑑賞できなかった」ってちょっと悔しい思いをして次回への挑戦というか、悔しさをバネにしてます😂
ちょっとずつ、ちょっとずつ。牛歩かもしれない。
初心者マークはまだ外れそうにはないです。
けれど、この一年で確実に見る目は養われているなと実感するのもまた事実です。

去年の9月に京都の本能寺が主催するツアーに参加しました。そこでは通常の営業時間が終わった後に
貸切状態の館内を住職さんの解説付きで展示品を
見て回るというなんともレアなもの。
本能寺の歴史や、なんと本物の火縄銃「種子島」を触らせて頂きました。(結構重かった😳)

その中でメイン展示となるのが織田信長が本能寺の変で死ぬ間際まで振るっていたとされる実休光忠。
そして鉄製の薬研を斬ったとされる
粟田口派の短刀薬研藤四郎の復元作の展示でした。
復元された実休光忠の影打ちの一振は研がれずに、手に持って重さや大きさを体験出来るようになっていました。そこで刀剣について体験の実休光忠を
実際に触りながら初心者の私に丁寧に刀剣の基本知識を教えてくれました。

その時の私は刃文がどうやって作られるかすら
まったく知らない状態で、「刀身に水で溶かした土(焼刃土)を付けて焼き入れる。その土の厚さによって
火の入りに差ができるから刃文が浮き上がるんだよ」と教えて貰ってめちゃくちゃ感動してた記憶があります😂🩷
日本刀の初歩の初歩である刃文がどうやって作られるかすら知らなかった一年前の自分には想像がつかないくらい進歩したと我ながら思います。

ちなみに今現在の時点で好きな刃文はやはり
重花丁子かな…そもそも備前刀が好みなので
丁子刃が大好きなんですけど、やっぱり山鳥毛を
生で見た時のあの衝撃が凄くて、、、笑
燃えるような、烈火ごとく刀身を駆け巡る刃文は
見るものを黙らせます。
「この美しさを前に言葉すら無粋だ。」
そう思ってしまう一振りでした。
かの上杉謙信が愛したとされる山鳥毛はなんと
現在5億円の価値がついています。
本当に、本当に美しいです。
この話すると興奮してしまう←
きっと、上杉謙信が戦場でこの刀を腰から抜いた時その場にいた全員が敵味方関係なく山鳥毛の迫力に釘付けになったことでしょう。

備前長船刀剣博物館 国宝 太刀 無銘一文字(号 山鳥毛)

話を戻すと、備前刀が好きゆえにやっぱり綺麗な丁子乱れを見るとキャッキャします。
長光とかもう最高。最高っす。
もうめっちゃキャッキャする。
大般若長光の互の目が混じった大丁子の刃文とか
ドキドキしません?!
元気出したい時によく見てます(刃文を)(⁉️)

と言いつつも、丁子の刃文だけでなく
最近出会う機会が増えた皆焼(ひたつら)も
結構好きです。めっちゃかっこいい。。。
激しい豪華な刃文好きかと思いきや、
湾れ刃もゆったりしつつ
大きく寛大な雰囲気で可愛いです。
芸術性が高い吉野川🌸や富士山🗻とかの
ちょっと変わった刃文も日本刀本来の機能よりも
エンタメ性に重きを置いた時代に合わせた
"日本刀"という存在の移り変わりを楽しめます。

日本刀全体の姿の好みで言うと鎌倉期の太刀がやっぱり好きで、展示でお!好きかも…となるのも
そういったものが多め。
刃長が長くて、反りが深くて、
身幅が広いものがタイプです。
存在感あるゴツいのがめっちゃ好きで…🫶
自分が帯刀するなら、、、ってよく考えてます笑笑
鞘から抜いた時に周りを釘付けにするような一振りがいいでしょ!!!←

さて、これからの話。

ここまではこの1年間を振り返りましたが、
ここからは未来の話を。
「これからどんな刀剣に会いに行こうか」
「刀剣を見ていってどうしようか」そんな話を!

この先会いたい!!!思っている刀剣は
山ほどありますが、
日光一文字
小竜景光
大般若長光
津田遠江長光
生駒光忠
この辺りは特にです。

日光一文字はも〜〜〜〜〜〜〜めっちゃ見たい。
こんなに男前な刀あります?!
ギラっとした見た目で、でも堅く静かに我々に
存在感を示すような一振りで大好きです。
見るたびに「お前は本当に男前だ…」って
言ってる気がします()
小竜・大般若は定番のトーハク国宝コンビ!
大般若長光は造りが死ぬほどタイプなので
ドキドキします。津田遠江長光も大般若と「双璧」を成す長光の大傑作なのでもうもうもうです。
今東京でみれるらしくて飛んで行きたいです😭

生駒光忠は言うことないですよね(笑)
きらりと光る金象嵌銘が目を惹き、
光忠、強い!!!と思わせてくれる最強の一振りだと私は思います。刀剣や美術の知識がたとえなくとも、なぜこの一振(生駒光忠)が国宝なのかを
必ず実感できる、納得できるパワーを感じます。
あとは江ももっとたくさん見てみたいですね!
鑑賞が難しいと聞くのでぜひどんな感じか
体験してみたいです。
いつかは江も乗りこなしたいな〜、、、😂

この一年の目標として日本刀を鑑賞する力を養おうと「とにかく数を見よう!」と頑張っていたんですが、今後も引き続きとにかく見まくるのを継続することになりそうです。


全くの知識無しの状態から身一つで入ってとにかくとにかくがむしゃらに日本刀と向き合うと、絵画芸術とはまた全く異なる「限りなく人の近くに
寄り添うために生まれた道具である。」
そんなことを強く強く感じました。
戦で使う武器なのに、人の命を奪うための
ただの道具なのに。どうして、
人間の温かさを感じずにはいられません。

『折れず・曲がらず・よく切れる』
そんな無駄を一切削ぎ落としたある種究極の
美しい見た目や語り継がれる逸話の数々は
ただの戦道具の鋼に価値をつけ、それは時に
人の命よりも重いものでした。

展示室で見る日本刀はどれも静かだと私はよく感じます。ただ静かに、決して揺るがない価値を確かに持ちながら在ります。

私はこの”決して揺るがない価値”を感じる瞬間が
とっても好きでもあります。
これは日本刀だけじゃなく、絵画や彫刻や音楽などの芸術作品全てに共通すると思うんですけど、
いつか誰かがその作品を守り・残そうと尽力した
結果が今目の前にある展示で、逆に言うと残そうと思わなければこういったものは残りません。
簡単にみんないつの間にか忘れちゃいます。
そんな中で何百年、下手をしたら千年前のものが
目の前にあることは感動と共に、どこか作品が放つ「魔性」を感じざるを得ないというか、
価値観とか美意識とかが簡単に変わってしまう中で何百年も人に選ばれ大事にされて価値をつけられて残ってきた。つよい。確実に「つよい」。。。
どんな時も人々を魅了する強い魅力が日本刀からはビシバシ伝わってくるんです。

そういうある種の「魔性」「魅惑」が
私をここまで沼らせたのかな。。。なんて
ふと考えます。
この先どんな一振に出会えるのか、またそこで
どんな景色を見れるのか想像するだけで
胸が踊ります。色んなことを"頑張ろう"って
思えちゃいます😳🩷
このnoteでもなるべく沢山紹介したいですし、
美しい鋼の海を貪欲に渡る様子を記録
出来たらなと思いつつ今回はおわりにします。

思ってたよりも長くなりました。(笑)
時間かかりまくりました←
読んでくださった皆様、そしてあなた。
ありがとうございます🏄‍♀️🌈🌈
日本刀にすこしだけでも興味を持ったら
ちょっと立ち止まって見てほしいかも…🫶
刀はいつでも静かに待ってくれているはずです。

ではまた¨̮⃝



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