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この世界は確率できまっている

  みなさんは試験の合格発表がある,学生最後の試合があるとなった時どうしますか?両手を胸の前で握りしめてお祈りをする人もいるのではないでしょうか.結果いい方向に向かうように神頼みをする人はたくさんいると思います.

 前回の記事で神はいないということについて言及しました.見ていない方はそちらをご覧ください.

 神がいないので祈ったところで何も変わらりません.祈るという行為は一種のパフォーマンスに過ぎないのです.

 

 野球の試合前に神頼みを行ったとしましょう.試合は終盤.9回裏ツーアウト,同点の場面.ピッチャー大谷.いわずと知れた大投手.バッターはあなた.大谷選手はフォークを投げようとしたがすっぽ抜けど真ん中に.あなたはそれを打ち返す.通常はレフトフライだが強風が上空に吹き風に乗ってレフトスタンドへ.逆転サヨナラホームランにより勝利!
 ヒーローインタビューで打ったバッターは「神様のおかげです!」というでしょう.残念ながらそんなことはありません.たまたまピッチャーが投げたボールが甘く入り,たまたま風が吹いただけです.神様が風を起こしたという証拠はあるのでしょうか.たまたまが重なりただの運がいい人だったのです.

 では,私たちは何もできないのか.運命にあらがえないのか.その話をする前に,未来は予測できるのかについてお話ししましょう.


 占い師が未来を予測する,例えば,あなたは5年後に結婚するでしょう,など.あれは嘘です.(私は超能力は信じていないので断言しますがもしできる方がいたら教えてください.)テレビで占ってみたなどやってますがあれはエンターテイメント.本気にしてはいけません.
 私が言いたいことは「未来は誰にもわからない」ということです.それはなぜか.物理学の視点から説明したいと思います.

 皆さんは量子力学というものを知っていますか.簡単に説明すると,全ても物は連続的ではなく離散的(値がとびとびをとる)だということを用いていろいろな事象を説明していく学問です.例えば可視光などの光は連続に目にはいってるのではなく粒が目に入ってるといった感じに.
 量子力学で有名な式にシュレディンガー方程式という式があります.おそらく中高では電子は粒で表現されていたと思います.水素は1個でヘリウムは2個のように.実際のところ電子は粒で存在しておらず雲のようにボヤっと存在しています.すなわち,電子がどこにあるのか,絶対ここ!と指さしすることができません.
 そんなときに使われるのがシュレディンガー方程式です.シュレディンガー方程式は電子がその空間にある確率を示すことができます.場所ではなく確率です.水素の電子が一粒とされるのは,電子が存在するとされる確率が高い軌道(空間)が一つだからです.こんな感じで電子より小さい世界では私たちの想像を超えることがたくさん起こっています.
 そして,今回大事な話として陽子の振る舞いを見ていきましょう.陽子はあるところでパッと発生しパッと消滅します(消滅するときは対消滅といい負の物質と合わさることにより起こる).陽子はランダムで出現します.この現象はどこで起こるか予測することができません.つまり,未来においてどこで陽子が発生するか予測することはできません.一つの陽子においてこのようなことが言えるのでそれらが複雑に絡まったこの世界を予測することはとういて不可能です.ゆえに,未来は予測できないのです.
 

 じゃあ,祈ったところでより良い未来にすることはできないのか.そんなことはありません.神頼みをすることにより,精神が安定し集中され,気持ちが落ち着くでしょう.効果がないわけではないです.ただ,結果は神様が操作することができません.自分の力で何とかするしかないのです.
 運命は確率によって決まります.自分のいいとする確立を上げるためにも,精神を安定させるルーティーン(神頼みでも構わない)を行うことを私はお勧めします.

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