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ロンドン子育てで助かったベビーシッターとナニー

日本でベビーシッターを利用する家庭はまだそんなにないのかもしれないが、ロンドンでは誰でも一度は使ったことがあるのではないかというくらいの率で利用されるサービスだ。ベビーシッターにも色んなパターンがあり、住み込みのオーペア、親がいない間に面倒をみるナニー、親の夜のお出かけ時や子どもが寝ている間なんかにいてもらうベビーシッター、学校のお迎え時から短時間だけのアフタースクールナニーと、大体こんな感じで分けられている。

私は息子が14ヶ月になった頃、スペイン旅行で所謂ナーバスブレイクダウンの一歩手前になり、夫がナニーを雇うことを即決めした。出産して間もなく実家の母に渡英してもらい1ヶ月手伝ってもらったのだが、その後いくら子育てに積極的な夫とは言えども、男性の手では気づかないことが多すぎると苛立ってもいた。息子が歩き出してからは毎日彼が怪我しないようにと守ることに精一杯で、子育てを楽しむ余裕など微塵もなかったように思う。そんな状態で異国スペインに行き、疲れ果てて起き上がれなくなってしまったのだ。

ロンドンに戻ってすぐ友人がニュージーランド人のナニーを紹介してくれ、週に3回まずは2時間ずつ息子をみてもらった。まだ20代前半なのにとてもしっかりした子で「昨日何時に寝かせたの?機嫌が悪かったわよ。」などお叱りを受けることもあれば、仲良くなったナニー同士で他の子ども達と遊ばせてくれ、私ができないようなことをよくやってくれた。その後モンテッソーリの歩き出した子たちが通える幼児クラスに週2回登園させることにし、私も毎日の中で自分の時間をいくらか持てるようになった。高齢出産であった私は、いかんせん自分の時間を思いっきり楽しんで生きてきたので、自分の時間を持てない苦しさに耐えられなかったのかもしれない。

共働き、子どもの数が多い、それぞれが様々な理由でベビーシッターを雇うし、家の掃除をしてもらうクリーナーを雇っている家庭も多い。時は金なりとはよく言ったものだが、ロンドンでは自分が不得意なこと、時間を割きたくないとこにはお金をかけて他の人にやってもらう場合がよくある。自分一人で背負いこむ必要はないのだ。

さて、その家庭家庭に入り込むナニーなので、家族との相性がとても大事になる。モンテッソーリ時代のフランス人の同級生のナニーは、同じ家庭でもう6年働いていると言っていた。相性が合い、兄弟姉妹が多い家庭に就けば働く年数も長くなるようだが、きっと彼女はスーパーナニーなのだろう。運動量が多い男の子の家庭には男性のナニーが就くこともある。逆にどの家庭とも相性が合わずに数ヶ月で契約を断ち切ってしまうナニーもいる。そしてロンドンではオーストラリアやニュージーランドから来たナニーが人気で、それを謳い文句にしているエージェントもあるほどだ。イギリスの家庭だと子どもの発話のために英語圏から来ているナニーが欲しいし、オーストラリアやニュージーランドは温厚な人たちが多い印象があるからのようだ。

私たちがナニーを使うことはもうなくなったが、この冬から私は家庭教師探しに精を出すことになるだろう。

※写真はこのマルコメ君が動きまくり私を疲弊させたスペインで、その瞬間。

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