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内向的なわたしと外向的な仕事

できれば仕事のために家から出たくない。
人にもあんまり会いたくない。熱量だって低い。

それでも、出張が多く
いろんな人と会う機会が多い仕事をしている。

向いてないと思いつつ、
挑戦してみることで得られる何かもある。



わたしの仕事はメーカーの技術職。
社外の人との接点が多い。

相手はその道の専門家だったり、
もう少し身近な人だったり、気難しい人もいたり。
誰であれ相手の協力が絶対に必要。

それから、日本全国あちこち出張がある。
(今はコロナの影響でwebが多いけれど)


けれど、本来のわたしが自然に向く方は、
会社でひとりコツコツ進める仕事だと思う。

今の仕事と正反対。

就職活動の頃からずっと感じていた
ほんとにできるの?
向いてないんじゃない? なんて不安。

それでも今の仕事に惹かれたのは、
仕事内容はもちろんだけど

色んな人と話して、色んな所へ飛び回れたら、
いつもの自分じゃないみたいで
かっこいいんじゃない・・?という少しの憧れ。

(今思えば、学生の頃
教育がしっかりしていることで有名な
某アパレルでバイトをしようと思ったのも
同じことだったのかも)

そんな憧れから諦めずにしがみついていたら
今の会社に採用してもらえた。



それから5年が過ぎた今、思うことは
やっぱり、向いてはいない!笑


だってもう、
とにかく疲れる。

一番わかっていたこと。
苦手なことをするのだから心身ともに疲れる。


全国どこでも日帰りの出張が多いので、
そんな時はまず身体が疲れる。

そもそも体力には自信がない。
どこかで電池が切れて、年に1回は絶対に熱を出す。
(去年は初めて1度も熱を出さなかったけど!)

新幹線や飛行機は、変な姿勢で寝てしまうので
肩は凝るし、身体は歪む。

乗り物酔いが得意なので
思うようにご飯も食べられず、へろヘろ。


そして身体の疲れよりも
どっしりとくるのは心の疲れ。

初めての場所へ行くとき
初めての人と会うとき
まだ慣れていない仕事の話をするとき
自分の意見を声に出すとき

もうとにかく全てが苦手なものだから、
出張はもちろん、会議での発表なんかも
数日前から頭はいっぱいで、そわそわ。

緊張と不安と心の準備が忙しくて
憂鬱な気持ちが押し寄せる。

当日、どきどき緊張が高まると
声は詰まって震えるし、資料を指す手も震えてる。

思い出したくないような失敗も
家でしくしく泣きべそをかくことも。

誰しも色んな疲れがあるとは思うのだけど、
自分に向いていないことをするのって
とってもとっても疲れる。



それでも、続けてきてよかったと
思うこともある。


はじめは本当に最悪だったけど、
回数を重ねれば、ある程度は慣れる。


目的地までの道が心配なら、
事前に細かく調べて、
時間に余裕を持って家を出よう。

緊張と心配で声が震えるなら
寝る前に、行きの電車で、もう一度練習しよう。

初めての人とすぐには親しくなれないけれど、
時間をかけて関係を築いていくことはできる。

お話上手のあの人みたいにはなれないけれど、
地道にコツコツ丁寧な対応は得意。


自分に向いていないと
避けて通ることもできたと思うけど、
逃げずに向き合い続ければ
ちゃんと自分にもできることが見つかった。



それから、お仕事的にはおまけだけど
国内の一般的な所であれば、
ひとりでどこでも行ける自信がついた!

(一般的、と付けたのは
山とか島とか辺鄙な所はまだ行けなさそうだから。
ちなみに英語は話せないので、海外は論外。
そして一人旅はしたことがない、予定もない。)

社会人になるまでは
ひとりで関東すら出たこともなかったけれど、
今なら自分で調べて、ひとりでも行けると思える。

新幹線も飛行機も、サクッと予約できる。

あんたは方向音痴で危機管理能力が低いから
一人旅なんて絶対ダメよ、と母に言われてきた
わたしにとっては、大きな進歩!

そんなこんなで、この仕事も
悪いことばっかりではなかった。



少し話は逸れるけれど、
わたしは仕事に対して向上心があまりないと思う。

やりがいや、会社と自分の成長なんかより
なるべく残業しないで、
ほどほどのお金がもらえることが最も大事。


この文章も、向いてないと思う仕事をしてるけど
まあいいこともあったのよ、
くらいの軽い気持ちで書こうと思ったのだけど

いざ書き始めたら、
辛かったことや色んなことを
ひとつひとつ、たくさん思い出して

あの頃のわたしとずいぶん変わったんじゃない?
ちゃんと頑張ってきたじゃん

と、素直に認めてあげたくなった。

荷物でパンパンのリュックを背負って
スーツとヒールでピシッと歩いているときの
自分はちょっと誇らしい。

自分を卑下してやる気をなくすのではなくて、
たまにはこうやって褒めてあげるのもいいね。



そんなわたしのお守りはこの言葉。
ふっと気持ちが楽になる。

みんながみんな向上心持つ必要ないと思います。
みんながみんなお金持ち目指してる訳じゃないし、みんながみんな競争してる訳じゃないし、一人一人ちょうどいい場所ってあるんだと思います。
(「カルテット」第8話より)

坂元裕二さん脚本の大好きなドラマ、
「カルテット」の台詞。



そして最後に。

この先も今の仕事を続けたいかと聞かれたら、
答えはノー!

やっぱり疲れることはやりたくないし、
もっと自分に向いていることがあると思う。

失敗して当たり前の若いうちに
苦手なことをたくさん経験して
ちょっとだけ成長できたから、もう十分。

結婚して、家庭を持って
仕事への向き合い方も変わっていく。

少しずつ、自分の好きなことや
得意なこともみえてきた気がするので、
進路はゆっくり考え中。

ほそく、ながくを合言葉に
わたしの働き方を探したいです。



(仕事の相棒はPORTERのリュック、
軽くて丈夫でシンプルなデザインも好き!)

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