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たまたまNetflixのおすすめに出てきた「ナイブズ・アウト」は雨の日の休日をワクワクさせた

最近休日は作業をするために引きこもってしまうのですが、作業BGMは映画という何とも失礼な人間なんです、すみません。

ましてやBGMにする映画を決めるために小一時間はネットサーフィンに走ってしまうので本当に効率的ではない私ですが、映画は大好きなんです。1時間かけてその日の作業を素敵な時間にしようと、拘ってしまうのです。

まあ、お陰様で作業は進みません。


今回ご紹介するのは
「ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密」
という2019年公開のアメリカのミステリー映画です。

ちなみに私は事前知識もなく、たまたまNetflixのおすすめに出てきたので気まぐれで見始めただけなので、多分昔の映画のオマージュなども隠されているかもしれないので、みる人によっては面白いかと思います。


目次はこちらです


1、簡単なあらすじ

本当に簡単ですがあらすじを紹介します。
とても有名なミステリー小説家ハーラン・スロンビーが、自宅の邸宅で85歳の誕生日パーティーの翌日に殺されてしまいます。
警察は自殺を断定しますが、私立探偵のブノワ・ブランは自分を雇った依頼主もわからないままこの事件を捜査していきます。
あまりにも個性的で主張の強いスロンビー一族と主人公であるマルタはブランに翻弄され、次々と一族同士の綻びが見えてきます。

最初は視点が誰の視点にも集中しないため、第三者として数々の家族の問題が見えてきますが、マルタの視点になった途端事件の全貌が視聴者にだけ見えてきます。

しかし終盤で、思いも寄らない真実が発覚します。
そしてそれは最後にブランが推理を話し始めるまで視聴者にはヒントもなく分かりません。

こんな感じですかね、物語の展開がゆったりしていると思いきや、突然早くなったりするので本当に作業が進みませんでした・・・。


2、個性の大渋滞一族

正直海外ドラマが苦手なくらい登場人物が多いと困惑してしまう質なので、一族全員の名前も曖昧なのですが、まあ個性がすごいすごい。

なんだかんだ一番個性が強いのは探偵さんとマルタでしたけど。

探偵さんは007でも有名なあの俳優さんでした!
一族の人達の一人一人と話をするときに顔がズームアップになるのですが、あの人の色素の薄い綺麗な瞳があまりにも、映画の舞台になっている館にぴったりでした。凄い綺麗なので序盤の捜査シーンだけでも是非みてみてください。
ライトグレー?少し水色が入っている瞳なのですが、あの色は絵の具で作るのも難しいくらい綺麗でした・・・。

そしてマルタですが、実は嘘をつくとすぐに吐いてしまうというミステリー映画に出てはいけない主人公体質なんです。面白すぎる。
そんな彼女だからこそ殺されてしまった小説家のおじいさんはマルタと親友のように仲が良かったんです。家族みんな嘘だらけですし、いろんな経験をして生きてきたからこそ人の嘘には鋭いのでしょう。
映画を見ていくと彼女が嘘をつけないのは吐いてしまうからという理由だけではないとわかってきます。話の中で偽るシーンもあるのですが、やはり行動は自分の心に嘘がつけない真の強さがありました。マジでかっこいいっす。

殺されてしまった小説家のおじいさん(ハーラン)はめちゃめちゃいい人生を生きたであろうイケオジです。自分の家の中にナイフだらけの仕掛けを作ったのはどうかと思いますが、終盤でそのナイフに「お前まじで・・・びびったやろが・・・」と思わず口に出してしまうシーンがあるのでお楽しみに。
とにかくクソ生意気でガキンチョみたいなおじいさんなんですけど、この人と友達になりたいと思うようなノリの良さです。そして親友(マルタ)にめっちゃ優しいので、家族を育むのは苦手だけど人を見る目はある人なのは間違い無いですね。
生きてたら私も友達になりたかった・・・。

101匹わんちゃんから毛皮を取りそうな見た目の、おじいちゃんの一番娘(叔母様)リンダさん。この人の雰囲気作りはマジで凄いです、ほんとに毛皮着てそう。
吹き替え声優も相まって、優しいのか怖いのかわからなくなる叔母様です。
「私は1人で頑張って、ここまでの功績をあげたのよ」と堂々と語っている女社長さんなのですが、一方でマルタのことを「いい子なの」と言いつつ「移民らしいけどね」と初対面の警察に一呼吸で話し終えるような人格です。
でもおじいさまのことは本当に愛していたようです。いい娘ですね。

パパの本を出すためだけの出版社を自分の居場所として陣取ってるオオカミさん(ウォルターさん)。一見苦労人ムードを出してるんですが、他力本願で窮地に立ったら力尽くって感じから心の狭さが垣間見えてしまう残念キャラです・・・。

浮気と怒号、その名はチャールズ。
リンダさんの夫ですが、文字通り浮気をしてますし、すぐ怒鳴ります。
以上です。個性には十分ですね。プライドの高い嫁にこの男ありです。

話し方も佇まいもQOL意識の高いインフルエンサーのジョニさん。
話し方がめっちゃゆっくりで上品故に何か面白いです。本当に最近youtubeやInstagramで見かけるセレブのような人ですが、寝返りの速さは驚くべき対応力です。流石変動の多い現代で生きるインフルエンサーです。

この事件には一切関係ないと第三者からでもわかる唯一の安心感メグちゃん。
見た目は結構強めの女の子(マリファナ吸ってますし)ですが、マジで序盤から容疑者じゃないなって分かります。根はいい子ってまじこの子のことです。
家族に翻弄されますが、家族も友達も大切にしたい気持ちは伝わります。

スマホとしか目が合わない少年ジェイコブ。
まじでスマホしか見てないです。家族と喧嘩になった時に飛び交う彼の単語はティーンエイジャーには伝わるんですかね・・・?私はわからなかったです。

めっちゃ物語の重要人物で別世界ではアメリカのヒーローだったはずのランサム。
吹き替え声優までキャプテンだったので、アベンジャーズファンにはたまりません。相変わらずの演技力で、まーじでムカつく演技が上手いです。表情が本当に腹立たしいんですが、あの甘いマスクが憎めないのが憎いですね・・・本当にかっこいいな。筋肉もいい感じです、是非目の前で盾を投げて欲しいです。


3、舞台の館がめっちゃ作り込まれてる

映画の序盤から伝わると思うんですが、館が凄いんですよ、作りが。
インテリアの色合いも、カントリー調とミッドセンチュリー感があるんですが、その中に不気味なくらいナイフや武器が飾られてるんです。

でもなぜかその武器たちに恐怖を感じない。
どう考えても自分の家にあったら、ひょんなことで怪我しそうだし地震で倒れてきたら死ぬかもしれない・・・ってくらいナイフが飾られている居間があるんですが、怖くないし、むしろ緑色の壁色に映えて綺麗に見えてしまうんです。

それにシーンによって屋内の雰囲気と屋外の雰囲気が全く違うんです。
屋外は皆さんが憧れるような外国のコテージ感が凄いです。住みたい。
屋内は外に出なくてもいいくらい芸術品が詰め込まれた美術館です。映画好き、ミステリーもののゲームが好き、博物館が好きな人は好きですよきっと。

嗚呼、住みたい。


4、カメラワーク・リズム・テンポがいい

突然手振れがすごいカメラワークになったり、シンメトリーな構図でズームアップになったり、おしゃれなジャズ曲と共に絶望感たっぷりのシーンが流れたり。

事情聴取のシーンではポジティブな話をしているときの登場人物の切り替わりはゆったりとした静かな沈黙を置いてから次の人に切り替わる。ですが、怒りに任せて一族の悪口を言い始めた途端に切り替わりはざっくりしていきます。

他のシーンでは、1人にシーンの主導権が握られズームアップされた後に、他の人々をカメラに収める瞬間ぐるんと視点が切り替わります。ズームアップされているシーンはその他大勢の視点、他の人々がカメラに映り込んだ瞬間はズームアップされていた人物の視点、ということですね。
上手い切り替わりです。

とにかく映画全体てテンポを掴むのが難しいのですが、どこか心地良いんです。
それは音楽にも隠されていると思うのですが、カメラの切り替わり方は実にユニークでした。

個人的には、救急車が到着したシーンで探偵さんが音楽を聴きながら車の中で歌っていたため、なかなか救急車に気づかないシーンがあるのですが、右半分に車内で歌っている探偵さん、左半分が後ろから到着した救急車が見えるという構図が好きでした。あと普通に歌の意味がわからないのが面白かったですね。


5、最後に

結末まで見てみると、こうゆうストーリー結構ありそうだけど・・・?と思う瞬間があるんですが、この作品のストーリー展開と映像美とキャラクター性と絵面はあまり見たことがなかったので結構お気に入りの映画になりました。

新しい映画、という感じではなくノスタルジック感やほんの少し手作り感があるのがいい味を出していた作品でした。

あと一族同士の汚い言葉が行き交う喧嘩がなんとも滑稽で面白いです。

機会があれば是非見てみてください!


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