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ダイバーシティと見えない障害

上のマークを見たことのある方はいるだろうか。

あまり馴染みはないかもしれないが実はこのマーク、オストメイトをつけた方への利用案内表示で駅やその他の公共施設の誰でもトイレなどに表示されている。

オストメイトとは人口肛門のことでお腹に直接つけるバックのことを指す。日本国内では21万人もの人が、米国では50万人が装着している。クローン病や潰瘍性大腸炎、子宮内膜症、大腸がん、交通事故などでこのバックをつけなくてはならない人もいる。

日本国内では約4割のオストメイトユーザーが温泉やプールなど公共施設を使わない。これは汚れる、汚いなどといった声を恐れているためだという。オストメイトは衣服を装着すると外観からはわかりにくい。そのため、障害が理解されず、今なお日本でのオストメイトの理解とそれを抱えて生きる人へのサポートは他先進国に比べ、極端に低い。オストメイトユーザーのように目に見えない障害を抱える人は多い。難聴を患う人や、精神疾患のある人など一見健康そうに見えても実は周りには理解されない悩みや障害を持つことで社会から孤立してしまう人も少なくない。

大阪府の高校に通う生徒が「茶髪」を理由に学校にこれなくなったというニュースを耳にした人も多いと思う。多様な人種が生きる国にとって日本の統一主義は耳を疑うような因習だ。多種多様な人種国家では「外見」で人々を統一させることは無理に等しいからだ。「皆がそれぞれ違うからこそ統一させなければならない」のではなく、「違うからこそ尊重しなければならない」のだ。

自分と違うものや人を排除するのではなく、まず客観的に受け入れてみる。それから自分の意見と比較して、お互いに理解し合うことで社会は豊になっていくのではないだろうか。気候変動やIT旋風で刻一刻と社会情勢が変わる昨今はより柔軟な考えと未知の課題に挑戦する力が必要とされる。よりレジリエンスのある社会にしていくには「相反するものを受け入れる姿勢」と「共存力」がカギとなるのでないだろうか。



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