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ねじって歩く

患者さんの後ろから両側の肩甲帯の辺りに触れ、そこから全身をねじるように誘導して歩行のハンドリングをすることがあります。

昔、恩師の先生から教わったやり方です。

このやり方、swingしづらかった足が出やすくなったりと、けっこう重宝しています。


細かくはいろいろ、どのタイミングでどこに荷重がかかるのを感じながらどこをどの方向に・・・・と言い出すとなかなか大変なのですが。


先日、後輩のOJTでこのハンドリングをして、なかなか自分としてもしっくりくる説明ができなかったんです。


で、そこからしばらくあれこれ考えていて。


ふと。


あ、これって、そういう細かい局所的な話じゃないんだよな、と。


あ、これって、歩行の1つ1つの感覚を最大限強調するハンドリングなんだな!と。


思い至ったのです。


ICからの踵→小趾球→母趾球といった、足底内の荷重移動もそうなら。


よく問題として取り上げられる、TSt.での股関節伸展もそう。


体幹の使い方だって、もちろんそう。


要は。


これって、歩行に必要となる感覚それぞれに対して、閾値をちゃんと超えられる入力をするハンドリングであって。

しっかり閾値を超えた感覚が入力されると、それに対する運動出力がされるから、swingが出やすくなったりするっていうことなんだ、と。


当然感覚がちゃんと受け取られることが前提なので、患者さんが不安定になるようなやり方では意味がないわけで。

安定感を担保しつつ、しっかりとした感覚入力をする。


これがまた、言うは易し、行うは・・・・という部分ではありますが。


まあ、歩行は回旋運動が重要、なんていうのはよく言われている話だし、これは単に自分が気付くのが遅かった、という話なのかもですね。


と、言うか・・・・

ハンドリングって、そもそもそうなんでしょうね。


患者さんが受け取れる状態を用意して、そこに適切な感覚を提供し、それに対する出力を得る。


めぐりめぐって、結局家に帰ってきたような感じです。


1歩進んで、1歩戻っただけでした・・・・

お付き合い頂き、ありがとうございました・・・・


あ、ちなみにこの人形、久しぶりの登場です。

お見知りおきを。

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