うつ病とウイルスの関係から、人の進化の解明につながるかもしれない、SFのようなリアルな話
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2020/10/4
こんにちは。HACOです。
クリストファー・ノーラン監督の「TENET(テネット)」という映画をみて、久しぶりにハードコアなSFを体験した今日この頃です。映画の話しといきたいところですが、ネタバレなしで話すことも困難な作品なのでまたの機会があれば。
本日は、うつ病とウイルスの研究についてニュースのからの自由連想。
医学的な進歩についても考えたいところですが、そこは置いておいて、人類の進化の過程の解明につながるかもしれないお話しが出てきていることに興味が賦活されました。
サピエンス全史がここで絡んでくるとは思ってもみなかったです。
うつ病とヒトヘルペスウイルスについては、2020年6月ごろにニュースになっていましたが、COVID-19 関連のニュースで埋もれてしまっていた感があったかなと。また、10月に再度注目された時の記事はコチラ。再注目されたことで、自分でも数カ月前に思ったことの振り返りができてよかったです。
ヒトヘルペスウイルスが産出するたんぱく質の名前の「SITH-1」というのが、「スター・ウォーズ」の「シス」からきているというのはナイスなネーミングですね。ただ単に悪者というだけでなく、いろいろな作用をもたらすものとしという深読みもできてしまうかも。
遺伝子に着目した「ヒトゲノム」解析から、ヒトに寄生している細菌やウイルスなどの遺伝子も総合的に人の遺伝子として調べていく「メタゲノム」解析の提唱により、いろいろなことがわかってきそうですね(予算や時間などがすごくかかるのが現状らしいですが)
今回の研究の解説は下記のリンクのPDFから見ることができます。
うつ病の原因遺伝子の発見
-ヒトヘルペスウイルス 6(HHV-6)の潜伏感染はストレス応答を亢進させることで、うつ病のリスクを著しく上昇させる-
東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座・近藤一博
簡潔に書かれていますが、しっかり理解するのは難しいかもしれませんが、何となくでもよいので、イメージとしてとらえておくといいかなと思います。
そして、今回の中で一番面白かったのは、人類の進化の過程につながるお話しに発展していること。
東京慈恵医科大学ウイルス学講座の『16話:SITH-1は人間を進化させた?』をぜひみてほしいです。マンガで解説しているので、非常にわかりやすいです。下記のリンクから。
16話では、15話の「ヒトに潜伏感染しているウイルスはヒトの役に立つこともある」というお話をさらに発展させた仮説を紹介しました。この仮説のヒントとなったのは、サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ著)という本です。この本では、我々ホモ・サピエンスは、約7万年前に「認知革命」と呼ばれる認識に関する変化を生じ、急に大きな集団を作ったり、宗教や文化を発展させたりすることで、世界を支配して行ったことが描かれています。
ただ、この本の中では、「認知革命」が生じた原因やメカニズムについては、あまりはっきりとしたことは書かれていません。そこで私は、15話で説明したSITH-1の性質が、この「認知革命」のメカニズムではないかと考えたわけです。認知革命が生じた時期にHHV-6の感染が広がり、SITH-1を持つホモ・サピエンスが文明を発展させていったと考えると、夢が広がります。
7万年前に「集団生活」「宗教」がはじまった理由が、「不安」が出現したから!?そして、この不安はどこから来たかというと、ヒトヘルペスウイルスの出現によるものだとすると…「不安」から「攻撃性」が賦活され、ホモ・サピエンスが他を滅ぼしながら現代に…
これは、もしかしたて「シス卿」の暗黒面(ダークサイド)の影響との関連が……
COVID-19 の出現が人類の進化の鍵を握っているのか?(遺伝子などの内因的?な進化ではなく、人の行動など外因的?な要因を刺激して、滅びの鍵とならないことを祈っていますが…)。
それにしても、サピエンス全史がここで絡んできたのが非常に面白かったです。
うつ病とウイルスとの関係からの、SFのようなリアルな話しでした。
脳科学・精神医学というのは未知な部分が多い領域です。日進月歩でいろいろ解明されていくことで、これまでは精神のことだと規定されていたものが、身体や遺伝子のことになっていきます。精神や心の領域は、どんどん減少していくのかもしれません。ただ、解明されていてもいなくても、現実でのケアや適応、成長について関わっていくことが必要な部分があります。こころ」という構成概念が象徴する(リンクする)人の成長、他者とのつながりというのは、普遍的なものであって、それ(こころ)が人間というものを規定するものであるのではないかなと思ったり。それは、人としてのエゴかもしれませんが。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。
それでは、また。
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