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100人規模のワークショッププログラムでもレジリエンス向上の成果を確認!

 こんにちは。オンラインメンタルスクール プシケの松尾です。
 関東の医療系大学で、「学生生活・実習に役立つレジリエンス心理学メソッド」をテーマとしたワークショップを開催しました。100名程の大学生に、90分のプログラムを3週連続で全3回提供しました。
 去年もワークショップ参加前後でレジリエンスの得点が向上することが確認できていましたが、その際は、コロナ対策で約30人ずつのグループに分かれて少人数で実施していました。今年は感染症対策が緩和されたこともあり、約100人一斉での実施となりました。
 実施前後でレジリエンスに関するアンケートを行ったところ、レジリエンスの得点が有意な差で向上したことが確認され、大人数の実施でもプシケのワークショップを通して、レジリエンスが向上したと考えられる結果となりました。
 大人数でもグループワークに興味を持って取り組んでもらえるようメリハリある構成に、バージョンアップしたワークの概要をご紹介します!

ワーク紹介

 アンケートフォームで作成したワークシートに取り組み、クラス全体の回答の集計結果を見せてふりかえるなどしながら、グループワークに取り組んでもらいました。

1.ストレスについて分析・シェアするワーク

 独自に作成したストレス対処法のタイプアンケートに回答してもらいました。ストレスの対処法には種類があり、発想を柔軟にあらゆる対処法をとれること(コーピングレパートリー)が大切との学びにつなげました。

質問項目例
ストレス対処法のタイプ
集計結果

2.自己理解のワーク

 考え方(物事の捉え方)のクセを擬人化したもの(武田,2021)を用いて、気楽に客観視しながら自己分析してもらいました。同級生とクセキャラが出てくる場面などについてのエピソードで盛り上がっていました。

考え方のクセキャラ一覧
自分と”腐れ縁”だと思う考え方のクセキャラアンケート結果

3.他者理解のワーク

 感情や行動から考えを想像し、同じ状況でも受け止め方が違えば感情や行動が異なることを確かめました。その後、学生生活で起こりうる葛藤場面に対し自分ならどうするか考え、グループで話し合い、他の人との相違点についてふりかえってもらいました。ほぼ全員がノートを貸すものの、気持ちとしては「力になれて嬉しい」「心配」と答える人がいる一方、「ムカつく」「嫌悪感」「不信感」「ダルい」と感じる人もいて、グループの話し合を通じ、行動が同じでも、背景の感情がひとそれぞれ異なることに面白みを感じられたようでした。

大人数で効果的なワークショップをするには

 ワークシートに記入し、回答内容をグラフ化して表示するなどし、その内容を見ながらグループで話し合いやすいように工夫しました。「能動的な活動が多くて楽しかった」「今まで話したことが無いような内容で、いつものクラスメイトでも初めて聞く話があり、楽しかった」「自分と向き合うことができ、自分や友達についての理解が深まりました」といった感想がありました。
 ただ、各プログラムの満足度アンケートの評価点平均は、5点満点中4.2~4.7となり、少人数で行った昨年度のワークショップのほうが満足度がより高い結果となりました。講師がグループの雰囲気を見て場を温めたり、細やかなフィードバックを行うことが満足感に繋がるのではないかと思います。

講話・講演も受け付けてます

 自社開催のほか、教育機関やメンタルクリニックのデイケア等でもプログラム提供を行っています。興味のある方はお気軽にお問合せください。また、単発の学校講話等もお受けしています。お問合せは、いずれもこちらのメールアドレス宛にお寄せください。


【出典】

・日本パーソナリティ心理学会パーソナリティ研究第19巻第2号(2010年)101ページ 東京大学大学院教育学研究科 平野真理
「レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み 1) ―二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/19/2/19_2_94/_pdf/-char/ja
・久留米大学心理学研究 第13号(2014年)「リワークプログラムにおけるストレングスカードとストレングスTEBBカードを用いた認知行動療法的アプローチの実践的試み」
https://kurume.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=226&item_no=1&page_id=13&block_id=21
・竹田伸也(2012).マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける 遠見書房

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