自責感の発達 (Development of self-blame)
自責感とは、その名の通り、自分で自分を責める感覚の事である。
「自分はなんてダメな人間なんだ」「自分はひどい人間だ」「なんでこんな事も分からないんだ」、自分に向けられる怒りは数知れない。
自責感はうつ病の発達の要因の一つにもなっている。
うつ病の人は自分を責める傾向がつよい。
もちろん自分が悪いことをした時やミスをした時に責めるのはわかる話だが、うつ病の人は全く自分とは関係のない事や自分ではどうしようもない事まで自分に原因を起因し自分自身を責めようとする。
自責感が強くなると、自分に自信が持てなくなり、自分の価値を疑うようになる。
「自分は本当に生きている価値があるのか?」「自分は価値のない人間なのではないか?」など、ネガティブに考え出すとキリがない。
自責感は子供の頃に植え付けられる事が多い。
特に、十分に愛情を感じずに育った子供は自責感を抱きやすい。
この自分に対しての怒りはもともとは親に対するものだったという考え方がある。
例えば、生まれたての赤ちゃんが泣いても母親がその欲求を満たしてくれなかったり、どれだけ勉強やスポーツを頑張っても褒められる事なく育った子達は、親に対してある程度の怒りを感じる。
赤ちゃんであればその怒りによって他人への信頼を失い、褒められずに育った子供であれば「なんで頑張ったのに褒めてくれないんだ」という怒りが芽生える。
しかし、子供にとっては、生きていく上で親というのは必要な不可欠な存在である。
なので、その怒りを素直に相手にぶつけてしまうと生きるために必要な物を失う可能性が生じる。
なのでその怒りをストレートに対象に向ける事が出来ない。
しかしその怒りはどこかに昇華しないといけない。
なので、その対象は自分になり、自分自身に向けるのだ。
「親が認めてくれるまで頑張らないといけないんだ」とか、
「こんな事も出来ないようじゃまだまだダメだ」とか、
もともと対象があって、そこに向くべきだった怒りは自分に向き、自分を攻撃し始める。
それによって自責感は強くなる。
これは大人になっても続く。
頭では自分の怒りの対象がどこにあるのかは分かっている。
しかし、子供の頃に植え付けられたトラウマによってそれを対象に向ける事が出来ない。
対象に向けるとその人が離れていってしまうように錯覚するのだ。
そして、結局自責という形で自分自身がその怒りの犠牲者となり苦しむのだ。
怒りに留まらず、感情は感じ切らないと消えない。
あなたが感じた怒りはきちんと対象に向けない事には消えてくれない。
あなたは間違えていない。自分で自分を傷つける必要はない。
自責感の発達。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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