大枠だけで捉えると解決できない
仕事をしているとさまざまな問題にぶつかるはずだ。
すぐに解決できそうな単純な問題から、どうやって解決すれば良いかすらわからない複雑な問題もあるだろう。
複雑な問題の最たる例が人間関係ではないだろうか。
上司や部下、同僚との人間関係、いじめやパワアラ、なんかわからないけど居心地が悪いなど、自分一人の力ではどうにもできなそうな問題もたくさんある。
そんな時に大切なことは問題を大枠だけで捉えようとしすぎないことである。
問題を大枠だけで捉えないとはどういうことかというと、例えば、『部下から舐められている』という人がいる。
本人はそれによって自信を失い、職場での立場がなくなりつつあると嘆く。
しかし、『舐められている』と決めつけて、そのまま解決に向かおうとするのは危険である。
その前にしないといけないことは状況の分析と、自分自身の感情の分析である。
特に場面的な感情の分析である。
どういうことかというと、ただ『部下に舐められている』というレッテルを貼るのではなく、『なぜそう思うのか』『どのような時にそう感じるのか』を考える必要がある。
具体的に『こんなことをされた時に舐められていると感じる』というタイミングである。
例えば、それは『挨拶をしてこないとき』かもしれないし、『自分の指示に従わない時』かもしれない。もしくは『自分に仕事を押し付けてくる時』かもしれない。
それは分からない。しかし、そんな感じで、何かしら『私、この子達に舐められているのかな』と感じるタイミングがあるはずだ。
そのタイミングを可視化しないといけない。
そして、それができたら『なぜそのタイミングでそう感じるのか』を知る必要がある。
例えば、『挨拶をしてこないとき』に感じるのであれば、あなたは『部下が上司に挨拶するのは尊敬の表れ』であると思い込んでいる可能性がある。
本当にそうなのか検証しなければならない。
その部下はあなたにだけ挨拶をしないのだろうか?もしくは他の人にもあまり挨拶をしないのだろうか?
もし、誰にもしないのであれば『挨拶をする』という常識的なコミュニケーションが欠如した人間であるという事実が残るだけであって、あなたが舐められているという証明にはならない。
また、『自分の指示に従わない時』に舐められていると感じるのであれば、自分の指示に従ってくれたタイミングを探してみよう。
百発百中で従わないということはないはずだ。もしそんな奴がいるとしたらとっくに辞めているだろう。
ただ、『この子は私の指示に従わない』というレッテルがあると、従ってくれたタイミングが見えなくなってしまうことがある。
そして、従わなかった時だけ『ほらね』と記憶に深く刻み込まれ、その記憶だけが強化されていく。
という感じで、問題を細かく分解して分析してみると着眼点が変わってくるし解決方法も変わってくる。
『舐められている』という抽象的な状態に悩まされる必要もなくなる。
多くの人は曖昧な大枠のまま解決に向かおうとする。
しかし、それは不可能に近く、時間とエネルギーを浪費する結果になるだろうし、さらには自信を失い、劣等感を生んでしまうだろう。
なので、何か問題が降りかかってきた時はその問題を大枠のまま捉えようとしないことが大切なのだ。
大枠だけで捉えようとすると解決できない。
最後まで読んでいただきありがとうございました。