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世界最速のインディアン(2005)

あきらめず、挑戦することの素晴らしさを伝える
心が癒され、元気になれる良質のロードムービー

ニュージーランドからアメリカへ、〈世界最速のインディアン〉になるために旅立った伝説的ライダー、バート・マンローの夢と勇気のロードムービーです。

2007年に日本公開された映画ですが、名優アンソニー・ホプキンス主演作ながら、それほど大きな話題にはならなかった気がします。でも、本当に楽しくて、素敵な映画です。

【ストーリー】
1962年、60歳を過ぎたバート(アンソニー・ホプキンス)は、自己流の改良を重ねながら40年以上も乗り続ける旧式のバイク、通称<インディアン>の最高速度を知るために、アメリカのボンヌヴィル塩田で開催されるバイクの最速記録を競う「スピード・ウィーク」に初挑戦することに。持病を抱えながらも、なんとか費用を工面して、夢に挑戦するバートでしたが、初めてのアメリカは戸惑うことだらけで、ロサンゼルスからユタ州・ボンヌヴィルまでの道のり、さらにボンヌヴィルに到着してからも、さまざまなアクシデントに見舞われてしまいます。

重厚な演技に定評のあるホプキンスが、明るく、マイペースなおじいちゃん、バートを飄々と演じています。

ロードムービーの面白さは、旅の過程で出会う見知らぬ人々との交流にありますが、本作にはたくさんの素晴らしい交流が描かれています。

高齢のバートと時代遅れのバイクを見た人々は、だれもがバートの挑戦を笑いますが、そんな先入観や偏見を、ニュージーランド気質の大らかさで意に介せず、命知らずのバイカーらしい気骨さでかわすバートが実に魅力的! バートは多くの人に助けられますが、それは、既成概念にとらわれず、信念を貫くバートの姿が人々に癒しや愛、勇気を与えたからでしょう。バートの真心に、人々は優しさで応えます。そんな優しい気持ちが全編にあふれ、ユーモラスなエピソードながらも胸が熱くなります。

実話の映画化で、バートはその後も、ドクターストップをかけられながらも毎年レースに出走し、1967年に達成した最速記録は長い間破られなかったそうです。

バートを演じたアンソニー・ホプキンスが貫禄の名演を見せ、バイクアクションも迫力満点で見ごたえがあります。

あきらめず、挑戦することの素晴らしさを、声高に伝える良質な作品です。

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