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AIR/エア(2023)

世界的ブランド “エア・ジョーダン”を生み出した
仕事に熱いナイキの社員が起こした痛快逆転劇!

共同脚本を務めたヒューマンドラマ『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(‘98年)が高い評価を受けたマット・デイモンベン・アフレック。その後、2人とも主演映画は引きも切らず、とくにマット・デイモンは演技派俳優として圧倒的な存在感を発揮。また、ベン・アフレックは監督を手がけた『アルゴ』(’12年)が米アカデミー賞作品賞に輝くなど、製作者としても実績を残しています。そんな才能あふれる2人が再びタッグを組んだ本作は、期待に違わぬ面白さです!

【ストーリー】
業績不振だったナイキのバスケットボール部門を立て直すために雇われたソニー・ヴァッカロ(マット・デイモン)が、1984年、NBAデビュー前の新人選手マイケル・ジョーダンの才能を見抜き、スポンサー契約を結ぼうとしますが、数々の問題が待ち受けます。

描かれるのは、1984年に発売され、世界中で大ブームを巻き起こした、ナイキのバスケットシューズ“エア・ジョーダン”誕生の舞台裏

ソニーはタフな人物で、ナイキの予算やNBAのルールなどを無視して、ジョーダンとの契約獲得にまい進します。その度に、ナイキのCEOフィル・ナイト(ベン・アフレック)や、スポーツエージェントからの怒声を浴びますが、ソニーはまったく意に介さないどころか、逆に相手をやり込めてしまいます。

仕事に熱い男たちの舌戦は、もし実際に言われたら、凹んでしまいそうなブラックな発言のオンパレードなのですが、仕事に妥協せず、とことん本音で言い合っている様子がとても清々しく、小気味よいです。

気心知れた盟友マットとベンを中心に、ベテラン俳優たちがテンポのよい掛け合いを見せ、臨場感あふれる展開にぐいぐい引き込まれます。

ナイキ最大の問題は、マイケルが「ナイキが嫌い」ということ。一流企業のアディダスやコンバースとの契約を望むマイケルは「ナイキとは会いたくない」とまで言います。

それでも、掟破りの実力行使が功を奏し、何とかマイケルとの面談にこぎつけたナイキが打った秘策が、洗練されたデザインや鮮やかなカラーリング、ブランドの価値を高めた“エア・ジョーダン”というネーミングなど。“エア・ジョーダン”の姿が徐々に形作られる開発エピソードにワクワクします。

果たして、マイケルと彼の両親を迎えたナイキでの面談はうまくいくのでしょうか? ナイキのみならず、マイケルやバスケットボールの未来を見つめて、ソニーが行った真摯なプレゼンテーションに胸が熱くなります。

ナイキのサクセスストーリーとして、とても楽しめますが、本作を観て感じるのは、仕事を成功させる醍醐味。仕事の成功とリスクは表裏一体ですが、リスクを恐れて、チャレンジしなければ成功もありません。無難な道を歩くのもいいけれど、険しい道を乗り越えた“その先”も見てみたい、と思わされました。

世界的ブランドは作れなくても、今ある仕事をがんばってみたら、新しい何かが生まれるかもしれない。そんな仕事への意欲が湧いてきます。仕事に悩んでいる人なら、まずは本作を観て、仕事に対してポジティブになることから始めてみるのもいいのでは。

映画作りをこよなく愛する仕事人、マット・デイモンとベン・アフレックからの熱いエールをぜひ受け取ってほしいです。

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【『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』が2023年8月25日に開幕!】

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