KK_PRS(形成外科・美容外科・頭蓋顎顔面外科・再建外科)

医学博士/形成外科学会専門医・指導医/美容外科学会JSAPS専門医/頭蓋顎顔面外科学会…

KK_PRS(形成外科・美容外科・頭蓋顎顔面外科・再建外科)

医学博士/形成外科学会専門医・指導医/美容外科学会JSAPS専門医/頭蓋顎顔面外科学会専門医/顎変形症・美容・先天異常の骨切り術・顔面骨骨折・眼瞼・再生医療/上下顎+オトガイ骨切り及び顔面骨の骨切り術95件(2021年)/自身の学習と理解によるNOTEです。

最近の記事

眼瞼下垂手術

眼瞼下垂(後天性、先天性) 二重(切開、埋没) などの瞼の手術は非常に繊細な技術と解剖学的な知識が必要とされます。 術前には、しっかりと説明を行います。 例えば、眼瞼下垂では、下記のようなことを説明しています。 〔病名〕 ・眼瞼下垂 ・腱膜性眼瞼下垂 〔症状〕 ・瞼が下がって見えづらい ・瞼があけづらい ・眉毛が下がり、とぼけたような顔になる ・額に皺を寄せる ・額に力が入り頭痛がする ・瞼が開きづらいため、首を曲げて顎を挙げて物を見る癖が出る ・二重の形が変化して、幅

    • 上下顎オトガイ骨切り術における出血とその対応

      注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 顎変形症などに起因する咬合異常に対するOrthognathic surgery(顎の矯正手術)は手術器具の発達や手術技術の安定化、低血圧麻酔の導入などにより現在では比較的安全に行えるようになっています1)。しかし、術中及び術後における出血は対応を誤ると生命にリスクを及ぼす合併症となります。Orthognathic surgeryにおける出血とその対応について解説します。

      • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症としての味覚障害について

        注:自分自身の経験に基づくNOTEです。医学研究等による正式なエビデンスに基づくものではありません。本NOTEに記述した内容について、文献や教科書等では私が検索しうる限りでは治療効果やエビデンスは見つけきれていません。また、私は形成外科医師であり、専門外の領域になるため、治療については専門の先生や主治医のご意見を伺ってください。また、新型コロナ感染症後に生じましたが、まったく別の原因(ストレスなど)がたまたま同時期に重なって病態を生じていた可能性もあります。私のNOTEは基本

        • 顔の対称性 ~ facial symmetry~

          ■顔の対称性 ~ facial symmetry~■ 注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 歯科矯正治療を求める人の80%は機能的や構造的な問題ではなく、その他の目的(整容的な目的)を求めて矯正治療を始めるとされています[1]。意外なことに、歯科矯正治療を始める前の患者さん自身は歯並びや歯の見え方を気にはしているものの、自身の顔面非対称については気づいていないことが多く、治療の進行とともに認知が進んでいくとさ

          面白い名前のオトガイ形成術「キャプテン・アメリカ・シールド・オトガイ形成術」

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 ■「キャプテン・アメリカ・シールド・オトガイ形成術」■ オトガイは顔の印象をつかさどる重要な部位です。多くの資料においてオトガイの理想的な位置や形とその人の印象について論議されています。 オトガイ形成の方法には別項目で解説しておりますが、人工物を用いた方法や骨切り術を用いた方法など、その方法は様々です。 様々なオトガイの形態(後退や偏位など)があり、それに対し

          面白い名前のオトガイ形成術「キャプテン・アメリカ・シールド・オトガイ形成術」

          眼窩骨折(目の周りの骨折)⑤手術の方法と材料の選択

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 眼窩底骨折における骨折部位へのアプローチには、大別すると経皮的アプローチと経結膜的アプローチがあります。経皮的アプローチには睫毛下切開、瞼板下切開、下眼瞼切開などがあります。本邦では経皮切開が主流であるとされてきたが、経結膜切開もその利点や様々なバリュエーションが複数報告されており、近年積極的に使用されるようになってきています[44]。 二つのアプローチ方法の大きな違いは

          眼窩骨折(目の周りの骨折)⑤手術の方法と材料の選択

          眼窩骨折(目の周りの骨折)④手術の適応と時期

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 手術の適応と時期 手術の適応は、複視や眼球陥凹の有無といった臨床症状と画像検査所見から総合的に検討されます。 複視に対する手術時期については、特に線状骨折で眼窩内軟部組織の絞扼や強い嵌頓を伴う場合は緊急手術が必要と認識されています[18]。緊急性の程度については数時間以内[18]から数日[37, 38]までと幅広い報告があります、CTで完全なmissing rectu

          眼窩骨折(目の周りの骨折)④手術の適応と時期

          眼窩骨折(目の周りの骨折)③病態と症状及び診断

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 病態と症状及び診断 骨折の形態により違いはありますが、眼窩骨折の一般的な症状は眼球運動障害、複視、眼球陥凹、頬部知覚異常などです。 Missing rectus singがみられ下直筋の絞扼を伴う場合は、悪心や嘔吐・徐脈・失神を3徴とする三叉神経迷走反射(眼心臓反射)の出現頻度が高くなります。 線状骨折やpunched-out型の骨折では複視の出現が多く、burs

          眼窩骨折(目の周りの骨折)③病態と症状及び診断

          眼窩骨折(目の周りの骨折)②眼窩の解剖

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 ■眼窩の解剖  眼窩は、上壁(前頭骨と蝶形骨小翼)、内壁(篩骨、涙骨と上顎骨前頭突起)、外壁(蝶形骨大翼と頬骨)、下壁(上顎骨と口蓋骨)から構成されます。視神経管、上眼窩裂、下眼窩裂、眼窩下管、眼窩上孔、前頭切痕、前篩骨孔、後篩骨孔が開口して神経や血管の通り道となっています。 この中でも眼窩骨折の手術を経験していくにあたり、最初に悩むのは眼窩底骨折における眼窩下管の位置

          眼窩骨折(目の周りの骨折)②眼窩の解剖

          眼窩骨折(目の周りの骨折)①眼窩骨折とは?

          注:自分自身の学習と理解によるNOTEです。誤りがある可能性があるため、正書での確認をお願いします。 眼窩底骨折(日本形成外科学会HP) ■眼窩骨折(目の周りの骨折)■ 本邦の形成外科において1年間に行われる眼窩骨折の手術件数は凡そ1,400件数とされています[1]。顔面骨骨折手術全体の13.0%(鼻骨骨折44.5%・頬骨骨折27.6%・眼窩骨折13.0%)を占めています。 ■眼窩骨折の分類と用語■ 眼窩骨折は、部位や原因および骨折形態などによって分類され様々な名

          眼窩骨折(目の周りの骨折)①眼窩骨折とは?

          上下顎骨切り術

          ◆上下顎骨切り術◆美しい咬合と顔面輪郭の調和に加えて、発音や呼吸の問題まで踏み込んだ顔面骨の手術です。咬合異常を含む顔全体のバランスの異常の改善が可能です。咬合の状態や顔全体のバランスをみつつ上顎骨骨切り及び下顎骨骨切りとオトガイ形成術を行います。 ◆手術適応◆ ・咬み合わせが悪い方 ・骨格性の咬合異常(上顎前突または後退、下顎前突または後退など) ・下顎前突、反対咬合(受け口、しゃくれ、下顎が大きいなど) ・上顎前突(出っ歯、口元の突出、Gummy Smileなど

          顔面女性化手術(Facial Feminization Surgery)

          ◆顔面女性化手術(Facial Feminization Surgery)◆ ◆性同一性障害◆性同一性障害(GID:Gender Identity Disorder)とは自分の生まれ持った身体の性と、心の性が一致しない状態です。 ◆性同一性障害の治療◆日本でのGIDの治療は「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン1)」に沿って行われます。以下の本文では、慣例に従って身体的性別を基準とし、身体的性別が男性である場合をMTF(Male to Female:男性から女性へ

          下顎の輪郭形成術

          ◆下顎の輪郭形成術◆ 下顎の輪郭は顔全体の顔貌に対して強い影響を与えます。例えば、四角い顎は非常に力強く男性的な印象を与えます。これは、男性においては力強いというイメージで好感を持たれる一方、特に女性においてはあまり好まれません。アジア圏では卵型の輪郭が好感を持たれるとの文化的背景があり、下顎の形態に関してコンプレックスを感じる方も多いとされます。 下顎の輪郭には骨、筋肉(主に咬筋)、脂肪組織などが関与しています。筋肉に関しては現在ではボトックスによる治療が主流となってい

          顔面骨骨切り術

          ◆顔面骨骨切り術◆ 顔面骨骨切り術に共通する周術期(手術の前中後)の流れやダウンタイム、合併症などの説明のページです。各手術の詳細は手術項目別のページをご参照ください。 ・頬骨形成術 ・下顎の輪郭形成術①(下顎角形成術、下顎体部下縁形成術、皮質骨切除及び削骨、Vライン形成術) ・下顎の輪郭形成術②(オトガイ形成) ・輪郭3点(頬骨形成術+下顎の輪郭形成術①+②) ・前額部形成術(眉骨削り) ・上下顎骨切り術(LeFortⅠ型骨切り、下顎骨形成術SSRO) ・

          オトガイ形成(Genioplasty)

          ◆オトガイ形成(Genioplasty)◆オトガイは正面顔の輪郭における最下端に位置しており、顔が完成されるエンドポイントになります。このため、オトガイは顔面の輪郭形成術において最も古くから注目されており、様々な報告がなされています。また、オトガイの非対称や変形は容貌とそれにともなう心の変化に強い影響を持つとされています1)。オトガイ伸びて長いと顔の重心が下に偏り、顔が大きく、鈍い印象を与えます。一方で、オトガイが小さすぎる場合にも弱々しくイメージになりがちです。オトガイは顔

          頬骨形成術(頬骨骨切り術・頬骨縮小術・Malarplasty)

          頬骨形成術(頬骨骨切り術・頬骨縮小術・Malarplasty) 西洋の顔の形態学によると女性の顔においては小さい顎、大きな目、ふっくらとした唇、高い頬骨が魅力的であるとされています1-3)。西洋では頬骨の隆起は若々しいイメージを与えるとされています4-6)。しかし、アジア人は目や鼻など顔面を構成する要素が顔全体に占める割合が小さいため、頬骨の隆起の程度が強いと顔の大きさが印象に残ります。このように頬骨の隆起は、アジア人に見られる特徴の一つです。程度の強い頬骨の隆起や幅の広い

          頬骨形成術(頬骨骨切り術・頬骨縮小術・Malarplasty)