冒険の世界へ! アマゾン川がわき出る場所への行き方【ペルー・ミスミ山】
ブラジルじゃないの? 一番遠いアマゾン川源流地点
「人生に一度くらいは、海外へ行って冒険してみたい! でもありきたりな場所は嫌!」
そんなロマンを抱いた皆さんに送るプラン、その名も「アマゾン川の源流を見に行っちゃおうプラン」を紹介します。
アマゾン川といえばブラジルを想像する人もいるでしょう。しかし今回紹介する場所は、ペルーです。世界最大の川であるアマゾン川は、複数の南米の国をまたいで流れています。その中で一番遠いとされる源流(所説あり)が、ペルー南部にあるミスミ山です。
水源の標高は5,597mと高所にあるので険しい道のりとなりますが、平地が多いためクライミングの知識は必要ありません。切り立った山とリャマに囲まれたアンデス山脈、その一角であるミスミ山へのアタック方法を見ていきましょう。
楽か予算か、どちらを選ぶ? ガイドを頼む2プラン
まずはペルー南部の一番大きな町、アレキパ(Arequipa)へ行くところから始まります。アレキパは観光都市として交通網が発達し、飛行機やバスの運行が充実してるので、行く手段を見つけるのは簡単です。
季節は乾期である6月前後がおすすめ。この時期は雨が少ないかわりに気温が低く風も強いので、上着や手袋などの装備は充実させておきましょう。
ここからが本題です。ミスミ山の登山難易度は高くありませんが、途中で道がなくなるのでガイドを雇う必要があります。ここで紹介する方法は2パターン。アレキパのツアー会社に頼む方法と、ミスミ山に一番近い村であるトゥティへ行って村人にガイドを頼む方法です。
①安全で便利に! アレキパのツアー会社に頼む場合
ツアー会社はすぐに見つけられます。アレキパ付近にはハイキングで人気の山が点在しているので、街中にツアー会社が並んでいるからです。アーチを基調とする白壁の街、その中心部を歩くだけで5分とかからず発見できるでしょう。
ミスミ山への登山は一般的ではないので個人ツアー扱いとなり、一番安いプランでもガイド料+車代で14,000円ほどかかります(2017年の情報)。ツアー会社を選ぶメリットとしては、英語が通じるスタッフがいるためスペイン語が話せなくてもいいこと、それから基本装備を用意してくれることです。
ミスミ山の山頂付近まで車の通れる道がつづいているので、最後だけで歩けばいいのも利点でしょう。徒歩のみで登りたい場合は、日数と料金が増えますが相談しだいで対応してくれます。ルートもいくつかあるのでエージェントとよく相談して決めてください。
②現地密着型!? トゥティで直接依頼する場合
ミスミ山に一番近い村は、トゥティ(Tutti)です。現地のガイドを探す場合はこちらへ出向くのが一番でしょう。というのも、雇ったあとに余計な移動をはさまず、直接山へ出向くことができるからです。
トゥティへ行くには、まずアレキパから山岳地帯の村チバイ(Chivay)へと移動します。そこの旅行代理店で、ミスミ山をガイドできる人の情報を探しましょう。ガイド専門の人はおそらくいないので、道を知っている人に頼むことになります。
その後、チバイからトゥティへの乗り合いバンを探して乗ってください。トゥティにも少ないですが宿があるので、そこでガイドできる人がいないか聞いてみるのもいいでしょう。
ペルーは英語を話せる人が少ないので、ガイドを探すにはスペイン語が必要です。スペイン語を話せる人を連れてくるか、ある程度の定型文を調べてから来る必要があります。アレキパやチバイにはネット環境がありますが、僻地のトゥティにはないので、検索は事前に済ませておいてください。
ガイド料金は1泊2日で3,500円。それに2人分の弁当代やご飯代が1,000円ほどかかります(2017年の情報、人により変わる)。装備は用意されないので、日本やアレキパですべて用意しておきましょう。
▼車で頂上付近までワープ! ①ツアー型 な場合
車で行く場合は、アレキパからツアーのバンに乗り、チバイ経由でミスミ山の5,500mあたりまで行きます。そこから徒歩でアマゾン川源流を見て、再びアレキパへ。そこまでで4日~5日必要です。ツアー会社によっては途中の廃村などに立ち寄り、ゆっくり見せてくれます。
寒さ対策に厚手の上着とソックス、マフラー、手袋を持ちます。足元が冷えやすいのでひざ掛けもあると良いです。また、軽食や水も十分に買っておいてください。
高地のため高山病にもかかりやすいので、薬も探しておきましょう。一番有名なのはダイアモックスという山酔い防止薬です。車酔いや腹痛、頭痛の薬も用意しておくと、もしもの時に役立ちます。特に山道は舗装されていない部分が多く揺れるので、車酔いには注意が必要です。
▼やっぱ冒険は足でしょ! ②現地密着型 な場合
徒歩の場合はガイドと相談して大まかな予定を決めます。朝早く出発して昼過ぎに山頂手前の谷に到着。人が住む小屋があるのでそこに泊まらせてもらうことが多いです。
翌日は日の出前に起きて、月明りとヘッドライトを頼りに一山超え、少し下って源流を拝みに行きます。その後夕方まで歩き続けてトゥティへと戻る、といった行程です。希望によって山頂まで案内してくれますが、帰りが遅くなるか一泊分伸びることになり、料金も変わります。
山頂とその後の行程もいろいろできます。
ガイドの話によると、本物の冒険家は登頂後そのままアマゾン川をくだって海まで行く人もいるようです。その場合は入念な下調べと十分な荷物を用意し、それに耐えうる身体作りが必要となります。もちろんガイドはついてきてくれないので、挑戦するのなら個人で頑張りましょう。
帰りは来た道を大体そのまま戻ることになりますが、ツアーを組んだ場合は別ルートから他の村へ寄り道して下山することもできるそうです。余裕がある人はそちらを選ぶと、新鮮さが最後まで味わえるかもしれません。
自然を切りひらく快感!
ペルーのアンデス山脈にある「ミスミ山」へ、アマゾン川の源流を見に行く方法を簡単に紹介しました。
迷わなければ危険な所は少ないように見えましたが、それでも人がほとんど住めないような高所の登山となります。山頂付近では5歩歩けば休憩が必要なほど酸素が薄いです。高山病のリスクも非常に高いですし、思わぬアクシデントが発生するかもしれません。それらはすべて自己責任となります。
それでも、人里離れた奥地へと足を運ぶ冒険の世界、一度は味わってみたいと思いませんか? 輝く朝日と光を反射する雪景色。てっぺんから湧き出る水が作り出す天然の氷柱。そしてアルパカの群れが、あなたを待っています。
ちなみに、アマゾン川の湧き水を飲んでみましたが、ほんのり甘かったです。
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