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私が本を知った日

私は中学になるまで本というものがなぜあるのか。図書館がなぜこんなにもあるのか。世界の図書館といわれるほどのものがあるのか。全くその世界を知らなかった。

これは私が本を知り、はまってしまった理由である。

私の中学では何か一つの委員にならなければならない。この制度本当に面倒くさいと思った。だから暇そうな図書委員にした。それが私を本の世界に連れ出してくれたきっかけだった。

わたしは、本など絵本でぎりぎり読むくらいの時期にともだちのけいちゃんにこう質問した。

「私、本読んだことないのよね。おすすめの本って何?」

けいちゃんは阪急電車という本がおすすめと言ってくれた。だから私はそれを頑張って数ページ読んでみた。

だけど20ページくらいで本をおいてしまった。本というのはテレビと比べて物語がすごい遅く進んでいてかったるい。だからすぐ疲れた。

それから1ヶ月後、例の本を読むときがあった。だからまた少しだけ読んでみようと思った。するとどうだ、止まらなかった。

こんな経験初めてで、びっくりして、すごく感動したのを今でも鮮明に思い出せる。

こんなにも自分の考えた世界が一瞬にして180度変わるのを実感した。二時間ほど経ちその本を読み終えたとき、達成感とともになんとも言えぬ恍惚感を感じていた。

つまり、私が言いたいのは本を開き文字を読んでみた。というたった10秒の行動でこんなにも世界が変わることがある、と言うことだ。

世界が変わるとそのほんの10秒前とは感じ方がまるで違う。本は素晴らしいものに思えるし、図書館はお金よりも価値があるものになる。

これは本を読むということだけに限らないと思っている。

新聞を読むときにいつもなら読まない所を読んでみる。一駅手前で降りて歩いてみる。毎回断っていた草野球に行ってみる。ほんすこしの行動はさまざまだ。

本当にほんの少しで良いのだ。

今から、今日から、明日からのほんのすこしの行動であなたの世界も変わるかもしれない。

それをわたしは切に願っている。


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