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言い訳をする心理と無意識の言い訳

私たちが日常的に行っている「言い訳」について、心理的な側面と、意識せずに行ってしまう「無意識の言い訳」について考えてみます。

言い訳とは、
自分のした失敗・過失などを正当化するために事情をなるべく客観的に説明すること。 弁解。 弁明。

都合の悪いことや過失などをとりつくろうための説明をすること。

国語辞典

言い訳って客観的に説明することなんですね。なんとなく、主観的に説明している人が多い気がするけど。



言い訳の心理

よく、「言い訳するなよ〜」とオフィスで、上司が部下に怒鳴ってるシーンが目に浮かびますね。

言い訳は私たちが自分自身を守り、他人や状況から非難や批判を避けるために行う行動です。その心理的側面を考える上で事例を書いてみます。

事例1: 遅刻した理由の言い訳
ある朝、あなたは寝坊をしてしまい、会社や学校に遅刻してしまった場合。このとき、あなたは「アラームが鳴らなかった」「交通渋滞があった」といった理由を挙げることがあります。

ここでの心理は、自分の遅刻の責任を軽減し、他人や状況のせいにすることで、非難や厳しい目線を避けようとするものです。つまり他責ですね。

事例2: 失敗の原因を他人に求める
プロジェクトが失敗した場合、あなたはしばしば「他のメンバーが協力しなかった」「上司の指示が不明確だった」といった理由を挙げて自身の責任を軽減しようとします。

これは、自己保身の心理的反応であり、失敗に対する自己評価を守ろうとする結果です。

無意識の言い訳

一方で、私たちは意識せずに言い訳をしていることがあります。これは、自己防衛に一つだと思います。知らず知らずに、そんなつもりはなくても言い訳している例です。

事例3: 自己評価の歪み
あなたは新しいスポーツに挑戦し、うまくいかなかったとします。しかし、自分自身に言い訳をせず、「私はスポーツが苦手だから仕方ない」という理由を考えてしまうことがあります。これは、自己評価を保つために無意識で行われる言い訳です。

あるいは、「私はすごく頑張ったのだから、結果が出なくても褒めてあげよう」と理由づけて、自分を慰めたりします。

実際には、私たちはスポーツに取り組むことで上達する可能性もありますが、無意識の言い訳がそれを阻むことがあります。


事例4: 恐れや不安の克服

あなたが公の場でスピーチをすることになりました。しかし、あなたはスピーチが苦手であることを理由に、「私はスピーチが得意ではないから、うまくいかないだろう」と前もって暗示しておきます。

これは、自己防衛なのでしょう。そして、結果うまくスピーチができなかったとき、「私は初めからうまくスピーチできないことは知っていた」と落ち込み度を少なくするテクニックを使っています。

恐れや不安を言い訳にしてしまう例です。結果として、成長のチャンスを逃すことになりそうです。

◇   ◇   ◇


言い訳によく使うワードがあります。
上記の事例だと、
・アラームが鳴らなかった
・上司の指示が不明確だった
・私はスピーチが上手じゃないから

「だからなんだよ?」

言い訳するなよ! と怒られるとき、
その人は、「だからなんだよ?」と思って、怒っています。

目的は、成果を出すことです。

成果とは
事例1:時間通り参加すること
事例2:プロジェクトで成功すること
事例3:スポーツで上達すること
事例4:うまくスピーチすること

成果を出すことが目的です。
目的が達成できなかったときに、人は言い訳をします。
自覚して言い訳する人、無意識に言い訳する人がいます。

一般的な言い訳ワード

一般的な言い訳ワードは、
本人は自覚した上で、保身の心理が働いています。

一般的な言い訳は、自分に非がある事を認識していて、しかし、なんとか誤魔化そうとしている状態です。

余裕がなくて →できなかった
時間がなくて →できなかった
忙しくて →できなかった
他にもすることがあって →できなかった
頼まれごとが多くて →できなかった
うっかりしてて →できなかった

「だからなんだよ?」 って言いたくなるでしょ。

「それなら仕方ないよね」と感じた人、人にも自分にも甘い人なのだと判断できます。達成意欲が低く、プロセス主義なようですね。

言い訳に聞こえにくい無意識言い訳ワード

一方、言っている本人が気づかず、無意識で言い訳をしている例としては下記のようなフレーズを使う傾向にあります。

無意識な言い訳は、自分に非がある事を認識していない状態で発せられている気がします。そして意識しないで自己防衛本能が働いくことで、下記のようなフレーズを使うのでしょう。

とても頑張ったんです →でも、できなかった
一生懸命やりました  →でも、できなかった
努力を重ねました →でも、できなかった
長く継続しました →でも、できなかった
コツコツ取り組みました →でも、できなかった
効率的に動きました →でも、できなかった
長時間働きました →でも、できなかった
とても真剣でした →でも、できなかった

素晴らしいポジティブワードが並んでますね。
これらはすべて、プロセスを表現しています。
プロセスとは、物事の進め方、手段、計画、そこに辿り着くまでの過程のことを指しています。

プロセスは素晴らしかった。
でも、成果は出なかったんですよね。

成果が出なくていいの?
目的は成果を出すことでしょ?
プロセスは目的ではないですよね?
プロセスは手段です。

典型的な、”手段の目的化” という会議室でありがちな、目的のすり替え話法です。

目的は変えてはいけません。
プロセスは、目的達成のために変更して構いません。

◇   ◇   ◇

成果重視か?
プロセス重視か?

目的が成果なら、
できたか?、できなかったか? 
この2択です。
そして、その理由づけが必要です。

結果が伴わない理由を話すときに、頑張ったか、頑張らなかったかは、何の意味もありません。

頑張ったら成果が出ると思い込んでいるだけでしょう。

もしそうだと信じているならば、成果が出なかったんだから、頑張ってなかったと発言するべきです。頑張ったら成果が出るのが本当なら、成果が出るまで頑張り続けるべきです。

成果が出なかった事実から目を背けずに話しましょう。

そうすると、現実が見えて、正しい対策を打つことができます。

そうでなけば、自己保身に走り、何度も未達成のプロジェクトを繰り返すことになります。

◇   ◇   ◇

目的に向かって行動して、
何が何でも達成する意欲を忘れずに持っていると、
自然と言い訳は減ると、私の経験では感じております。


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フィリピン、セブ島のNPO法人DaredemoHeroへ寄付します。 私の人生に大きな転機となった団体で、里親支援を続けています。 子どもたちの大学卒業までの学費支援等、教育資金に活用させていただきます。 ホームページ→ https://daredemohero.com