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インフレのメリット:実質賃金を理解しよう

物価が上がっています。
そして、給料も上がっています。

物価の上がる率と、給料の上がる率はどんな関係なのでしょうか? 

値上げとかインフレが一般に嫌われてますが、そうでもないと思っています。

今日はそんなことを考えてみます。



名目賃金と実質賃金

私たちが会社からもらっている賃金は名目賃金です。労働の対価として支払われる賃金そのもの。つまり「従業員に支払われた金額=名目賃金」ってことです。

ニュースで、「実質賃金が下がっています!」報道されています。実質賃金とは、物価変動を考慮した賃金のことです。実質賃金=名目賃金指数÷消費者物価指数で算出されます。

実際にもらっている名目賃金は、2024年の春闘でも5%と景気の良い話が紙面を賑わしていました。しかし、消費者物価指数も上昇しているため、実質賃金はまだマイナスです。

上記グラフでは、名目賃金(黄色の折れ線グラフ)は2022年、2023年、2024年と前年を上回り続けているので、ドンドン上昇しています。しかし、実質賃金(青い折れ線グラフ)はマイナスのまま。グラフに表記はありませんが、消費者物価指数が、名目賃金の伸びを上回っているからですね。

生活が楽にならないのは、実質賃金がプラスになってこないからです。


インフレのメリット

先行して消費者物価が上昇して、遅れて給料(名目賃金)が上がることを期待して政策が打たれています。

消費者物価が3%上がり、賃金も3%上がれば、実質賃金の変化率はゼロとなります。

だったら、「今のままでいいじゃん」って、インフレの意味をわかってない庶民が騒いでますが、インフレとは国力アップに重要なんですよ。

国際社会から取り残されないために重要です。

とはいうものの、
「そんな国レベルの話は、私たち庶民には関係ないよ〜」と、思った情報弱者のあなたへ

インフレは庶民の生活にこそ、とても良いことなんですよ。

◇   ◇   ◇

収入500万円で支出400万円の家庭を例にして、シミュレーションとして計算してみましょう。

消費者物価3%アップ、賃金も3%アップとは、
収入500万円×3%=515万円
支出400万円×3%=412万円

つまり、
物価上昇前:500万円-400万円=100万円
物価上昇後:515万円-412万円=103万円

ということは、
物価上昇後は3万円貯蓄額が増えるんです。

実質賃金が前年伸び率0%でも、手元に残るお金は増えるのです。つまりこの資金は娯楽費や食費など、自由に使えるので、ゆとりを感じることでしょう。

オーストラリアやアメリカでワーホリや仕事に就いても、生活物価も高いから、お金たまらないというトンチンカンなコメントを読むことがありますが、それは的外れな意見ってことです。

収入500万円、支出400万円の人が、
オーストラリアで生活をしたら、
収入1,000万円、支出800万円となります。

日本:500万円-400万円=100万円
外国:1,000万円-800万円=200万円

同じ生活水準なら、日本で100万円しか貯蓄できなかった人が、オーストラリアのワーホリでは200万円貯金ができます。

これがインフレーションのメリットです。

パーセンテージの誤解

パーセンテージで表記される数値を正確に判断することは生活において、とても重要だと思います。

参照記事↓
金融リテラシー向上には数字に強くなる必要があります


「100万円の株式投資が10%下落したけど、すぐに10%上昇したから、元に戻ってほっとしたよ」

この文章を読んでどう感じますか?
計算してみましょう。

10%下落 → 100万円 × 0.9 = 90万円
10%上昇 → 90万円 × 1.1 = 99万円

あれっ、100万円には戻らないんですね。


100万円の株式投資が10%上昇したあと、10%下落したとき

10%上昇 → 100万円 × 1.1 = 110万円
10%下落 → 110万円 × 0.9 = 99万円


資産形成には長く続けることが成功の秘訣です。その理由は複利で元金が増えていくからです。元金100万円のまま追加投資しないで毎年10%ずつ上昇した場合は下記のようになります。

1年目:110万円
2年目:121万円
3年目:133.1万円
4年目:146.4万円
5年目:161.1万円

1年目:10万円
2年目:11万円
3年目:12.1万円
4年目:13.3万円
5年目:14.7万円

同じ10%でも、放物線的に数値は大きくなります。パーセンテージを扱う時に、分母と分子が何であるのかを瞬時に頭の中で理解しておくことは、資産形成や資産運用する上でとても重要なスキルです。それに詐欺や悪徳商法に騙されない予防策になります。

自分の頭でかるく計算するクセは、老化防止にもなるかなって思い、心がけています。

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フィリピン、セブ島のNPO法人DaredemoHeroへ寄付します。 私の人生に大きな転機となった団体で、里親支援を続けています。 子どもたちの大学卒業までの学費支援等、教育資金に活用させていただきます。 ホームページ→ https://daredemohero.com