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人にはそれぞれ役割がある

「何であいつばっかり選ばれるんだ!?ここは俺の出番じゃないのか!!」
「私の方がもっとできるのに。何で!?」

大事なところ、ここぞという場面で自分だと思っていたのに、違う人に役目が行ってしまった。
それもよりによってライバルに。

個人間同士の争いであれ、会社同士の新商品の開発であれ、他人(他社)に出し抜かれることはよくあります。

ここで人からどんな言葉をかけられるかで、モチベーションは大きく変わってきます。
どんな言葉をかけられると人はやる気が出てくるのか、また下がってしまうのかをスラムダンクのシーンから見ていきます。

君は秘密兵器だよ

花道の記念すべき初試合は、練習試合とはいえ、昨年のインターハイ予選ベスト4の強豪陵南高校です。
試合前は緊張しながらも、試合に出られると思って、胸が高鳴っています。
そしてスタメン発表。
いつ自分の名前が呼ばれるのかドキドキしながら待っています。

赤木君、安田君、潮崎君、木暮君と次々と出場メンバーが発表されていきます。
しかし、いっこうに自分の名前は呼ばれません。

バスケットボールは試合に5人までしか出場できません。
そして最後の一人は・・・

やはりスーパールーキー流川君!!

これに怒ったのが、花道君です。
当然安西先生と赤城主将に突っかかります。

花道:なんでオレがスタメンじゃねーんだ!!
   どーゆーことだ こりゃあ!!

赤木:やめんか!!
(中略)

花道:ふんぬーっ!!!
   てめえゴリ なんだ こりゃあ!!

   オレはスタメンだ!
   背番号は3!!
赤木:3などないわ!たわけ!!
(中略)

安西:ホッホッホッ
   桜木君
花道:ぬ!?
安西:キミは秘密兵器だから
   スタメンじゃないんです
花道:!!
(中略)
花道:ひ・・・
   ひ・・・
   ひみつ兵器
安西:秘密兵器は温存しとかないと
花道:温存!!
【SLUM DANK新装再編版3巻P40〜P45】

花道君はバスケを始めたばかりの初心者、すぐに試合に出られるわけありません。
試合に最初から出場できないという事実に変わりはありません。
ところが言葉のかけ方一つで、花道君の捉え方がまるで違っているのです。

これが赤木君のように、「初心者だから」という理由を無理やり納得させようとしても、花道君は余計に怒るだけです。
もしかすると試合時間開始に間に合わなかったかもしれません。

安西先生の人生経験のなせる技です。

しかし、秘密のままで終わりませんでした。
試合の後半の大事な場面で、花道君を本当に秘密兵器として起用します。
しかも一時逆転のシュートを決める活躍をしました。

これも秘密兵器として、体力もモチベーションも大事なポイントまでキープしていたからできたことです。

自分の立場に名前をつけるとしたら・・・

「1軍」と「2軍」ではなく、「エース軍団」と「砦軍団」に分ける方法です。砦軍団というのはエース軍団がうまくいかなかった場合の「最後の砦」として活躍が期待されるメンバーのたち、という考え方のことです。
(中略)
「控え」と呼ぶか、「砦軍団」と呼ぶか、それだけでも選手のメンタリティーは驚くほど変わってくるものなのです。
【〈勝ちつづけるチームをつくる勝負強さの脳科学〉より】

この「エース軍団」と「砦軍団」に分ける方法は、W杯で世界一に輝いた時の、なでしこジャパンで実際に取り入れられていたやり方のようです。
この考え方により本来控えであるはずのメンバーのモチベーションがかなり上がったと言われています。試合ののぞみ方も大きく変わったそうです。

皆様は、今の職場において自分自身の役割に名前をつけるとしたら、どんな名前を付けますか?
(当然、部長や課長またはチーフといった会社から与えられている役職とは違う名前です)

ちなみに私は以前働いていた会社ではキャップ(キャプテンの略)、リーダーと呼ばれていました。
実力は無いけど、偉そうに指示出すからこのように呼んでおけばやる気を出して、責任感を持って頑張ってくれるだろうという意味です(笑)

会社での応用

この考えを会社でも取り入れてみてください。組織力が大きく変わります。
たとえば、大手企業を専門に担当する営業チームを立ち上げたとします。メンバーには、売れる営業マンたちが選抜されました。すると、選ばれなかった営業マンの中には「俺たちはどうせ二軍だから」と、やる気やモチベーションを落としてしまう人も出てくるでしょう。
しかし、大手チームは大型の長期プロジェクトが多く、短期的には利益を出せない時期があるかもしれません。あるいは、大手チームが顧客とのトラブル処理に追われる場面もあるでしょう。そんなときこそ、中小の案件で利益を確保し、会社の屋台骨を支えるのは選抜されなかったメンバーなのです。
「君たちは最後の砦軍団だ。二軍でも控えでもない。エース軍団が利益を出せないとき、会社を支えるのはお前たちだ」
選ばれなかったメンバーに、そう伝えるのです。
二軍扱いするのか、それとも最後の砦軍団と名づけるのか。この二つでは選ばれなかった営業マンたちの行動も態度もまるで違うものになるはずです。
【〈勝負に強くなる脳の中の7人の侍〉より】

これらの話を読んでいて気づいたことがあります。
モチベーションを保つには、一人一人の意識というより、組織の上に立つ人がどんな声かけをするのかにかかっている気がします。
とはいえ、人が声をかけてくれるのを待ってばかりでもいられません。

人にはできなくて、自分にできることは何か?
自分がいることで、チームや会社にどんな影響を与えているのか?
自分はどんな人の役に立ったことがあるのか?

これらを整理し、まとめることで誰にも真似できない自分だけの武器が出来上がるのです。
その武器が出来上がった時、あなたはその会社やチームになくてはならない役割を担うことになるはずです。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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