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アメリカ留学で感じたカルチャーショック -留学編 その4-

※はじめに
この記事は1X年以上前に筆者がアメリカの西の方に留学した際の経験をベースにした物語です。
アメリカも州によって文化が全然違いますし、もちろん出会う人によって感じることも変わってくるかと思います。
(私が会ったアメリカ人は、すれ違った人を含めても3億人を超えるアメリカの人口の1%にも満たないです)
アメリカに数年、遊学してた奴がこんなこと感じたんだなくらいに思っていただけると幸いです。

日本という島国の片田舎出身の自分が痛感したのは、アメリカは「移民の国」ということだ。
そんな移民の国に二十歳そこそこで留学できたのは単純に運が良かった。
留学した経験があったから仕事でキャリアを積むことが出来ているし、自信を持って親友と呼べる外国人の友達にも帰国後に出会えた。
Americanizedされたつもりは毛頭ないが、アメリカでの経験は良くも悪くも自分という人間を形成している要素の一つだ。

①人種差別
いきなり重い話題だが、人種差別は当たり前にある。
ヨーロッパからアメリカへの移民が始まった時点で同じ人種同士が差別しあっていた歴史がある国だ。
開国後、恐らく一番最後に移民してきた小柄なアジア人への差別が残っているのも当たり前なのかもしれない。
グローバリゼーションが声高らかに謳われる昨今は分からないが、当時は確かにアメリカに来たばかりで浮きまくりなアジア人を見る数奇な目やあからさまに理不尽な態度を取られることがあった…
アメリカを転々としていた友達からは、過去に保守的な州に住んだ時はアジア人である自分が友達を作るのすら難しい州もあったという。
自分が住んでたエリアは明るく開放的だと感じる一方で、場所や人によってはすごく保守的とも感じた。
ちなみにアメリカに馴染めば馴染むほど差別を感じにくくなっていった気がする。
詳細は後述するが、アメリカでの立ち振る舞い方、いわゆる郷に入っては郷に従え、'When you are in Rome, do as the Romans do'ってやつだ。

②明るくフレンドリーな人が多い
アメリカでは普通に知らない人が話しかけてくる。
「今日のベースボールの結果知らない?」とか、外国人の俺に聞くなやと言いたいときもたまにあったが気さくな人が多い。
嫌なことがあって気分が上がらなかった時も、全然知らない人ににこやかに話しかけられて救われた気持ちになったこともある。
そう、私はすごく単純な人間である。
仰々しく言えば、知らない人の人生と気軽に交われるのは素敵なことだと思うし、悪意なく親切に話しかけてくれる人もたくさんいた。
だが時々違和感を感じたことがあった。
白々しいのだ。
…アメリカは銃社会だ。
誰が銃を持っていて、いつ発砲されるか分からない。
つまりは常に拳銃をコメカミに突きつけられている状態なのである。
そんな中、わざとらしく白々しく振る舞うのはある意味当たり前と言えば当たり前なのかとも思う。
誰もがフレンドリーな国、アメリカ。
その背景には銃社会の闇が潜んでいるのかもしれない。
知らんけど。

③格差社会
アメリカは格差社会である。
大学によって学費が全然違う。
私立大学では「大学の品格を保つため」という理由で裕福でない家庭の学生が入学できないことがある。
就く仕事によって全然給料が違う。
日本のように法律で雇用が守られていたりしない。
国民保険などの社会保障ももちろんなく、全ては自己責任。
責任があっての自由の国なのだ。

④治安の悪いのレベルが違う
これは世界でも最も治安がいいレベルの国である日本に住んでいると想像もできなかった。
アメリカは通りを一本渡っただけで雰囲気がガラッと変わるところが多々ある。
つまりは同じ街でもエリアによって治安が全然違う。
家族で路上で生活している家庭もあればプール付きの大豪邸に住んでいる家庭もある。
やばいエリアは雰囲気が変わるのですぐに分かる。
窃盗などの犯罪が多いため、窓や扉には重い鉄格子が嵌められ、地面にはなぜかいつも割れたガラスの瓶が落ちている(多分アル中が多い)、さらにやばいところだと注射針が落ちていたり葉っぱの匂いがどこからか漂ってきたり…
何かの間違いでこんなエリアに辿り着いてしまった場合は全力でその場を離れて欲しい。
何かが起きた後には遅すぎる。

⑤意外にお金に細かい
これは正直に価値観の違いだと思う。
割り勘も結構きっちりする人も多いし、車に少し乗せてもらった後にガソリン代を請求されることも…
最初は驚いたが、逆に何かして欲しい場合は、この辺をきちんとしておくとしっかりと対応してくれる。
日本だとお礼やら感謝の気持ちやらというアンニュイなところだが、アメリカは合理的なお国柄。
何かあれば良くも悪くもお金、お金…
人種も文化も違う人に、自分の為に何かしてもらう場合はわかりやすく感謝の気持ちを表現するのが大事だとしっかり学んで順応するようにした。
いつ銃で撃たれるかも分からないし。
もちろん仲良くなれば、お金を払おうとするのを嫌う人もいたので、ここは人であったり関係性にもよると思う。

⑥出会いと別れがイージー・カム・イージー・ゴー
これは移民の国なのでしょうがないことだと思う。

ネガティブなことばかり書いたが、私はアメリカが好きだ。
懐古にはなるが、アメリカではいろんな人に触れていろんな経験をした。
最初に書いた通りアメリカでの経験がその後の人生にいい意味で大きな影響を与えている。

カルチャーショックというトピックで色々綴ったが、他にも何だかんだと思い返せばキリはない。
何せ人種や宗教、文化、価値観…様々なバックグラウンドを持つ3.3億人が住む国なのだから。

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