第二の人生、まだ先のことだと思っていたけど、直視せざるを得なくなってきたこの頃 - 50歳からの自分らしいキャリアづくりにはどう取り組んだらいいの?-
こんな問いに答えを探していくべく、プロジェクトMINTから、MINT Circle「50歳からのキャリア」がこの度リリースされました。
記念として、「50歳からのキャリアをナビゲートしていく」ために必要なマインドセットや心構えについてオフラインでイベントが開催されたので、その様子を私、3期生の川井美奈子がレポートします。
7月5日(火)夜に、興味を持った参加者と、Project MINT修了生の50代のメンバーが渋谷駅からほど近い会場に集いました。台風の近づく晩でしたが、20代から50代の15名の参加者が、MINT創業者の植山智恵、3名のMINTプログラム修了者と、ドリンクを片手に様々なトークを重ねました。
当日の流れ
ミドル・シニアキャリア自律について ”あなたの課題は?”
修了生パネルトーク
参加者から質疑応答 ”今日の気づきは?”
アンケート&オープン相談会、ネットワーキング交流
上記の、当日の流れに従ってレポートを進めていきます。
ーMINTからの提示
まず、Project MINT主宰者の植山智恵から、「ミドルシニアのキャリア自律について」として、年齢に捉われずパーパスを見出し自己革新する10週間のステップの紹介がありました。
植山自身が、一旦社会人生活を経た後、新たに学び、自分自身のパーパスに改めて出会い、「人生100年時代にパーパスと共に生きる大人を増やす」学びの場を創ったストーリーが紹介されました。
そして、ミドル層の話に。人生100年時代を迎え、新たに自分らしく働き続けるニーズは持っていても、この先どんなキャリアにしたいか分からないというところにもやもやが生じます。
年齢と共に、他人との会話が、質も量も減っていき、40代になると自己開示もしなくなる傾向がある、という資料や、
シニアにおける変化対応力と、他者との会話機会の有用性の提示もありました。
MINTのプログラムは、10週間のうちに、新しい知識も入れ、仲間の力を借りながら、自らが大切にしている「パーパス」見出していくもの、という紹介がありました。
ー50代の修了生のパネルトーク
さて、いよいよ、プログラム修了生によるパネルトークです。
3名の50代のMINTプログラム終了者が、それぞれ自分について、現在の仕事、50代に向かってもやもやを感じた事、そのモヤモヤに向き合うためやってみた事、自らのパーパスに出会い、プログラム終了後に変わったことを紹介しました。
【現在の業務】
原田さん(エノキさん)
・早期退職後、MINTプログラムを経て学んだコーチングを軸に主にミドル世代のひとりひとりがより幸せになるための活動をしています。
*原田さんご自身のライフシフトの様子とMINTプロジェクトがNY TIMES誌に取材、掲載されています。
デミーザさん(MIKAさん)
・新しい仕事、LINKEDIN 法人営業のマネジメント職に就き、活躍開始されました。
川井(ミナコ)
・早期退職後、各地の農の場や手仕事の場、海や森を訪ね、人の営みと環境の繋がりを改めて見出しています。
【モヤモヤを感じた事、やってみたこと】
エノキさん
・大企業のマネジメント職で裁量もある立場だったが、このまま役員、社長と昇格する絵は描けませんでした。そこで、かつての同級生にヒアリングすると、似た状況の人が多いことが分かり、ホッとする反面、難しい課題であることもわかりました。
MIKAさん
・子供の頃からどちらかと言うと「優等生」で、社会人としても順調に歩んでいたけれど、目標を見失ってきた感があり、子育てが一段落したタイミングでMBAにチャレンジしました。しかしMBA受講も目的が自分の中にはっきりしていなかったため卒業したのに期待した達成感がないのに気づきました。
ミナコ
・子育てと仕事の両立が目的化していたのか、気付いたら、仕事場ではすでに次の世代が持ち上がる時期となっていました。部署を移ったり、社内のライフシフト講座を受講してみたりしましたが、社内の講座では会社の会議室で、過去どこかで関わった先輩後輩というキャラクターが固定しているためか、期待したほど気持ちが切り替わるようなことはありませんでした。
【パーパスに出会って変わったこと】
ミナコ
・以前から漠然と気になっていたことがはっきり言語化されたので、迷った時、易きに流れようか、という際も常に励まされます。反対にパーパスは変わることもある、と理解しているので、とらわれる必要もなく軽やかです。
エノキさん
・自分自身について、これでいいんだという気持ちになれました。すると、パーパスを見つけることが人生の豊かさや幸せにつながると思えるようになり、人が幸せになれる手助けをしたいという気持ちが強くなりました。
MIKAさん
・子供の頃、人に褒めてもらうのが嬉しかったです。その延長で大人になっても誰かに認めてもらえるはずという思いがあり、誰かのために仕事をしていたように思います。自らの軸で素直に行動するようになり、思わぬ早さで転職のチャンスをつかむことになりました。仕事等で嫌なことがあってもパーパスを思い起こし、すっと切り替えられています。
エノキさん
・安心安全な場で自分の思いを言語化すると、家族と自分との関係や
人生で大切に思っていることや本当にしたいことなどが見えてきました。家族をはじめ人に対しても素直に感謝することができ、自分のやりたいこと、パーパスの発見につながったと思っています。
MIKAさん
・初日セッションで、初対面の同期の仲間に自己紹介や原体験の話を聞いてもらう中で感情があふれ出て泣いてしまう体験をしました。恥ずかしかったと同時に、素の自分を受け入れてもらえる場だと感じることで、その後、抵抗なく自己開示ができるようになったのだと思います。
ミナコ
・初めに出てきたパーパス案がしっくりこないとコーチに相談したときに「変わるという考えで置いて置きましょう」という提案がありました。置いてみて、変える必要がないことが分かり、パーパスに出会うことになりました。人の手の借り方がいろいろあると感じました。
ー来場者の皆さんたちからの質問と修了生の回答
10週間のプログラム中にパーパスが見つかるか不安です。皆さんはパーパスを見いだすにあたり、どのタイミングでどんな「a-ha 体験がありましたか?」
エノキさん
・MINT10週間はスパルタで、各セッションの2時間で新しい学びや対話をこなしていくのは大変です。しかしそのサイクルの中でプログラム化された課題に全力で取り組み、パーパスが見出されていきました。
ミナコ
・自分のパーパスはビジュアルを使いながら自分のストーリーを何度も各メンバーと会話するうち、ごく自然なものとして出てきました。一度傍らにおいてみる、といったこともして、これが今の自分のものだ、と出会った感覚があります。
MIKA
同期のフェローやコーチとの対話が、イメージを固めていく中でとても、重要だったと思います。また、友人へのインタビューも内省を進める上では、とても有効でした。
自分の想定するパーパス起点のキャリアは、経済的な折り合いが不安です。どう考えたらよいでしょうか
ミナコ
・パーパスに合致した具体的なポストが見えているということですね。それに絞り込むのが気持ちに合っていればそうすれば良いし、パーパスや生きがいを軸にして複数の仕事でのキャリアを考えることもできると思います。MINTプログラムのゲストに、ご自分は幾つかの仕事を組み合わせて自分の意図を実現している、とアドバイスを頂きました。
MIKA
転職するにあたり、企業と自分のパーパスがとても一致していると感じていました。条件や年収が下がったとしても、ある一定までは受け入れるという覚悟をして臨みました。
セッションで行われる対話では、年代が近い方が、あるいは似たようなバックグラウンドのほうがより共感できるものでしょうか。
ミナコ
・年代やバックグラウンドが離れている方は、年代やグループワーク中の提案や、他の方との対話のフィードバックで新鮮に感じられることが次々あるうち、親しみや発見、共感を得ることができました。普段出会わない方とも率直に交われることで、新たに自分に出会うといったことがし易いように感じました。
MIKA
私の同期の皆さんは、20代から50代まで多様なバックグラウンドをもつ方々でしたが、年代のギャップを感じた事は一度もなく、いつも多様な視点からディスカッションできたことがとてもよかったと思います。
ーアンケート&オープン相談会、ネットワーキング交流
この後、参加者たちはアンケートに回答しつつ、植山さんや修了生のいるテーブルを選んで席を変え、オープンに相談やネットワーキングの交流を行いました。
ーアンケート回答からの抜粋
- 感じているモヤモヤは自分だけではないんだ
- 言語化、対話の重要性
- これまで他人の評価に捉われていた
- パーパスを見出しイキイキした修了生から刺激を受け、まずできることから踏み出してみようと思った
など参加者からは前向きな気づきと感想を多く頂きました。
パネルトークの「対話」に参加することで、改めてこれまでの出会いを意識したり今の自分の課題を見つめることができました。参加者の方々も新たなご自分との出会いの機会になっていることを願います。
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