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おもてなしの実践-仏教の房舎施


非日常のおもてなしと礼節

📚房舎施(ぼうしゃせ)辞書検索
 
仏教の教え『無財の七施』の一つ。
 雨や風をしのぐ所を与えること。
 例えば、突然の雨(雷雨)にあった時、
 自分がズブ濡れになりながらも
 相手に雨のかからないようにすること、
 思い遣りの心を持って総ての行動をすること。

もてなす側の姿勢・態度・言葉遣い

日本独自の文化、おもてなしには、
大きく別けると日常と非日常とがあります。

一例を挙げますと、
家庭やお家で大切な方を食事や案内などで
おもてなしする日常的な「おもてなし」、
旅館や高級レストラン、クラブなどで受ける
非日常的な「おもてなし」があります。

日常と非日常とでは、もてなす側から
受ける姿勢、態度、言葉遣いは違っても共に
もてなす心」には変わりはありません。

日常的な家庭のおもてなしでは、
大切な人」=来客をもてなす側の
心身の姿勢態度に表れる「思い遣り」、
遜り謙虚に真心を表わす誠実さ、
即ち「礼節さ」が求められます。

おもてなしをする人、親密さの度合いが
変わってもこの「礼節」を弁えた姿勢態度は
客人へのおもてなしに欠かせません。
これは、仏教の教え無財の七施である
房舎施(ボウシャセ)を表わしていると思います。

終了してしまいましたが数年前前まで
テレビ東京が放送していた番組、
芸能人が見知らぬ「田舎に泊まろう」
日常的な日本の一般家庭の「おもてなし
の代表的な例と言っても良いでしょう。

この番組は、一宿一飯の恩義(お礼)として、
様々なゲスト達がお世話になったお宅に、
自分の出来る事でお礼をする姿は、
お世話になった見ず知らずの方から受けた、
「おもてなし」や「思い遣り」への
心からの感謝】を「奉仕の心
で表していると言えるでしょう。

また、この中で交わされる言葉遣いにも
相手への「思い遣り・感謝」が溢れています。
此処からも「礼節」が伺い知ることが出来ます。

さて現在、日テレ系で放送されている
👆「オモウマい店」の店主の想いと言える
お客様の笑顔、美味しい行動の糧とする姿
はコロナで冷え込んだ飲食サービス業界の
皆さんへ「一筋の光」とも言えるサービス業
の楽しさを伝えている面白く素晴らしい
日本の文化を表す番組の一つと受止めます。

オモウマい店-イメージ図

一方、非日常や日常から少しだけ離れた
接客における「おもてなし」の姿勢、態度、
言葉遣いは業態や業種によって様々です。

居酒屋、レストラン、専門料理店、和食店、
会席料理店、懐石料理店、ホテル、旅館、
クラブ、キャバクラなどでの「おもてなし
は姿勢、態度、言葉遣いが其々変わります。

全てに於いて共通する事は、お客様への感謝、
思い遣りの心とそれを表わし伝える仕草の大切さです。

例えば、姿勢態度では、
通路の壁際を歩くように心掛け、
お客様とすれ違う時はいつも
一度立ち止まって軽く会釈する、
これはちょっと面倒くさい
と言われる方もいますが
実はこの様な姿勢は作り笑顔や
わざとらしい無理した言葉使いよりも
「おもてなしの心」を伝える姿勢です。
サービス業では面倒くさいと思っては
上辺だけのおもてなしになってしまいます。

一般的なシティホテルやビジネスホテルに
疲れた姿や表情をして重そうな荷物を持って
チェックインする際などフロントの中に
何人もいても皆さんが「いらっしゃいませ」
と言い、笑顔でお迎えしてくれます。

しかし、そのような時に本物のお世話の心得
ホスピタリティ精神を持つホテルマンなら、
すかさずフロントから出て荷物のサポートをし、
優しい表情で
ようこそお越し下さいました、
 お仕事お疲れ様でございました

と言葉かけるのではないでしょうか。

例えそのお客様が予約なしでお見えになり、
不泊の方でも必ず次に繋がることです。

大切なお客様へのおもてなしの姿勢、
態度、言葉遣いと言った心身の活動は、
心の奥底から自然と言葉や態度に表れ
お客様にまた来ようとか、友人や同僚に
勧めようと感じて戴けますし、
素晴らしい感動も与えられます。

非日常の「おもてなし」

-姿勢・態度、言葉遣いのポイント

①先ず、お客様の立場で考え、
 行動する=思い遣り
②お越し頂いた感謝を表し伝える、
 温かな表情と身のこなし
③言葉遣いは
 「ようこそ(ご来店頂きまして、
  誠に有難う御座います)」と
 「いらっしゃいませ」とを上手く
 組み合わせて使う
 (場合によっては言葉を使わず丁寧な黙礼など)
④瞬時にお客様の状況、状態(来店目的、
 顧客構成、心身の状態etc.)を察知する
 観察察知力と応対行動力
 (身配り・手配り含など)
⑤天候に合わせた気配りの言動
 (傘、雪の時など足元への気遣いなど)
⑥一歩踏み込んだ御出迎えと
 お見送りの姿勢と態度
 (ドア、入り口へ身配りなど)
⑦顧客に合わせた言動と態度
 (一人、ペア、グループなど)
⑧料理や飲物の召し上がり方に合わせた言動
 (料理の進み具合に合わせたスタンバイなど)
⑨お店側の事情を感じさせない言動
 (忙しい、人がいないなど)
⑩お客様目線以下での応対
 (ダウンサービス、威圧感の解消など)等々

※この他にもこのようなことを
 表わす所作は多多種多様にあります。

お店や施設の形態に合わせたロールプレイ、
即ち、自分達がお客様になったつもりで
皆で考える場を設け適切な姿勢、態度、
言葉遣いを見つけるのも「おもてなし」です。

日常では味わえない「おもてなし」の提供は
無限の顧客やリピーターを創り出します。


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