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#連載長編小説

介護小説《アリセプト〜失われる記憶》⑫

介護小説《アリセプト〜失われる記憶》⑫

 初任者研修に通いながら、訪問介護(以下ヘルパー)で実践する事は凄く為になった。コンビニという仕事はコンビニの上司に習うだけだが、介護という仕事は、介護を熟知した先生に習うので面白かった。

 勿論、井上さんに聴くとがあったが、自分自身が何が不得意なのかもわからなかった。学校の試験でも何が不得意という分析など自分自身に何が必要という事を考えなかったからかもしれない。

 授業を受けた事で、井上さん

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介護小説《アリセプト〜失われる記憶》④

介護小説《アリセプト〜失われる記憶》④

実家に住んでいると、何も得ないでこの世を去ってしまうと思ったのだろう。
 一個人としては、別に楽しい刺激も欲しくはないし、可愛い女性を見ても付き合いたいとか、一晩を共にしたいなんて思わない。

 草食系と言うよりも、無気力系な男なのだろう。
 就職未経験で大丈夫なのは、清掃員や警備員やマンション管理者、工場の軽作業しかないのだ。他は介護の仕事くらいだった。
 この中でも僕が出来るのは清掃員、警備員

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