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経済

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2021年11月の記事一覧

平等に賃金が上がらない日本

これ👇については別の要因も挙げられるのではないかと思われる。 図2は、アメリカで所得の高い人の所得は上がっているが、所得の低い人の所得は上がっていないことを示している。 図2のようになる理由は、現在のグローバル化した世界では、世界で通用する高度な技能を身に着けた人々の所得はいくらでも上がり、そうでない人の所得は全世界の所得の低い人々との競争圧力によって上がらないからだとされている。 日本企業が海外進出した際に、日本的経営の美点としてよく語られたのが平等主義である。 平

空振りだった円安政策

何を言いたいのかわかりにくい記事なので、グラフを補ってわかりやすくしてみる。グラフの大きいマーカーはアベノミクス始動の前年の2012年。 賃金やGDPの問題でよくいわれるのは、過去20年以上にわたって日本がほとんど成長しなかったことだ。それに対して、世界の多くの国で経済が成長した。「このため、日本が取り残された」と言われる。 以下では、このことが正しいのかどうか検討を進めよう。 1人当たり実質GDP成長率を日米比較すると、日本が相対的に遅れたのはバブル崩壊の1991~19

財政支出拡大の効果が限定的になる理由

雇用の量は多いが質が低い(≒低賃金)理由について、この記事では触れられていない点を指摘する。 かぎりなく完全雇用に近づいている日本の今後の課題は、雇用の量ではなく雇用の質です。賃金をいかに上げるかです。 時間当たり雇用者報酬が平均以上の業種から建設業と製造業、平均以下の業種から宿泊・飲食サービス業、保健衛生・社会事業、その他のサービスを選び、前者をA、後者をBとグループ化して比較する。 経済全体で実質賃金が継続的に上がるためには、技術進歩や資本装備率の上昇によって労働生

日本経済の回復の遅れ

これ👇を単に「回復が遅れている」と見てしまうと、日本経済の構造的問題を見落としてしまう。 回復の遅れよりも根が深い問題は、コロナ禍や消費税率10%への引き上げの前の2018年から成長がほぼ止まっていたことである。 👇の色付けの期間は安倍政権下の景気拡大期だが、就業者1人当たりの実質GDP(≒労働生産性)が頭打ちになっていたことがわかる。 同じく「国民経済計算」より年度の計数。 安倍政権期の景気拡大は、効率の増大(≒労働生産性の上昇)ではなく、女と前期高齢者の「動員」に

日銀に賃金上昇を要求する意味不明

最近、やたらと記事を目にする野口悠紀雄が変なことを書いている。 異次元金融緩和は目的も手段も間違っていた。 第1に、賃金の上昇を政策目標とすべきであるにもかかわらず、物価の上昇を政策目標とした。 「賃金の賃金の上昇を政策目標とすべき」なのは日本銀行と読めるが、それは中央銀行の任務と能力の範囲を超えている。 賃金が上がらなくなった主因は、人口減少(→予想成長率の低下→固定費増加の妨げ)というファンダメンタルズの変化に加えて ①株主の力の強化/株主重視経営への転換 ②企業

財政政策とインフレ率

インフレ率は財政政策のKPIとしては適切ではないという話。 本題に入る前に、これ👇はその通り(コロナ禍の前までは)。 そもそも安倍政権になってから、日本はデフレでもなければ不況でもありません。これは経済指標を見れば誰の目にも明らかな事実です。 主旨もほぼその通りで、現実の経済では、インフレ率は需給ギャップの大きさや景気の「体温」を正確に示すバロメーターではない。 この👇ように、インフレ率と景気を直線的に結び付けることは適切ではないので、財政リフレ派(反緊縮派、積極財政