日銀に賃金上昇を要求する意味不明

最近、やたらと記事を目にする野口悠紀雄が変なことを書いている。

異次元金融緩和は目的も手段も間違っていた。
第1に、賃金の上昇を政策目標とすべきであるにもかかわらず、物価の上昇を政策目標とした。

「賃金の賃金の上昇を政策目標とすべき」なのは日本銀行と読めるが、それは中央銀行の任務と能力の範囲を超えている。

賃金が上がらなくなった主因は、人口減少(→予想成長率の低下→固定費増加の妨げ)というファンダメンタルズの変化に加えて

①株主の力の強化/株主重視経営への転換
②企業の「柔軟な雇用」を可能にした雇用制度改革

なので、賃金上昇を政策目標として求める相手は日銀ではなく、構造改革を推進した政府になる。

3年前にはこのように👇書いていたにもかかわらず、日銀を批判するようになったのは理解困難である。

必要なのは、生産性の高い分野の就業者を増やすことだ。例えば、ネットショッピングの拡大によって、賃金を数%ポイント引き上げることは、不可能ではない。
言うまでもないことだが、このような構造改革は、金融政策の守備範囲ではない。
政府が行なうべきことは、規制緩和と人材の育成だ。
「金融緩和をすれば日本経済は活性化する」という誤った考えから1日も早く脱却し、産業構造の改革に取り組む必要がある。

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