プロジェクト・メタフィジカ

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最近の記事

『PROJEKT METAPHYSICA Vol.2』、2023年11月11日(土)に文学フリマ37にて頒布!

 毎回のご高覧を賜りまして、ありがたく御礼を申し上げます。あいかわらずばかばかしいことを申し上げ……たいところでございますが、今回のエントリは第2号の告知記事となっております。その分ご理解の上、お暇を頂戴できればと存じます。  さて、11月11日(土)開催の文学フリマ東京37にてプロジェクト・メタフィジカでは同人誌『PROJEKT METAPHYSICA Vol.2』を刊行します。昨年5月の文学フリマ34でのvol.1に続く第2号となります。清久具平の小説『空を浮く連合艦隊

    • (NOT)哲学的落語断章 第3回 見えるものと見えないもの

       どうもこんばんは、久我宗綱です。先月はお休みをいただきありがとうございました。  今回なのですが、笑いやユーモアに関する話はほとんど出てきません。ただ、個人的な思いから一つ取り上げたい演目がありました。しかし、それを扱うとなるとシリアスな話題になるわけで、いつもの私の文体はそぐわないんですよね。そこで急遽、久我丹月院宗鶴入道に代打をお願いすることとなりました。それでは先生よろしくお願いします。  さて、頼まれて引き受けたわけだが、本題に入る前に、一つ断っておかなければなら

      • (NOT)哲学的落語断章 第2回 見知らぬ、文脈

         こんばんは、久我宗綱です。さて、それっぽい挨拶を考えてましたが、あまりにも瀟洒で機知に富んだ美麗な表現であったため、皆さんにはお見せしないことにしました。というわけで早速本題に移ります。  今回は前回に引き続き「謎解き」について考えていくことになっています。今回まず取り上げるのは「小倉船」という上方落語の演目です。先にあらすじから見ていただきましょう。太字箇所がサゲです。  小倉から下関への渡し船でのお話。男が海に財布を落としたと騒いでいます。乗り合わせた商人がガラスででき

        • (NOT)哲学的落語断章 第1回

           こんばんは、久我宗綱です。今回からここのnoteで連載をやらせていただきます。と言ってもまず今回はイントロダクションとして、どのような内容をどのような形式で書いていくかの簡単な説明をさせていただければと思います。  この連載はPROJEKT METAPHYSICA Vol.1にて寄稿した「落語から考える人間の心 ~a little~」の続きのようなものです。本来あの論考には後半部に個別具体的な演目を扱うパートが入る予定だったのですが、諸般の事情によりそこはカットしました。

        『PROJEKT METAPHYSICA Vol.2』、2023年11月11日(土)に文学フリマ37にて頒布!

          『PROJEKT METAPHYSICA Vol.1』、2022年5月29日(日)に第三十四回東京文フリにて販売!

           日頃よりプロジェクト・メタフィジカをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。代表の宮﨑です。ブログ更新が滞りがちですが、リリースの度に皆様に読んでいただけている感触があり、運営としても大いにやりがいを感じております。今後もどうかよろしくお願いいたします。  さて、来たる5月29日(日)、第三十四回文学フリマ東京テ-02にてプロジェクト・メタフィジカは初の同人誌『PROJEKT METAPHYSICA Vol.1』を発売します。本記事は、当同人誌の販促も兼ねた購入にあたっ

          『PROJEKT METAPHYSICA Vol.1』、2022年5月29日(日)に第三十四回東京文フリにて販売!

          遺棄されたものと悲しみのaesthetic

           1964年、睡眠薬七〇錠を飲んで自殺を図った一人の若い女性が、西ドイツのある精神病院に入院した。  1944年の東ドイツに生まれたこの女性、アンネ・ラウは、精神病理学者のブランケンブルクのもとで治療を受けた。自身の欠陥を口ごもりながらも辛うじて「自然な自明性の喪失」と形容するアンネは、入院して数日が経った頃から「不適当な感情の動き、移り気なふるまい、軽度の衒奇症のほか、著しい思考障碍やかなり以前の作業力の重篤で急激な低下」のような、成長期の少女の発達として正常ではない様子

          遺棄されたものと悲しみのaesthetic

          情念の一義性―フーリエ情念論とスピノザ並行論の偶然的結合、あるいは愛の新世界を生きるためのエチカについて

          §1 フーリエの自然主義  本稿は、17世紀オランダの哲学者バルーフ・デ・スピノザ(1632-77)を補助線に用いることで、19世紀フランスの社会思想家フランソワ・マリー・シャルル・フーリエ(1772-1837)の情念論を実践哲学として再構成する試みです。なぜ、スピノザとフーリエか。端的に述べれば、両者の思想的核心を表す『エチカ』と『愛の新世界』は、21世紀の主体における諸情念の自明性を変形する力能を秘めているためです。  技術的な困難と極度の恣意性が疑われるかと思います。

          情念の一義性―フーリエ情念論とスピノザ並行論の偶然的結合、あるいは愛の新世界を生きるためのエチカについて

          『プロジェクト・メタフィジカ』執筆企画および今後の運営についてのご報告

           『プロジェクト・メタフィジカ』代表の宮﨑より、日頃本同人をご愛顧いただいている皆様にご報告です。  この度、質問箱などに寄せられていた今月ブログ記事掲載予定だった伊藤光輝のシェイクスピア『ハムレット』論は、本人の体調不良のため執筆の進行が不可能となり、見送りとなりました。前回の宮﨑の記事に引き続き、楽しみにしていただいていた方々には誠に申し訳ございません。ひいては、本人からの希望により、『プロジェクト・メタフィジカ』での編集担当、および全体的な業務を無期限休止する運びとな

          『プロジェクト・メタフィジカ』執筆企画および今後の運営についてのご報告

          復讐、永遠回帰:「アイドルでシコる」ことについてのベルサーニ/ニーチェ解釈

          Opening Chapter. 私共はアイドルと哲学が並はずれて好きなのであります 私共はアイドルが並はずれて好きなのであります。  私共は哲学が並はずれて好きなのであります。  これは、アイドルと哲学についての論考です。  アルチュセールは、自身の文学博士号口頭発表「アミアンの口頭弁論」において、ヘーゲルの弁証法の「万能」について、「メシア的観念論か批判主義観念論に導く弁証法の誘惑、若きルカーチ以来の、それどころか新旧のヘーゲル青年派以来の叛逆する知識人たちに取り付く

          復讐、永遠回帰:「アイドルでシコる」ことについてのベルサーニ/ニーチェ解釈

          『プロジェクト・メタフィジカ』 宣言文(メタフィジカの舟/メタフィジカの生存戦略)

          宣言文1 メタフィジカの舟(宮﨑悠暢) 「……そして見られるように、探求はまず、探求の諸条件を明確にするという、その第一次的で基本的な要請とともにはじまるのである。」 ——ルイ・アルチュセール「今日的時点」 ・「喪失」  「われわれ」も「私たち」も、もはや現代において存在せず、コアのみが集積した「ぼくたち」の時代が到来すると共に、またしてもビッグな主語(あるいは目的語)の「哲学」の季節が終わりを告げた。「一生懸命語学をやればよい」とか、「百回同じテクストを原書で読む」とい

          『プロジェクト・メタフィジカ』 宣言文(メタフィジカの舟/メタフィジカの生存戦略)