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シンクロニシティをビジネスに応用したセレンディピティとは?!!

こんにちは。

最近、気になっているビジネスワードがあります。
「セレンディピティ」

「セレンディピティ」というワードをみなさん、ご存知でしょうか。
「セレンディピティ」とは”serendipity”と書き、その意味は

「別のものを探している時に偶然、素晴らしい幸運に巡り合ったり、素晴らしいものを発見したりすることのできること、またその人の持つ才能」

であり、その語源は

イギリスの作家ホレス・ウォルポールが1754年に友人への書簡で使った造語です。語源は、おとぎ話集の「セレンディップと3人の王子」からとったもので、「セレンディップ」とは、現在のスリランカのことなんですね。

ちなみに、以前、「セレンディピティ」という2001年リリースの映画を観たことがあるのですが、その映画の中のテーマも偶然の一致により、主人公がハッピーになるというものでした。こちらも面白かったのでお薦めです。

さて、私がここでまず思いついたのが同じようなワード
「シンクロニシティ」です。

こちらは、あの心理学者ユングが提唱した考え方で、

「意味のある偶然の一致」というもので「共時性」とも言われます。
因果関係のない2つの事象が、ある時、虫の知らせのようなもので、類似性と近接性を持つ事象を指します。

私も以前、この「シンクロニシティ」はいくつか体験したことがあり、覚えているのは、例えば、以下のような確率的に限りなく低い事象が目の前に現れた時です。

「タクシーの中である人のことを考えていたら、突然、タクシー無線でその人の名前が放送された」

「ふとデジタルの時計をみると全ての数字がゾロ目だった」

さて、「セレンディピティ」と「シンクロニシティ」は基本的には同じ考え方と思いますが、「シンクロニシティ」はよく意味がわからないことが多いのに比べて「セレンディピティ」のほうが、偶然の一致により成功する、幸運を得られる、という良いイメージがあります。

さて社会やビジネスの世界においてこの「セレンディピティ」がどのような影響を与えているのでしょうか。代表的な事例をみてみましょう。

1. ポストイット
今では、一般名詞にもなっている商品「ポストイット」は接着剤を開発している時の失敗から偶然に生まれた副産物として「くっつきやすくはがれやすい」接着剤ができました。開発者であるスペンサー・シルバーは、この失敗作を廃棄せずに何か商品に転用できないかと試行錯誤した結果、「ポストイット」という世界的ヒット商品が生まれました。

2. ペニシリン
アレクサンダー・フレミングはブドウ球菌の研究をしていた時に、たまたまバクテリアのサンプルを入れたペトリ皿のひとつが、覆いもつけずに窓台に出しっぱなしになっていることに気づいたのです。皿の中では雑菌が混入してカビが生えていました。本来なら、それで廃棄ですが、よくみると青緑色のカビの周囲ではもともと入れていたブドウ球菌がなくなっていたのです。
そして、このカビの正体がペニシリンの元となるペニシリウムクリソゲナムという抗生物質だったのです。

この2つは、本来違うものを研究していて、「たまたま偶然に」何かを発明したり、ヒット商品を生み出したりする、という事象が、世の中、実は非常に多いという事例です。

重大な科学的発見の30-50%程度は、意図せざる偶然の結果、生まれていることが、ある調査で示されています。

こうした有名な製品、商品の事例以外にも、世の中で「成功者」と呼ばれている人は本人の努力だけでなく、人生の中で数多くの「幸運」があった、とよく語っています。

例えば、あの時、あの場所であの人に偶然出会っていなかったら、であるとか、あの瞬間にあのアイデアに偶然気づいていなかったら、というような、計画や予定ではなく、予想外、偶然が成功者の人生において非常に重要なきっかけを与えています。

それでは、このような偶然の気づきや幸運を起こしやすくすることが可能なのでしょうか。

ここからはニューヨーク大学でリーダーシップ、イノベーションなどを教え、ビジネスの世界でも活躍するクリスチャン・ブッシュ博士の著書
“The Serendipity Mindset”(セレンディピティ 点をつなぐ力)
から引用していきます。

「セレンディピティ」を起こしやすくするには、次のような視点やマインドセットなどが有効とのことです。

トリガーの種をまき、点をつなげる
新しい人と出会う時に、できるだけ共通点をみつける
静的な情報源、たとえば新聞、インターネット、本を読むことがトリガー
自分を曝け出すコミュニケーション
イベントのホストに自己紹介をする
ネットを活用して、出会いを加速する
トリガーをきっかけに点と点をつなげる
芸術家は偶然の出来事や逸脱から着想を得ることが多い
リミックス、リブート、ディスコンストラクションの戦略が点と点をつなげる
何かを意識の片隅においてから突然の気づきまでのインキュベーション期間
今日の不幸が明日の幸運になる
フィルターを外して「セレンディピティ検索」を行う
人的ネットワークをマッピングする
優れたコミュニティを活用する
組織の「セレンディピティ」を高めるために
環境を整える、発言を促す、建設的に対応する
喫煙所効果で相互作用を促す
「セレンディピティ」を起こしやすいオフィスデザイン

ちなみにこの本によると、今まで重要と思われてきた「計画」、「予定」ではなく、その正反対の「予想外の事態」、「偶然の出会い」
を意識して増やすように心がけて行動することが大事ということです。

そして、その「予想外の事態」「偶然の出会い」について、注意深く観察して「セレンディピティ」(成功、幸運)となりそうなものであれば、積極的に対応していくとよいそうです。

例えば、本来のビジネス以外で、より広範囲な人脈を作り、あらゆることでその点と点をつなぐことを行い、さまざまなビジネス、人、アイデアを融合させるように心がけて行動することで「セレンディピティ」を促進します。

すぐできることとしてカフェやレストランに入ったら、見たことがある人がいないかを必ずチェックします。そしてもしそこで予想外の出会いがあれば、それがあなたのビジネスなどの成功に結びつくかも。

そういえばドラマのように、道でぶつかった人にその後、会社で出会って、あ、あのときの! という流れも「物語が展開する」「セレンディピティ」ですよね。

そう考えると世界は面白いですね。

それでは。

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