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わかりづらいDAO/Web3をわかりやすく5分で解説!!

こんにちは。

最近、ニュースを見ていると、聞きなれない言葉がでてきませんか?
それは「DAO」です。ご存知でしたでしょうか?
今回は「DAO」やその基盤であるWeb3技術について、わかりやすく解説したいと思います。

まず「DAO」とは「Decentralized Autonomous Organization」の略語となります。直訳すると、分散型自律組織、だそうです。

もう少しわかりやすく説明すると、「DAO」とは

「株式会社の株の代わりに、組織に関わる人に「トークン」を割り当て、特定の人に依存せずに参加者全員で組織を運営する。意思決定は参加者の投票で実施され、決定事項はブロックチェーンで取引を執行する「スマートコントラクト」により自動で実行される」(日経新聞記事より)

簡単に言うと、従来の株式会社に変わる全く新しい組織形態のようです。

日経新聞と日経ビジネスから「DAO」の事例を見てみましょう。

◯ パイプバイオ社は「ラフォラ病」「NF2」などの希少疾患の研究に「DAO」を使った意思決定組織を構築する予定

◯ 蒸留酒製造販売のWhiskey&Co.が2023年4月に新たにウィスキー蒸溜所を作るため、2022年10月から「DAO」を開始。ウィスキートークンを約300人の参加メンバーが購入して、約1500万円を集めた。

これをみると、「DAO」は新規投資をする際に、参加メンバーを集め、トークン(電子通貨)で少額出資を募る仕組みのようです。

開始段階は「クラウドファンディング」に非常に近いイメージですよね。
「クラウドファンディング」と違うのは、「クラウドファンディング」が当初の投資のみに参加するのに対して、DAO」は株主のように、その後、長期的にその事業の「所有者」となり、運営に参加する権利があるということです。

そして、この「DAO」を支えている技術が「Web3」、そして、その中核である「ブロックチェーン」の技術となります。

ここで、今更ながら、「Web3」とは以下の考え方から出てきた言葉です。

Web1 (1990年代後半〜)
パソコンで検索してウェブサイトで情報を閲覧する

Web2(2005年ごろ〜)
ソーシャルネットワークに個人がスマホなどで投稿する

Web3(2018年ごろ〜)
ブロックチェーンを通じて個人が経済や社会活動に主体的に関わる

また、こちらも今更ながら「ブロックチェーン」とは以下のような技術です。

「情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理、記録するデータベースの一種であり、ビットコイン等の仮想通貨に用いられている技術である。」
(総務省 ブロックチェーンの概要サイトより)

「ブロックチェーン」はデータの改竄が難しく、処理の履歴を追跡しやすいと言われています。全ての契約や取引、そして権利関係のシステムやデータの書き換えができないブロックチェーン上に履歴が残るため、透明性と公平性の高いシステムと言えます。

「DAO」の参加者は、皆、ブロックチェーン上で発行されたトークン(仮想通貨)を持ち、事業が成功すればトークン価値が上昇します。トークンを売却すればキャピタルゲインを手にすることもできます。まさに株式会社における「株式」なのです。

さて、ここで「DAO」と同じようなワードで最近出てくるのが「NFT」です。
「NFT」についても解説しておきましょう。

「NFT」はNon-Fungible Token の略で、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。「NFT」は「デジタルアイテム」の所有権を証明する特別な証明書のようなもので、非代替性という特徴として、ひとつとして同じものが存在しないことを意味します。「DAO」と良く似ていますよね。

「DAO」が組織や事業に対してトークンを発行するのに対して、「NFT」は特定の「アイテム」を所有するためにトークンを発行します。つまり所有する「対象」が異なるだけで、システムは同じようです。

さて、「DAO」に話を戻しましょう。

世の中には、すでに「DAO」を使って、以下のようなビジネスを行なっている事例があるようです。

◯ 人間の長寿に関する研究の活性化を目指すのが「ビータDAO」と呼ばれる組織で、参加メンバーは9000人を超え、15の研究プロジェクトが進められている。

◯ サッカーJリーグのアビスパ福岡は2月に同社のDAOに参加するためのトークンを発行した。購入者はクラブの運営やイベントの企画に参加できる。

◯ MIT、ハーバード大学、英オックスフォード大学などが共同で教育分野における「EduDAO」を結成している。「EduDAO」から(Web3関連プロジェクトなどに)集まった資金が各大学の研究や製品開発向けに配分される仕組みである。(以上、日経新聞記事より)

◯ 蒸留酒製造販売のWhiskey&Co.が2023年4月に新たにウィスキー蒸溜所を作るため、2022年10月から「DAO」を開始。ウィスキートークンを約300人の参加メンバーが購入し、約1500万円を集めた。

◯ 映画監督の堤幸彦監督が本当に作りたい作品を作ることを目指した「エンタメDAO」「スーパーサピエンス」を開始した。初回のトークン発行では約1000人が購入し約4500万円が集まった。また、堤監督と参加者のコニュニティーの中で、当初予定していなかった全国でのショートムービーの試写会開催が決まった。

◯ 東海自動車は2022年10月に保有するバスのイラストを複製できないNFTとして発行し、チャットツールのディスコード内で東海バスの「DAO」コミュニティーも開設した。

◯ 新潟県長岡市に編入合併されて消滅した旧山古志村がWeb3上で「DAO」として蘇った。村の特産であるニシキゴイのNFTを「電子住民票」として販売。現在、この「デジタル村民」は1000人となり、リアルの旧山古志村の人口800人を上回った。メタバース上の旧山古志村での方針は「デジタル村民選挙」で決定される。

◯ スタートアップ企業のバッジは、現在開発中のサイトで、今後、日本最大の発電会社JERAが出店する「太陽光発電所」の「デジタルオーナー」を募る。他にも電力や製造、通信業種の30社からデジタルオーナーを集める計画。(以上、日経ビジネス記事より)

少しずつではありますが、これからもどんどんトライしていく企業、団体が増えてくると思われます。

ちなみに、昨年10月3日の岸田首相の所信表明演説でも「Web3サービスの利用拡大に向けた取り組みを進める」と表明され、今国家戦略にも位置付けられています。

それを踏まえて、デジタル庁もDAO組織を実証実験的に立ち上げる方向であるとのことです。また、経団連もWeb3、DAOの推進戦略を提言しているようです。

このように、官民挙げて今後進めていくのがWeb3、そして「DAO」なのです!

ただ、この「DAO」実用化に向けて、課題もまだ多いようです。
確かに株式に変わる「トークン」で組織や事業運営に参加する、と言ってもピンとこないですよね。

「DAO」の最大の課題は「法的位置付け」がないことです。

まず、株式会社と違って「DAO」としての法人格が現状ありません。そのため、本来は契約や裁判の当事者になれないのです。もし「DAO」を組合として判断した場合に参加者全員が上限のない連帯責任を負うことになり、なかなか怖くて参加できなくなります。そこで、現段階では「DAO」合同会社(LLC)の亜種として位置づけることが良いのではと議論されています。

「DAO」については、改めて、政府や監督官庁が法律を規定する必要があります。

また「DAO」の参加権利であるトークンの税制や会計処理も問題があります。現状では、「DAO」の参加権は暗号資産や有価証券として位置付けられるため、トークンを発行して得たお金は基本的に時価評価され、課税されてしまいます。本来「DAO」の参加権は株式と同じような位置付けのため「資本」扱いになるはずです。そうした会計の考え方にまだ至っていません。

その意味では「NFT」の国内での会計処理も課題があるようですね。「棚卸し資産」になるのか「その他投資目的資産」なのか、はたまた「無形固定資産」と位置付けるのか、企業によってまちまちだそうです。

現段階ではこうした法的、会計的な手間が、企業にとって負担となり、「DAO」が増えない、廃れてしまう可能性も高いです。
是非、岸田政権、自民党、監督官庁で、こうした社会的な位置付け、ルールを明確にして、推進していってほしいですね。

自民党のWeb3の議論をリードする平将明衆議委員議員のインタビューの中で、次のような色々なアイデアが語られています。

◯ 予約の取りにくいレストランや温泉宿の会員権をNFTにする
◯ 空き家をみんなでシェアするDAOを作る
◯ DAOが使えるDAO特区を作る
そのために、デジタル庁、経済産業省、金融庁、消費者庁、警察庁、財務省などがデジタル庁の司令塔の下、Web3エコシステムの全体を見て規制をデザインしないといけない。

世界全体では確実に進展していくWeb3、そして「DAO」。日本でも是非、国を挙げて、その波に乗っていってほしいと思います。

それでは。

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