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走ることに興味のなかった私がフルマラソン完走に向けて挑戦している話💖

私は高校時代バスケットボール部で、元々運動することに対しては比較的得意な方だ。ただ、走ること自体に興味はなく部活での体力づくりの一環として、顧問の先生の指示で仕方なく走らされているという感覚を持っていた。走らなくていいなら、疲れるから走りたくないというのが本音だった。

そんな私が今、フルマラソンにまで挑戦しているという物語です。

この記事は、ブリヂストン×noteの投稿コンテスト「#挑戦している君へ」の応募作品です。

フルマラソン

高校2年生の夏に同じクラスの男の子から校庭の隅で告白された。私も一年生の時からスポーツ万能でかっこいいなぁと思ってた人で、突然の告白に嬉しくて心から飛び跳ねた。

それからすぐに付き合うことになって、席も隣同士や前後になることが多く、お互いちょっかいを出しながら学校生活を楽しく過ごしていた。

彼は陸上部の長距離選手で、足が速く走ることが楽しくて仕方のない人だ。部活がない休日などは、図書館で一緒に勉強したり映画やランチもよくしたけど、一番多かったのは、友達からもちょっと変わったデートだねってよく言われた「ランニングデート」。

私の部活が早く終わって彼を待つことが多く、待っている間は彼の走っている姿を見るのが好きだった

ある日の帰り道

『なぁ、明日の朝7時くらいから一緒に河川敷走らんか?』と、私に尋ねてきた。

「え?朝?一緒に走る?疲れるし汗かくし...。一緒に映画を観に行きたい♪♪」

『朝一緒に走ってくれたら、昼飯と映画代おごるからさ!』

「え?ホント!?うーん...。なんで?まっいっか...。走ったら帰ってシャワー浴びる。その後お昼と映画いこっ♪」

些細な会話から二人で走ったことがきっかけで、いつの間にかランニングのデートが当たり前になった。
一緒に走っている時の彼の呼吸や、額から流れる汗、頑張っている姿にうっとりして、隣同士で走ることが好きでいつも一緒に走りたいと思うようになった。
彼と繰り返し走っているうちに、走ることに全く興味のなかった私が、いつの間にか走ることがだんだん好きになっていった

一言でランニングといっても、隣で彼を見ながら会話をして、彼のことを想って走ってるし、走り終わった後の会話の妄想が止まらない。教えてもらったフォームや呼吸、足の着地など意識することがとても多く、

おかしな表現かもしれないけど、走っている間はとても忙しい。

一緒に走る距離は毎回10キロでだいたい1時間くらいだった。当然、彼は余裕だ。私のペースに合わせてくれているからだ。物足りない時は私を置いてまた走り出すくらい走ることを愛している人だ。

そんな私たちも高校卒業と同時に離れ離れになってしまう。私は地元の大学へ進学。彼はオーストラリアのシドニーの大学に進学が決まっていた。
卒業後は、遠距離恋愛も考えたけど、お互いの将来を考えて恋人関係を解消し、それぞれの道を歩むことに...。

大学を卒業したらまた一緒に走ろうと約束を交わし、「日頃から走っとけよ!」というのが彼からの最後の言葉。
走ることの楽しさ
をいつの間にか教わっていた。私は走らないとうずうずするくらいの体質になって、毎朝5キロをランニングするようになった。

そんな時SNSで連絡がきた。『来月末にオーストラリアのゴールドコーストで、マラソン大会があるから一緒に走ろう』って。

「ゴールドコースト?えっ?行けるわけないでしょ!何言っているの?」って返したら

オンラインマラソンだから一緒に走れるよ』って。

「オンライン?オンラインでマラソン?どうゆうこと?」

オンラインマラソンとは
新型コロナの影響で、国内外問わず多くのマラソン大会の中止が相次いでいる。そんな中、世界中のランナーに対して、何かしら楽しく走る機会をということで。オンラインでの大会が現在流行している。
【参加方法】
一か月くらい大会の期間が設けられていて、各自が好きなコースを好きな時間帯で走ってよい。
②大会にエントリーして専用アプリをダウンロードしてGPSで計測。
→エントリーした距離を達成すれば、記録が自動送信される仕組み。

ゴールドコーストの大会は、フルマラソン・ハーフマラソン・10キロ・5キロの種目があった。

『せっかくだから、フルマラソン走ろうぜ!』と彼が言う。

「はっ?うそでしょ?私、人生で10キロまでしか走ったことないよ。走るにしても、せめて10キロにしようよ...」

『いつもと同じ距離じゃつまんないから、じゃあ、お互いの間を取ってハーフマラソンにしよう!』

「えーーっ?(うそ...?)そもそも、最近5キロまでしか走ってないよ!それに、そんな長い距離を走るところがない。信号あるし、坂道あるし...。記録がうまくとれないと思う」

(なんとか走らなくていい理由を見つけたい私...)

でも、続けて彼が言う。

「違うよ。陸上競技場を借りるんだよ。大会は一か月間あるから競技場がいつ使えるか聞いてみて!」

(陸上競技場を使うって...。そんなことできるはずない。使えないことにしよう!それか、お金が高かったことにしてやめたい...)

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一応、近くの陸上競技場に電話してみた。地元のマラソン大会にも使用される1周400メートルある大きな競技場だ。

一日使い放題でたったの500円...。しかもロッカーシャワー付。陸上競技場はイベントがない日などは一般開放してて誰でも使えるとのこと。

初めて知った...。

彼は今オーストラリアに居る。空いてなかったと嘘をつくか。5キロなら走れる。10キロでも今からトレーニングすればなんとか走れる。
だけどハーフは約20キロ。。。私には絶対無理だ...。

それか、足を怪我をしたことにしようかな...。

返事に3日間悩んだ。

さすがに嘘は良心が痛み、まだ先の話と思って正直に状況を説明したら、あっという間に日時が決まった。

「絶対無理」、「完走できるわけない」って私がグチグチ言ったら、完走できなくてもいい!挑戦することに意味があるんだから!って。

(どういう意味?完走しなくてもいいの?私には理解できない)

オーストラリアとの時差は向こうが1時間早い。競技場が9時に開くから、ウォーミングアップは場外で実施して、9時半スタートとした。

当日までに、まだ一か月以上ある。

でも、ハーフマラソンというと約2時間走り続けるってこと

それは私にとって未知の世界。一度競技場で練習しようかと考えたけど、2時間も走ることに抵抗があって、彼が勝手にハーフマラソンを決めたことだし、どうせ私には無理だし走り切る自信もなく、2時間も練習したいという意欲もなかった。

とりあえず、今できることをしようと思い、毎朝5キロのランニングを10キロにして体力をつけていった。10キロを毎日走れるからといって20キロを走れるわけではない...。給水だっているだろうし、お手洗いにだって行きたくなるかもしれない。

結局、2時間走った実績がないまま、当日を迎えることになってしまった。
7月末。今年の梅雨は長く今日も曇り空で今にも降り出しそうな天気。オーストラリアは真冬。LIVE映像で連絡をとりあった。

彼が言う
「コンディションはどう?」

「いつも通りかな。でも完走できる自信なんてない。不安に押しつぶされそう...」

「ハーフマラソンは初めてだけど、競技場を1周なら走れるでしょ。単純にその繰り返しだから、気楽にいこう!」

お互いにカウントダウンを始めていざスタート!スタートして間もなく雨がポツポツ降り出した。

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競技場を2周半したところで、アプリが1キロごとのタイムを教えてくれる。競技場もトラックのため、普段のアスファルトと違って地面が柔らかく走りやすい。

トラックを何度も周回しているせいか、景色が変わらずモチベーションが上がってこない。いつもは、川のせせらぎ、鳥のさえずりなどを耳にしながら、移り変わる自然の中を走っている。

走りながら思うことは高校の時の彼との思い出。とにかくずっと一緒だった。そんなことを思い出しながら走っていた。走りながら青春を振り返ると、エネルギーがこみ上げてきて彼に対する好きという思いが強くなる。
そしていつもよりペースが速くなる。早くゴールして彼と話したい。今まで、走っているときに苦しいと感じたことはない。苦しくならないようにセーブして走っていたからだ。

でも、今回は違う。苦しい。ゴールまでが遠く長い。あと何周走るのか...。彼に早く会いたい気持ちからオーバーペースになってしまった。雨も次第に強くなる。

でもあきらめないあきらめたくない。自信なんてないけど、絶対に完走してみせる!走る前のネガティブな気持ちなんて、雨に流されてどこかへ行ってしまった。
腕を振って一歩一歩前へ進む。次第に彼への想いが強くなる。やっぱり好きだ。離れ離れになっても好き。大好き。

苦しい中、ひとりで走るのは孤独。一緒に走りたい。そう考えた時、ふと思い出した!あっ!今、彼と一緒に走ってるんだった!

高校時代、一緒に走っていた会話などを思い出しながら走った。実際に会話している気分になり、気持ちが楽になって、彼が教えてくれた走ることの楽しさを思い出した。楽しい。本当に楽しい!走ることってこんなに楽しかったんだ!

楽しんでいたら、あっという間に時間が経っていてゴールが近づく。気づかなかったけどいつの間にか大雨だ!おそらく彼はとっくにゴールしている。どうせ完走なんて無理だと思って嫌々でスタートした私がまさかここまでできるなんて...。

そして、やっとゴール!初めての挑戦でハーフマラソン初完走!!

記録は、2時間10分14秒だった。

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ゴール直後私は、びしょびしょの中央の芝生に倒れ込みながら、すぐにLIVE映像を繋げる。

「完走できた~!!」おもわず涙があふれた。

『おめでとー!すげーよ!すげー!よくやったわー!』

『初挑戦で初完走!凄すぎるよー。よく投げ出さずに走った! え?画面が濡れてるけど、雨凄くない?屋根あることろに移動しなよ』

「いや、ちょっと歩けない...。後でシャワー浴びるからいい」

私は、彼からの激励の言葉に、涙が止まらなくなった。雨と涙で映像が見れない。。倒れたままで泣き崩れた。

そう!私は生まれて初めてハーフマランを走って、初めて完走した。走ると決まってからあんなに嫌だったのに...。逃げようと思えば走らずに済んだかもしれない。でも思い切って挑戦した自分に感動し、達成できた自分に涙した。
何事もやればできる!彼がそう教えてくれたように感じ、自分でもとても大きく成長できた。

走る前のネガティブな気持ちがどこかに消えたことや、走っているときの好きという気持ちや、私の人生で大切な存在ということを伝えた。彼も同じだった。

彼から、この経験を活かして来年フルマラソンを一緒に走ろうと言われた。ハーフを走る前は嫌々だったのに、フルマラソンは快諾してしまった!うれしい!だって、また大好きな彼と一緒に楽しく走れるんだから。

私の人生に大きな目標ができた。大切なのは、できるできないじゃない、やるかやらないか。できない理由を上げればキリがないし、最初から自信なんかなくていい。だって自信は経験から湧いてくるものなんだから。

私はこのハーフマラソンの完走で大きな自信がついた。

今できることに全力で取り組み、目標に向かって継続する。たとえ完走できなくても挑戦したことが経験になって自信に繋がっていく。人生は一度きり。やっておけばよかったなんていう後悔はしたくない。
だから私はこれからも挑戦し続ける!

私の次の挑戦はフルマラソンを完走すること。

でも、単純に42.195㎞のフルマラソンの完走だけでは終わらせない。人生もフルマラソンと同じ。最初から最後まで辛いなんてことはないし、ゴールまでの道順や目にする景色、やりたいことや出会いなど生きていく中でたくさんの発見がある。
自分の人生として最後に目指すゴールがあるからこそ真剣に頑張れる!

私は人生というフルマラソンを完走する為に、これからもたくさんのことに挑戦し続けたい💖

おしまい。

最後までお読み頂きありがとうございました。また、貴重なお時間まで頂きまして、ありがとうございました。今後もがんばっていきますのでスキ・フォローなど頂けますと嬉しいです🙇‍♀️

※コンテスト応募作品ということで、私の本気の作品に集中して頂く為コメント欄は廃止しています。ご了承ください🙇‍♀️

フルマラソン


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