【読書】Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―

●感想

移動を制限させられている中、MaaSについての本を読んでみた。
海外だけでなく、日本国内も様々進行中らしい。なんかQR決済とかみたいにMaaSオペレーターが乱立してややこしくなりそう、、という印象。MaaSオペレーターが1つになるというのはあり得なく、各国の車のブランド数と同じくらいになるのではないか、とのこと。どれを利用しても全国各地で使えるようにするのが重要になる。
MaaSと自分の仕事の組み合わせが一番気になる。MaaS×広告、イベント、エンタメ。興味も合わせると観光も。MaaS×ゲームの話や、メロウさんの話などは参考になりそう。今後テレワークも進んで移動が減っていくと思われるけど、移動する目的を作り出すこと、逆に人がいるところに移動していくことがポイントかなと思った。
そして個人的に一番気になるのはトヨタのWoven City。年初にこの話を聞いた時ワクワクした。今いろんなテクノロジーが出現してきていてるけど、単発なものが多いかなという感じがしていて、最初からそれらを組み合わせた都市を作り出したらかなり未来にジャンプできる気がする。
早く移動の制限が無くなるといいな。とりあえず温泉行きたい。

●アクション

スマートシティについて調べる。特にWoven City。

●気になったポイント

政府主導のMaaSプロジェクトが始動している。
「スマートモビリティチャレンジ」のパイロット事業として全国28都市を19年6月に選定。
福岡エリアから始まった「My route」トヨタ自動車、西日本鉄道、JR九州。約50%がいつもと違うルート。思いがけない発見をしている人も約15%。
トヨタ「人をもっと移動させたくなる社会をいかにつくるかがカギになる」
MaaSはいくつも出現している。MaaS×生活サービス、MaaS×保険なども。
2
欧州では公共交通機関は公的主体だが、日本は民間が主体。日本は沿線開発も含め、鉄道以外の事業で支えることで黒字化できている。ただし大都市圏に偏在している。そこは民営企業のデメリット。
MaaSは移動のハードルを一気に下げる。

移動の手間だけを減らすだけがMaaSの付加価値ではない。Googleは強いがGoogleのMaaSがすべてを網羅することは不可能。Googleとは違うところに強みを持つMaaSを提供すればよい。
MaaSの数はその国に流通している車のブランド数と同じくらいに収束していくのではないか。
MaaSにとって一番大事なのは全ての移動ニーズに応えること。十分な人口が必要。欧州の場合は50万人規模、車社会の米国では500万人規模。
多くのプレーヤーがMaaSオペレーターを独占したいと言っているが、それはあり得ない。
MaaSの市場を作るために従うべき3つの原則。
いろいろな交通手段があって、ワンストップショップで選べるようにする。
MaaSオペレーターを選べるようにする。
ローミングができて、国内のどこでも使えるようにする。
マイカーが提供したのは自由。その自由を代替するものが無い限り人々はマイカーを手放さない。

今後、人とモノの移動をセットで行える可能性がある。
テレワークなどの普及で移動の自由とセットで働き方の自由が担保され、働き方の選択肢は多様になる。

電動化の課題はバッテリー。レアメタル不足により安定した供給が難しい。生産コストもまだ下がらない。充電インフラも不十分。
Woven City。工場跡地。東京ドーム6個分。26万㎡。
インドネシア発「GOJEK」(ゴシェック)。バイクや自家用車による配車サービスを軸に料理宅配やキャッシュレス決済など生活に密着したアプリを展開。「我々が破壊しているのは自分や家族だけのために使う自家用車の市場」。
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MaaSの普及により膨大なユーザーのデータが得られる。もっとも親和性が高いのは広告。
ニーズに応じて縮小も拡張も可能な状態を作ることがMaaS時代の理想。そのためには適時配車が可能な移動型商業サービスをうまく取り入れることが必要。小型トラックを改装して移動型の健康テーマパークを作ることもできる。MaaSによって人口密度が低くなる。これまでのような固定店舗ビジネスは成り立ちにくくなる。(メロウ)
ウィーンのシュタットベルケが最も重要視しているのは利益率ではなく、ウィーン市の持続可能性や住民のQOL向上への貢献。利益は少しマイナスでウィーン市から補填されている。
シュタットベルケはドイツでエネルギー、水道、交通、その他の生活サービスを提供する自治体出資の公的企業。
ウィーンではシュタットベルケがMaaSオペレーターになっている。
ゲーム業界とMaaSも相性が良い。
移動自体、もしくは現実空間そのものをゲーム化すること。
ゲームと交通がパッケージ化され、ゲーム内の指示で指定場所に行くと自動運転のタクシーが迎えに来ていて次のステージに行ける。
MaaSは移動の効率化ばかり追求されて、日常にある偶然の素敵な出会いをなくしてしまう方向に行く懸念がある。ちょっと寄り道してもいいから1日1回面白いスポットに誘導してくるようなゲーム的な味付けを選択できると楽しい。
社会課題の解決を目的としたゲームを作る、例えばゴミ拾いの達成度に応じて自治体からお金が支払われるといった収益スキームがあり得る。



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