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高尾歳時記 2024年8月17日

昨日金曜日、関東地方に接近してきた台風7号は、予報円の東側を通過し、心配された関東地方への上陸はありませんでした。

しかし海上を進み続けた結果、暖かい海水による水蒸気をたくさん含んだ湿った空気を吸いこみ発達。勢力は勢いを増し、水曜日990hPaだった中心気圧は昨日時点で950hPaになり、台風の表現も「強い」から「非常に強い」に変わりました。

本日正午時点でも中心気圧は955hPaを維持しています。台風7号は動きが遅いことも特徴で、天気図ではほとんど動いていないように見えます。

2024年8月17日 午前06:00の天気図(注1)
2024年8月17日 午前09:00の天気図(注1)
2024年8月17日 正午の天気図(注1)

勢力は衰えておらず、気象衛星ひまわりの画像でも渦がはっきりと写っています。

気象衛星ひまわり 衛星画像 2024年8月17日 正午(注1)

昨日の時点で、本日の関東地方の天気予報は晴れ。ただし、台風の通過に伴い北風にかわることから、フェーン現象(*1)により猛暑になることが予報されていました。空気は圧縮すると温度があがり、膨張すると温度がさがりますが(これを利用しているのがエアコンや冷蔵庫で使われているヒートポンプによる熱交換)、台風が関東地方北部の山脈に湿った風を供給し、山脈にぶつかった風がふもとへと吹きおろす過程で空気が圧縮され温度があがることで関東地方各都市は軒並み猛暑の予報。場合によっては40℃近くになるとのことで、本日は暑さ対策をばっちりして、できるだけ涼しい早朝に出発、10時までに下山しました。

昨日時点では、八王子市街地の最高気温予報は38℃。実際にはこれほどまでの異常な暑さにはなりませんでしたが、八王子市街地は最高気温36℃と猛暑日になりました。高尾山山頂も午前9時時点ですでに33℃と暑く、流れる汗を拭いながらの山行となりました。

こんな天気予報だったからなのか、それともお盆終盤だからなのか、高尾山の人出は少なめでした。

早朝の高尾山口駅前を出発。
天気は予報通り晴れですが、猛暑予報だからなのか、それともお盆の終盤だからなのか、人出は少なめ。
ヘクソカズラがピークを迎えています。
名前があまりにも気の毒だということで、サオトメカズラの雅名もあります。
ミゾソバの花もピーク。開くとお星様のような形になってかわいい。
キツネノマゴ。ふもと山中問わずあちこちに咲いていますが、ちいさいのでよく足元をみないと見つけられません。
朝日に照らされた小仏川。台風による大雨で、水量は豊富でした。
ハグロソウはもうそろそろ終わり。
キツネノカミソリもそろそろ終わり。ヒガンバナの仲間で、葉が出る前に花茎を伸ばして花をつけ、花が終わった後に葉を出すという共通した性質があります。
ヤブランが咲き始めるといよいよ秋ですね。
こちらも秋の訪れを告げる花。ゲンノショウコ。同じフウロソウの仲間で、南北アルプスに咲くハクサンフウロという花があります。仲間だけにそっくりですが、こちらの花は小さく謙虚にさいていますので、足元をよく見ていないと見過ごします。
昨日の雨に濡れて、花びらがうっすらと透きとおっています。
キンミズヒキ。もうそろそろ終わりのはずだと思っていたのですが、意外にねばっています。
ツユクサ。万葉集など、古くから日本人の歌に詠まれてきた花です。
ボタンヅル。よく似た植物にセンニンソウがありますが、ボタンヅルの葉は三裂。センニンソウの葉は卵形。
暑かったのですが、沢沿いに入ってようやく涼しくなってきました。
ヒヨドリバナが咲き始めていますね。これも秋の花です。
先週まで蝶々がたくさん舞っていましたが、少なくなってきました。昆虫は詳しくないので識別はできませんが、オナガアゲハでしょうか?
タマアジサイの花はピークを迎えています。
ツリガネニンジンも咲きそろってきました。
ここで涼をとりながらちょっとひとやすみ。
秋になると開花するキク科の植物の先鋒、ユウガギク。
沢沿いなどの湿った涼しい環境を好む、ダイコンソウ。もうそろそろ終盤です。
今日はフェーン現象で暑いのですが、空気が乾いて霞が少なく遠景は良好です。相模湾方面。久しぶりに江ノ島が見えました。
おっと!またキキョウが狂い咲いていますね。かなり季節遅れです。
園芸店などでは季節をずらして栽培しているものを売っていたりするので、街中にいると季節感が狂います。
これが咲き始めるといよいよ秋ですね。クズの花。
(小仏)城山山頂に到着。久しぶりに富士山くっきり見えました。
同じく城山山頂から、都心方面。こちらも久しぶりに遠景は良好です。
一丁平の森。紅葉はもちろんまだまだ先です。
一丁平の展望台から富士山方面。ここからも、久しぶりに富士山くっきり。
今年はアキノタムラソウが豊作でしたが、そろそろ終わりです。
高尾山山頂に到着。今日は本当に人出が少ない。
高尾山山頂から富士山方面。ここからも、久しぶりに富士山がくっきり見えました。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。こちらもばっちり。こんなにきれいに見えたのは久しぶりです。
このあと空には雲がどんどんわいてきて、富士山は見えなくなってしまいました。

*1 参考資料
気象庁HP 知識・解説 日本の気候 北陸地方 フェーン現象
閲覧日:2024年8月17日

(注1)
気象庁HP 利用規約に基づく表示

出典:気象庁HP 各種データ・資料 過去の天気図

出典:気象庁HP 防災情報 気象衛星ひまわり

閲覧日:2024年8月17日

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