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デジタルトランスフォーメーション(DX)#16 マルチクラウドとハイブリッドクラウド

多くの企業で、DXの実現に向けた取り組みが進められています。
経済産業省のDXレポートにある「2025年の崖」を乗り越えるため、基幹業務をクラウドへ移行する動きがあり、そのカギとなるのが、クラウド化です。

IT基盤のクラウド化が加速するなかで、今後はパブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスといった異なるインフラを要件に応じて使い分ける、ハイブリッド・マルチクラウド化が進んでいくと言われています。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの間には、それぞれ異なるポイントとメリットとデメリットが存在するので、整理しました。

▼ マルチクラウド

マルチクラウドは、文字通りクラウドを複数の事業者から利用することを指します。
メリットは、利用するサービスを、求める機能や予算に合わせて選ぶことができたり、万が一に備えてデータ分散が行える点にあります。
また、サービス利用を特定の事業者に依存せずに済むので、予期しないサービス内容や価格の変更があっても余裕を持って対応できます
その一方では、コストがやや高くついてしまったり、運用の手間が増えるといったデメリットもあるわけです。
当然のことながら、扱うアカウント情報が増えて管理が煩雑になりますから、セキュリティ面のリスクが増します。
マルチクラウドの運用事例としては、サービスによって利用するクラウドを使い分けるケースが挙げられます。
具体的には社内向けのサービスと、顧客に提供するサービスで使い分けるかたちです。
他にも新事業を立ち上げる度に異なるクラウドサービスを選択する、というケースも存在します。
いずれにしても、データ分散はメリットになる代わりに運用と管理の負担が増えるので、不必要に利用するクラウドを増やし過ぎないことが肝心です。

▼ ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドは、他社が提供するサービスと、オンプレミスサーバーの運用を行う、併用型の活用方法を指す言葉です。
名前の通りハイブリッドで運用するわけですから、運用に関する異なる知識とノウハウが必要になります。
ハイブリッドクラウドのメリットの1つは、コストを重視したい場合は他社のクラウド、堅牢性が求められる用途にはオンプレミスと使い分けられることです。
オンプレミスは、顧客情報などの重要な情報を社内に置いておけるので、漏洩や盗難といったリスクを抑えられます
ただ、自社でサーバー運用が必要になる分、コストが掛かったり別のリスクが増すデメリットが生じます。
例えば、運用担当者や管理者を配置する人件費や、災害などによるデータ喪失の恐れというリスクです。
運用事例には、扱うデータによって社内外のクラウドを使い分ける、データ管理の事例があります。
この運用事例は、マルチクラウドの事例に似ていますが、社内向けのサービスや社内で取り扱うデータを、他社クラウドで扱うかオンプレミスで扱うかが決定的に違います
コストやリスクの差に繋がりますから、似ているようでも異なりますし、改めてどちらにもメリットとデメリットがあることが分かります。

今後、クラウド側にセキュリティ機能を持たせて、データを監視するシステムが構築されます。
今できることは、自社のシステムを整理して、どのデータをクラウド化すると有効かを検討することだと思います。
海外では、更にその先のステージにいる企業が多く存在しています。
クラウド化したデータの活用方法については、個別にクライアントへ提案していきます!


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