【最高金額130億円】2023年9月の資金調達を調査してみた Part2
こんにちは、PreVenture編集部です!
今回のテーマは、「9月後半資金調達概要」です!今月は、タイミーが大きな金額を動かす資金調達を行いました。エネルギー産業やインフラ、宇宙産業ではない場所で、100億円以上の金額が動くのは比較的稀なケースです。他の企業も堅調に資金調達を達成しているので、見逃しのないよう、しっかりと確認していきましょう!
期間は9月16日〜31日、最高金額は130億円となっています!
〇9月資金調達動向 16日~31日
株式会社タイミー
事業内容
「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスを提供
金額
130億円
調達手段
コミットメントライン契約
資金調達概要
株式会社タイミーは、総額130億円のコミットメントライン契約の新規・追加締結による資金調達を実施しました。調達資金は成長に向けた事業資金として使用するとのことです。スキマバイトサービス「タイミー」は、飲食業をはじめ物流業、小売業などの業界で広がり、最近では、ホテル業、レンタカー業、農業でも広がりを見せています。
今回の資金調達では、タイミーの成長実績、事業から創出されるキャッシュフローの拡大、資本の蓄積に基づく良好な財務基盤等、当社の信用力が評価されています。
コミットメントライン契約とは、企業と銀行が予め決められた期間・融資枠で資金調調達を行う約束をすることで成立する契約です。企業はコミットメントライン契約を行うことで高限度額の資金調達を実施できるメリットがあります。銀行側は複数の銀行で資金を出し合うため、リスクを抑えて出資できるメリットがあります。
昨年の資金調達に引き続き、無担保・無保証・希薄化無し、借入金利はAll-in costで年利1.0%未満での資金調達になりました。今回の調達により、2018年8月のサービスリリース以降、借入を含む累計調達額は約403億円となったと報告しています。
株式会社Kyulux
事業内容
有機ELディスプレイや照明に用いる次世代材料を開発および販売
金額
36.25億円
調達手段
シリーズB-primeラウンド
資金調達概要
株式会社KyuluxはシリーズB-primeラウンドの資金調達において36億2500万円を調達したと発表しました。国内外のベンチャーキャピタル、及び事業会社から調達しています今回の調達におけるリードインベスターとなった中国のベンチャーキャピタル、Shanghai Pudong Science and Technology InvestmentのInvestment DirectorであるZou Jun博士が社外取締役に就任したことも同時に発表されました。
Kyulux社は、調達を通じて有機ELディスプレイの最大規模の市場であるスマートフォンに次世代材料が採用されることを目指しています。そのために、商品開発の加速、九州大学からHyperfluorescence™の基本特許の譲渡を受ける、材料メーカーと連携し量産体制の構築していくとしています。グローバル市場を見据えており今回の調達をきっかけに、中国市場への進出は加速度的に成長していくことでしょう。
株式会社オルツ
事業内容
パーソナルAIの開発および実用化
金額
19億円
調達手段
第三者割当増資、当座貸越枠
資金調達概要
P.A.I.®️(パーソナル人工知能)をはじめ、AIクローン技術でつくり出すパーソナルAIの開発および実用化を行う株式会社オルツは、第三者割当増資と当座貸越枠の確保という形で総額19億円の資金調達に成功したことを発表しました。投資家たちからは構想からブレずに追求してきた米倉代表の先見の明と強い信念、スタッフのプロフェッショナリズムと深いコミットメントが評価されたようです。今回の資金調達で、累計調達額は80億円を突破したようです。
MNTSQ株式会社
事業内容
法務業務を変革するサービス「MNTSQ CLM」を提供
金額
10億円
調達手段
ALL STAR SAAS FUNDによる出資
資金調達概要
MNTSQ株式会社は、10億円の資金調達を実施したと発表しました。MNTSQ社は、企業の契約業務DXを実現する「MNTSQ CLM」を提供しています。「MNTSQ CLM」は、契約の作成・審査・管理からナレッジ化までを一気通貫でサポートします。
今回の調達において、投資家から、MNTSQが日本のリーガルテック領域で圧倒的なポジショニングを確立している点、そしてMNTSQがお客様から圧倒的な信頼を勝ち得ていることが評価されたようです。これから「MNTSQ CLM」プラットフォームが最先端のAI技術を取り込み、日本のリーガルの世界を飛躍的に前進させるリーディングカンパニーになることを期待してもいいでしょう。
株式会社Photo electron Soul
事業内容
電子ビーム発生装置及び素子の研究、開発、製造及び販売など
金額
7.3億円
調達手段
複数社からの出資(リードインベスター:ウシオ電機株式会社)
資金調達概要
株式会社Photo electron Soulは、7.3億円を調達したことを発表しました。同社は、産業用「半導体フォトカソード電子ビームシステム」の開発に世界で唯一成功した名古屋大学発スタートアップです。
今回の出資者らは、株式会社Photo electron Soulが世界で唯一、半導体フォトカソード電子ビームシステム技術を保有しているという希少性、そして株式会社Photo electron Soulのプロダクトが電子顕微鏡やレーザー加工などの産業機器分野や、更には先端医療や宇宙科学といった領域にも活用される可能性を大きく評価しています。今回の資金調達で、累計調達額は30億円を突破しました。
SORABITO株式会社
事業内容
建設現場に必要な資機材の調達・稼働管理を最適化するサービスを開発・提供
金額
5.5億円
調達手段
融資
株式会社B4A Technologies
事業内容
自由診療クリニック特化型のDXツール『B4A(ビーフォーエー)』を提供
金額
5億円
調達手段
第三者割当増資、融資(借入枠含む)
株式会社Linc
金額
外国人材向けに進学・就職・生活支援サービスを提供
調達額
4億円
調達手段
既存株主・事業会社・エンジェル投資家による出資
株式会社Vook
事業内容
国内最大級の映像制作Tipsサイト「Vook」の運営
金額
4億円
調達手段
第三者割当増資
株式会社kikitori
事業内容
クラウド型農業流通現場向けプラットフォーム「nimaru」(ニマル)の運営
金額
3億円
調達手段
第三者割当増資
株式会社ココロミル
事業内容
ヘルスケア及び臨床研究事業
金額
2.7億円
調達手段
第三者割当増資
株式会社Thinker
事業内容
「近接覚センサー」の販売および、同製品を活用したソリューション提案を行う
金額
2.3億円
調達手段
第三者割当増資、新型コロナ対策資本性劣後ローン
株式会社Eco-Pork
事業内容
養豚の全てをデータで可視化する養豚経営管理ツール「Porker」および、関連するIoT機器の開発・販売
金額
2.2億円
調達手段
第三者割当増資(シリーズB1stクローズ)
OIKOS MUSIC株式会社
事業内容
マーケットプレイスの運営、アーティストの発掘・育成支援、音楽コンテンツの作成など
金額
1.5億円
調達手段
第三者割当増資
株式会社ライトライト
事業内容
事業を譲り渡したい経営者と事業を譲り受けたい後継者候補をWeb上でマッチングさせるサービスの提供
金額
1.4億円
調達手段
プレシリーズAラウンド
株式会社eMoBi
事業内容
電動トゥクトゥクを基軸とした、モビリティ全般についての販売、サービス開発
金額
1億円
調達手段
リース(株式会社セゾン・ベンチャーズ)、出資(リードインベスター:株式会社セゾン・ベンチャーズ)
株式会社CryptoCoco
事業内容
NFTマーケットプレイス構築プラットフォーム「CocoShop」を中心に、ブロックチェーンを基盤としたシステムを開発
金額
数千万円
調達手段
シードラウンド(Skyland Ventures・個人投資家)
Devesion株式会社
事業内容
GenerativeAIを用いてAI仮想キャラクターとの会話を実現することを目指す
金額
1,500万円
調達手段
シードラウンド(SkylandVentures)
株式会社STANDAGE
事業内容
ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易決済システムの開発
金額
不明
調達手段
出資(株式会社C&Rインキュベーション・ラボ)
株式会社スキルアップサポート
事業内容
完全成果報酬で伴走する企業研修" カズサポ "の開発・運営を行う
金額
不明
調達手段
第三者割当増資
株式会社Emiria
事業内容
ユーザーのあらゆるデータをLLM(大規模言語モデル)や画像生成モデルに学習させ「あなた専用のAI」作ることができるサービス、Emiriaを開発
金額
不明
調達手段
第三者割当増資
株式会社Pfines
事業内容
パーソナライズブランドの企画・販売
金額
不明
調達手段
第三者割当増資
株式会社スタジオプレーリー
事業内容
テクノロジー製品の企画・開発・販売
金額
不明
調達手段
第三者割当増資、融資
PLAINER株式会社
事業内容
ソフトウェア企業向けデモプラットフォームの開発・運営、ソフトウェア /SaaS企業の成長支援
金額
不明
調達手段
出資(サイバーエージェント・キャピタルおよびALL STAR SAAS FUND等)
株式会社オトナル
事業内容
デジタル音声広告の広告販売、音声パブリッシャー向けアドテクノロジー実装、データ開発支援、音声コンテンツの広告制作、音声コンテンツ配信支援
金額
不明
調達手段
第三者割当増資
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「9月後半の資金調達動向に」についてご紹介しました。後半のハイライトはタイミー社による130億円の調達です。130億円という規模の大きさにも注目ですが、コミットメントライン契約による調達手段にも着目するべきです。スタートアップ企業が複数の銀行から調達するなど、調達手段が柔軟になっている様子がうかがえます。しかし、
9月後半も依然として、資金調達の規模に格差が生まれています。企業によって調達に差が生まれる傾向は今後も続いていくと思われます。
引き続きベンチャー、スタートアップの資金調達も注目していきましょう。
最後に。。。
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