ロシアのパレスチナへの軸足／The Cradle
西側諸国が #イスラエル の #ガザ戦争 を支持することが不可解になるにつれ、#モスクワ は #パレスチナ を擁護する世界的多数派に同調する。
by Pepe Escobar
2023.11.07
イスラエルとパレスチナの悲劇における #ロシア の地政学的中立性という複雑で微妙な問題が、先週ついに明確な形で明らかになった。
【証拠A】は、ロシアの #プーチン 大統領が10月30日、自国の安全保障理事会、政府高官、安全保障機関のトップに直接演説したものだ。
著名人では、ミハイル・ミシュスチン首相、ヴャチェスラフ・ヴォロディン下院議長、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記長、セルゲイ・ラブロフ外相、アレクサンドル・ボルトニコフ国家保安庁長官、セルゲイ・ナリシキン対外情報庁長官らがいた。
プーチン大統領は、#ウクライナ とイスラエル・ #パレスチナ という２つの戦争が絡み合った現在の地政学的白熱の状況におけるロシア連邦の公式立場を詳述するのに時間を割かず本題に切り込んだ。
これは西側 #覇権国 の政治的リーダーシップだけでなく、彼の著名な聴衆にも向けられたものだった。
『今、#ガザ で起こっている恐ろしい出来事を正当化することはできない。
そこでは爆撃から逃げたり隠れたりする場所もなく、何十万人もの罪のない人々が無差別に殺されている。
血まみれの子供たち、死んだ子供たち、女性や老人の苦しみ、医療従事者が殺されるのを見ると、当然のことながら、目に涙があふれて拳を握りしめてしまう。』
米国主導の混乱連合
そして、その背景を予告した：
「私たちは、中東や世界中の他の地域の人々の悲劇の背後に実際には誰がいるのか、この致命的な混乱を組織し、誰がそこから利益を得ているのかを明確に理解する必要がある。」
明確な言葉で、プーチン大統領は「 #アメリカ とその同盟国の現在の支配エリートたち」を「彼らが血塗られた家賃を得るために利用している世界的な不安定さの主な受益者」と表現した。
「彼らの戦略も明確だ。
世界超大国としての米国は弱体化し、その地位を失いつつあり、世界経済の傾向から判断しても、誰もがこれを認識し、理解している。」
ロシア大統領は、「世界的な独裁体制」を拡大しようとするアメリカの衝動と、止まらないカオスを促進する政策への執着とを直接結び付けた。
「この混乱は、ライバル国、あるいは彼らの言うところの地政学的敵対国を封じ込め、不安定化させるのに役立つだろう。」
彼らはまた、
「我が国をその中にランク付けしているが、実際には、それらの国々は、新しい世界成長の中心地であり、威張り散らされて使用人の役割や、威張り散らすことを望まない #主権独立国 である。」」
と述べた。
重要なのは、プーチン大統領が国内と #グローバル・サウス の聴衆の両方に「もう一度繰り返す」ことを強調したことだ。
「アメリカとその同盟国の支配エリートが、パレスチナ人の悲劇、中東全般における大虐殺、ウクライナ紛争、そしてアフガニスタン、イラク、シリアなど、世界の多くの紛争の背後にいる。」
極めて重要な指摘である。
ウクライナ紛争とガザ戦争の加害者である「アメリカとその同盟国」を混同することで、ロシア大統領は事実上、イスラエルを西側覇権国とその「混乱」の課題と一括りにしてしまった。
モスクワは真の「国際社会」と協調する
本質的に、このことからわかるのは、ロシア連邦は、アラブ世界からイスラム教のすべての国、さらにはアフリカ、アジア、ラテンアメリカに至るまで、圧倒的多数のグローバル・サウス／グローバル・マジョリティの世論と明確に一致しているということである。
興味深いことに、モスクワは、ロシアの戦略的パートナーである #イラン の指導者ハメネイ師や、#ヒズボラ のハッサン・ナスラッラー事務総長がこの金曜日に行った、「地球全体と全世界をそのクモの巣に絡め取ろうとするクモ」についての、鋭い、洗練された、孫子のような色合いを帯びた演説での分析と一致している。
ロシアの公式立場、特にイスラエル・パレスチナに関する【証拠B】は、プーチン大統領の演説の2日後、パレスチナに関する特別国連総会で、ロシアの国連常任代表ワシリー・ネベンジャから提出された。
#ネベンジャ 氏は、占領国であるイスラエルには「自衛権」がないことをはっきりと明言した。
この事実は、2004年の #国連国際裁判所 の協議判決によって裏付けられている。
当時、同裁判所はまた、イスラエルが東エルサレムを含む占領下のパレスチナに巨大な壁を建設したことは国際法に違反するとして、15人中14人の賛成票を得た。
ネベンジャ氏は、テルアビブとNATO銀河系全体が振りかざし、際限なく呼び起こした「自衛権」論を法的な観点から無効にした。
テルアビブの庇護者である覇権国は最近、イスラエルの「自衛権」に言及していないという理由だけで、ブラジルの人道的国連安保理草案に拒否権を発動した。
ネベンジャ氏は、モスクワがイスラエルの安全を確保する権利を認めていると強調しながらも、この権利は「承認された国連安全保障理事会決議に基づいてパレスチナ問題が公正に解決された場合にのみ完全に保証され得る」と強調した。
記録はイスラエルがパレスチナに関するいかなる国連安全保障理事会決議も尊重していないことを示している。
占領下のパレスチナにおけるラブロフの優先事項
イスラエル/パレスチナに関するロシアの立場に関する【証拠C】は、ネベンジャの国連介入の2日後、クウェートのサバハ・アル・サバハ外相との記者会見でセルゲイ・ラブロフ外相によって提供された。
#ラヴロフ 外相は、プーチン大統領とネベンジャがすでに強調したモスクワの優先事項を繰り返し述べた。
緊急停戦、人道回廊、そして「1967年の国境内で国連安全保障理事会が構想した、イスラエルと平和と安全のもとに共存する独立パレスチナ国家」の交渉のテーブルへの復帰である。
ラブロフ氏は、「パレスチナ国家樹立という国連安全保障理事会の決定を（葬り去らないまでも）遅らせることを目的とした」いくつかの米・イスラエルの陽動作戦が用いられていることを改めて強調した。
ロシア外務大臣によれば、これはパレスチナ人に「権利のない永遠の存在」を宣告することを意味しているという。
「これでは、この地域の平和も安全も保障されず、紛争がさらに深まるだけです。
そして、紛争を深化させるだけです。
次の『怒りのぶどう』が蒔かれ、それはすぐに『芽を出す』でしょう。」
ラヴロフ氏の分析は、プーチン氏の分析と同様、ハメネイ師とナスララ氏の分析と一致している。
「これはガザに関するものではなく、イスラエルとパレスチナの紛争に関するものです。
パレスチナ国家はその解決策にとって不可欠な一部なのです。」
ロシアは、イスラエル/パレスチナのすべての当事者にとって信頼できる調停者の役割を発揮するための種を蒔いている。
– 特に現在のイスラエルによるガザ民族浄化が黙認された後では、この役割は覇権国にはまったくふさわしくない。
ラブロフ氏は明言した：
「アラブ世界の全会一致の意見を知ることは、我々にとって根本的に重要になるだろう。」
これは、特にワシントンに臣従するスンニ派政権をターゲットにしたメッセージである。
そして、彼らが行動を共にすれば、「我々はこの非常に困難な問題に対するアラブの解決策を支持するだろう。」
多極化の前提条件: パレスチナの平和
資料A、B、Cを合わせて見ると、モスクワがいかに先手を打っているかがわかる。
全体的なメッセージは、グローバル・サウス／グローバル・マジョリティのいたるところで細かく解読されているが、ノンストップの「混沌の帝国」的策略を考慮しても、不変の排外主義的シオニスト・プロジェクトは、今や到着することなく消滅しているということだ。
これまでのところ最も悪くない解決策は、2002 年のアラブ平和イニシアチブだ。
これにはイスラムの国からロシア、イラン、中国に至るまでのすべての人が参加している。
それは、東エルサレムを首都とし、1967年の国境線に戻るパレスチナの独立国家である。
問題は、制御不能になったシオニズムをどう説得するかだ。
現場での必須の事実には、
兵器化/証券化されたワシントン-テルアビブ間のへその緒を切断すること、
そしてたまたまディープステート全体のサイロに深く根付いている米国のネオコンキリスト教シオニストマトリックスを地政学的スペクトルから追放すること
が含まれなければならないだろう。
短期的にも、中期的にも、そして長期的にも、この2つは不可能である。
一方、地図を見ればわかるが、ヨルダン川西岸からガザ地区までの2国家による解決策は、現実的にはもう破綻している。
多極化の指導者にとってそれを認めるのは胸が張り裂けるかもしれない。
唯一の実行可能な解決策はシオニスト計画に対する最高の忌まわしいものである、つまりユダヤ人とアラブ人が平和に共存する単一国家であることを認識するには、ある程度の時間がかかり、また公の言説が変化するだろう。
これらすべてが私たちに明確な定式をもたらす。パレスチナに対する正当な解決策がなければ、新たに出現する多極性の領域全体にわたる具体的な平和は依然として達成できないということだ。
現在ガザで実現している恐怖は、混沌の帝国にとって平和が優先事項ではないことを示しており、状況を変えるにはロシア、そしておそらく中国が必要となるだろう。
（了）
引用元
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