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SaaSグローステクニック9選

こんにちは。あっという間に投稿していない期間が過ぎてしまいましたが、気持ちも新たにSaaSやSEOやコンテンツマーケティングなどについて書いて行こうと思います。第1弾はグローステクニック9選として海外記事などを読んだ内容を咀嚼してお届けします。

1. "リファラル"ハック

友人知人への紹介によって、双方が得られるメリットを提示する方法だ。SaaSに限らずWebグロース手段の中でも古典的といっても良い方法ではないだろうか。SaaS業界ではDropboxの紹介プログラムがよく引き合いに出される。

この記事による調査では友達紹介プログラムが実行されるのは、ユーザの登録初日が最も多くなり、このタイミングで紹介プログラムをオファーするのが成功率を高くするだろう。また、以降30日目にも件数上昇がみられ、これは月契約の解約タイミングでオファーに遭遇し、メリットを感じたユーザが多く反応したことを示している。ただしこの記事の筆者が言うようにこれらの”紹介”は優れた製品やサービスであれば観測できるのは一部であり、優れたサービスである場合はそれが口コミで広がることにマーケティングなぞいらないのだとすら言っている。

2."Powerd by"ハック

"iPhoneから送信"ハック、と言い直しても良いかもしれない。iPhoneは決してSaaSではないが、iPhoneから送られるメールには自動的にこの文言が挿入されるように設定されている。別にクリックできるわけでもないがーかつて新しいiPhoneを持っているだけで話題として使えるがあった。ビッグウェーブだ。そのような時代において何フォンから送信されたと出ていることには意味があったはずだ。

このハックは一見No1の"リファラル"ハックに似ているが、単なるクチコミてきに紹介するのではなくて、そのSaaSサービスの機能そのものと密接である点が違うところだ。例えばGoogleドキュメントを使っているとしよう、だれかと書類を共有して共同編集しようと共有リンクのメールを送信するだろう。このフローこそが"Powerd by"ハックだ。

3." CCA" ハック(common conversion activities)

CCAと聞いて逆襲のシャアしか思い起こせないなら筆者と同じだが今回のは違う。日本語に上手いこと直されているのを見かけていないが、長々と説明すると、あるサービスを本登録したユーザーが、試用期間中にほぼ行った行動、とでもいうものだ。これを見極めて、自発的にそれが起きるのを待つわけではなく、サービス側から適切にその行為をプッシュすることを指す。

このハックで最も有名な事例として挙げられるのがTwitterだ。Twitterはそれまでの観測から、サービスアクティブ率が高いユーザーは、フォロー人数が10人を超えていることが重要な要因であると分析していた。Twitterはそれを新規登録ユーザには先ず行ってもらうステップに組み込んだ。Twitter自体は有料サービスではないが同じ構造の施策といえるだろう。

CCA参考URL

4."ゲーミフィケーション"ハック

一時期かなり耳にしたというか目にしたゲーミフィケーション。私自身が感じているものの一つにはGoogleのローカルガイドがあげらる。今現在レベル6だ。もちろん単にレベルが表示されてうれしいというのもあるが、どれだけ投稿したクチコミや写真が閲覧されたかのサマリーも届く。内容によってはバッジが貰える。(まるで"あつ森"だ)基本的にはGoogleによって褒められるわけだ。かつてはGoogleDriveの容量が貰えたりもしていたが、最近ではどうやらそこまでする必要はないようだ。とはいえ一定のレベルがあると毎年開催されているローカルガイドのコミュニティイベントに招待?される権利が貰えるようだ。サービス利用の継続率を保つには重要な要素であることは間違いない。

5."年間契約"ハック

主に月額契約を主とするSaaSサービスだが、そのグロースを盤石にするためには年間契約のユーザ数を増やすのは重要な要素だ。SaaSサービスのキャッシュフローを考えると提供側からすると喉から手が出るほど素敵な提案である年間契約。かといってサインアップのフローでいきなり年間契約を提示すれば良いというわけではない。サービスを利用していないユーザに急に年間契約を提示してはいけないし、最も大事なのは年間契約をユーザーが選択するべきメリットをオファーしなければいけない。最も典型的なのは割引で、市場平均では8%~12%で、これを1ヵ月分無料という形での提示が良くある方法だ。

ここでSaaSが提示する料金プランの選択肢をあげておく

1,年間契約プランのみ

2,年間契約がデフォルトで選ばれているが、月額選択肢もあるもの

3,月額契約がデフォルトで選ばれているが、オプションで年間契約が選べる

4,月額のみ

基本的には最初期のSaaSサービスがとるべき最良は月額プランの提示だ。

年間契約参考URL

6."保留"ハック

SaaSサービスは、毎日が解約申請との戦いでもある。しかしすべてのユーザーが完全に解約したいと思っているわけではない。そのようなユーザに対しては保留という選択肢を与えるのが良い。

ちょうど昨今のパンデミックにより、同様の対応を追加で行っているのがAhrefsだ。それまでも例えば7ドルでの試用期間ユーザは、その後正式ユーザとして課金しないとしても、原則ほとんどの機能が使えないもののAhrefsのアカウント自体は保持される措置をとっていた。そして今回のパンデミックに際しては、月額や年額の支払い時期をずらすことを可能とするオプションの提示を行っていた。これは一時的なキャッシュを失うことにはなるが、再度ゼロから登録するよりも、過去のデータを保持しておりかつ再登録のハードルが無い状況にユーザをとどめておくのは、長い目で見たグロースに重要であると理解できるだろう。

なお一定の年齢以上だと、在りし日のi-modeサイトなどで、解約ページが見つからないとか、解約しようと思って解約ボタンを押しても「本当に解約しちゃうんですか?」「さみしいです…」みたいなのを思い出す方もいるだろう。それと同じことをしようということはないのだけは留意したほうがいいだろう。

7."ピギーバッキング"ハック

より日本語的に解釈すると"おんぶにだっこ"作戦とでもいうべきか。SEOやPPCにおいてメジャーな競合が持っているキーワードへの入札、施策を行ってその名声に乗っかって、自身たちのサービスへの誘導を行うというものだ。単に誘導するだけでなく、競合サービスとの比較検討ができるようなページを作成することでより効果的に機能させることができるだろう。

8."サイドプロジェクト"ハック

あるSaaSがその製品に対しての潜在的なユーザを獲得するために、サブのサービスを原則としてフリーで提供するスタイルのハックだ。短縮URLや予約投稿機能をもつhttp://buffer.com/における、SNS投稿などをするときの文字付バナーを容易にオンラインで制作できるサービスであるhttp://pablo.buffer.com/のようなサービスを用意する手段を指す。

参考URL

9. ”連携”ハック

Integrationは統合だと思うが、ピンとくるのは”連携”ではないだろうか。ある独立したSaaSサービスであることよりも、例えばGoogleカレンダーと連携して●●ができる・・・であったり、Facebookと連携して・・・など既存の大手企業、大手サービスが持つ顧客へ向けた連携機能を提供することでその顧客基盤をある意味ではそのまま獲得しに行ける方法だ。

まとめ

今回サービスグロースに使えるハック方法論を9つピックアップした。実際にわかっていても全部実現するのは難しいし、サービスや業界ごとの向き不向きもあるだろう。さらに前提としてのPMFにだって忙しい。

さらにAhrefsを扱っているうえでの経験としては、使ってみたいが使い方がわからないという質問はとてもとても多い。つまりシンプルに製品の使い方を世界に向けて発信することを忘れてはいけないだろう。





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