死ぬまでに何か遺したい

大学生 拙い文章ですがどうかご容赦ください。哲学的な内容を発信しています。投稿は不定期…

死ぬまでに何か遺したい

大学生 拙い文章ですがどうかご容赦ください。哲学的な内容を発信しています。投稿は不定期です。

最近の記事

リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム

政治思想には、今なお議論されている、大きく分けて3つの思想が存在します。その3つとは、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズムです。今回は、これら3つの思想の中でどれが最も妥当かについて自分なりに検討しようと思います。 結論から言えば、私はリベラリズムとリバタリアニズムを両方取り入れ、場合によってどちらを重視するか決めるのが良いと考えます。コミュニタリアニズムを批判してから、残り2つの検討をしていきます。 〇コミュニタリアニズムとその問題点コミュニタリアニズム

    • 「中庸」の誤解(アリストテレス)

      今回は、(儒教ではなく)アリストテレスの「中庸」という概念によくある誤解について考えていこうと思います。 まず、中庸の意味について簡単な解説をします。 ○「中庸」とは?中庸とは、アリストテレスが提唱した倫理学上の概念であり、徳の一つです。具体的には、過度や不足といった両極端を避けたそれらの間を選び取る徳のことです。例えば、無謀と臆病の中庸が勇気、虚栄と卑屈の中庸が矜持などです。アリストテレスは、思慮によってこの中庸を選び取り、それに沿った行動が良い行いであると考えました。

      • 精神は実在するのか-ヒュームの実在論-

        西洋近代哲学史において、何が「実在(客観的に存在)」するのかについての議論は盛んにおこなわれました。大陸では合理論が、イギリスでは経験論がそれぞれ発展し、最終的にカントによって統合された、ということを知っている人は多いでしょう。しかし、ここで統合されたとされるのは、理性の役割や能力に対する見解(認識論)であり、理性を含む精神(意識)や神の「実在」に対する見解(実在論)は統合されていない、と私は考えます。 実際、カントは、何が実在するかを考える(実在論を考える)ためには、考え

        • 功利主義批判のようなもの

          もう言い尽くされてる気もしますが、功利主義に対する疑問点をつれづれなるままに書き綴っていきます。 1.「帰結」はどこにあるのか功利主義は、「行為の正当性はその行為がもたらす帰結(結果)によって決まる」という帰結主義の立場をとっていますが、「帰結」をどこまで含むかによって評価が変わることもあります。 例えば、「トロッコ問題」という有名な問題の類似版に、次のような問題があります。 【ジョージは路面電車を見下ろす歩道橋に立っている。彼は、歩道橋に近づいている路面電車が、コント

        リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム

          「理性vs欲求」の構図に異議を唱えてみる

          ○「理性vs欲求」ではなく、「欲求vs欲求」?私たちはしばしば、理性と欲求を対立させて考えます。例えば、ケーキを食べたい欲求と食べたら太ってしまうから駄目だという理性、がなどが例として挙げられますね。 しかし、本当にそうでしょうか?私は、欲求と対立しているのは理性ではなく、もう一つの欲求だと思うのです。 先程の例で説明しましょう。この仮説に従えば、ケーキを食べたい欲求と対立しているのは、食べたら太ってしまうという理性の働きによって生まれた、「太りたくない」と思う別の欲求だ

          「理性vs欲求」の構図に異議を唱えてみる

          人生に意味はあるのか?

          「人生に意味があるのか?」という問いが複雑に見えるのは、「意味」という言葉が複数の語義を持っており、そのいずれについて言っているのかが分かりにくいからだと思います。先に「意味」という言葉について明確に捉え直してから、本題に入りましょう。 い‐み【意味】 [名](スル) 1 言葉が示す内容。また、言葉がある物事を示すこと。「単語の意味を調べる」「愛を意味するギリシャ語」 2 ある表現・行為によって示され、あるいはそこに含み隠されている内容。また、表現・行為がある内容を示すこと

          人生に意味はあるのか?

          賢者になるためには(無知の知)

          死ぬまでに何か遺したい人です。 ソクラテスの「無知の知」っていう考え方を知って、これは哲学、ひいては議論や人間関係など、様々な場面で活躍する考え方だなーと思ったので、半ば紹介みたいな形で書いていきます。 ○無知の知とは…自分が無知であることを知っていることをいいます。(そのまんま) 無知とまで自覚するのは難しいので、まあ謙虚な姿勢、くらいで考えたほうが分かりやすいと思います。 ○賢者になるために結論から言うと、この「無知の知」を自覚し、謙虚な姿勢で思い上がらずにいるこ

          賢者になるためには(無知の知)