精神は実在するのか-ヒュームの実在論-
西洋近代哲学史において、何が「実在(客観的に存在)」するのかについての議論は盛んにおこなわれました。大陸では合理論が、イギリスでは経験論がそれぞれ発展し、最終的にカントによって統合された、ということを知っている人は多いでしょう。しかし、ここで統合されたとされるのは、理性の役割や能力に対する見解(認識論)であり、理性を含む精神(意識)や神の「実在」に対する見解(実在論)は統合されていない、と私は考えます。
実際、カントは、何が実在するかを考える(実在論を考える)ためには、考え