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人生に意味はあるのか?


「人生に意味があるのか?」という問いが複雑に見えるのは、「意味」という言葉が複数の語義を持っており、そのいずれについて言っているのかが分かりにくいからだと思います。先に「意味」という言葉について明確に捉え直してから、本題に入りましょう。

い‐み【意味】
[名](スル)
1 言葉が示す内容。また、言葉がある物事を示すこと。「単語の意味を調べる」「愛を意味するギリシャ語」
2 ある表現・行為によって示され、あるいはそこに含み隠されている内容。また、表現・行為がある内容を示すこと。「慰労の意味で一席設ける」「意味ありげな行動」「沈黙は賛成を意味する」
3 価値。重要性。「意味のある集会」「全員が参加しなければ意味がない」

Webio辞書より引用。(広辞苑と同じでした。)イメージしやすくするために、言い換えてみます。

1については今回の問いとは関係がないのでカットします。

2:「意味ありげな行動」→「目的を持った行動」このとき、意味=目的

3:そのまんま、意味=価値


意味=目的の場合

意味=目的、と捉えれば、「人生の目的は何か」と言い換えることができます。

結論から言うと、人生の目的とは「幸福」です。

どんなものに幸福を感じるかは人それぞれですが、帰納的に考えて、どんな人生の目標も、幸福に基づかないものはないはずです。

古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、主著「ニコマコス倫理学」でこう言っています。

「幸福が究極の目的である理由、それは私たちが幸福を望むのは幸福それ自体のためであって決して他のためではないからだ。私たちが名誉や富を求めるのも、確かにそれらのためでもあるが、同時に、それによって幸福となると考えているはずだからだ。」

この通り、幸福は他のものの手段とはなり得ない、あるだけで十分なものです。一般的に素晴らしいとされる行為は、それが幸福を導くと考えられているから素晴らしいとされるように、あらゆることの価値判断は「幸福に結びつくかどうか」で決定されているとさえ言えます。

意味=価値の場合

意味=価値と捉えれば、「人生の価値は何か」と言い換えることができます。主語を補って、分かりやすくすると、「自分の人生の価値はあるのか」という問いになります。

価値とは「どれだけ役に立つか」と定義されますが、この対象が必ずしも他人である必要はありません。あなたがあなたのことを大切にしていたら、それだけであなたの生には価値があります。

また、家族も友達も居らず、生きていたいと思わない人には価値がない、と言うわけではありません。未来に何が起こるか分からない限り、人は誰しも誰かの役に立ったり、自分の生に希望を見出す可能性があります。

人は未来に価値が生じる、つまり「価値の可能性」を有しているので、程度の差があれど価値のない人間などいません。


「生まれたことの意味」は?

これに関しては、生まれるということに自分の意思は介在しないので、意味=目的と捉えた時には、「生まれたことに意味はない」と結論づけることができます。

まとめ

「意味」という言葉をどう捉えても、「生きることに意味はある」はずである。

拙い文章をご覧いただきありがとうございました。

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