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silver story

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神々の島バリ。なんで私なの?バリの神様のいたずらか?「Street Story」と絡まっていく不思議な物語
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#バリ

Silver Story  #49

Silver Story #49

お母様の準備が整う間の時間つぶしにカメラのデータを見ていた。日本では、いつもいつもやる行為なのにここでは、そんなモノになり下がるとは自分んでも驚きだ。

今、このカメラの中に私の一生に一度の素晴らしい体験が詰まっている。長年カメラマンとしていろいろ写真に収めてきたが、こんなにも自分と関わりが強い写真は今までなかったし、もしかしたらこれからもないのかもしれない。

一枚一枚送っていくとそれは

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Silver Story 【ツナガリ】#47

Silver Story 【ツナガリ】#47

#47
キッチンにいるお母様の携帯が鳴りお母様が驚いたような声をあげていたので何だろうと気になってきた。
ちらっと顔を出して私の様子をうかがってきたみたいなので、ちょっとだけ不安になってきた。

「沙耶、あなた、大変なことになっていますよ。」
お母様は手を拭きながらこちらへ来るとそう言って私の足の様子を見ていた。

「お母様。何のことですか?さっきの電話の事ですか?」

「はい。さっき

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Silver story #46

Silver story #46

さっきのやり取りがなかったかのように楽しく食事が終わると、サリナちゃんは、ユキさんと学校へ行く準備をするのにバタバタし出した。お母様は、片付けと私の足の病院へ行く段取りをするのに村長さんへ連絡を取っていた。
そういえば昨日のある意味主役の村長さんについては二人とも何も話さなかったが、実際のところどうなんだろう。

お母様の昔の思い出で、光一さんとの別れの原因だった村長さんの告白以来、お母様と村長

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silver story #35

#35
真っ白い世界に目が慣れてきて、その祠の輪郭がはっきりしてきた。
さっきまで歩いてきた両側の生い茂った木々とは打って変わって、そこはちょっとした広場になっていた。

見上げるほどの黒い物体は、広場の真ん中にそびえ立っていた。それを中心にして、四方向の隅には、篝火が焚かれていて実は、白ではなくぼわーっとオレンジ色になっていた。どうして白く眩しく見えたのだろうか?

「ダイジョブデスカ?

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silver story #34

#34
相変わらずのまとわり付く空気とまだぎこちない歩みのせいで、二人より息が上がってきた。まだまだあの白い丸は近づいてこないが、怖さはなかった。
ただ両側の闇の中には、精霊や邪悪な何かは、蠢いているそんな気が漂う道で、とても一人では行くことは出来ないと思った。

「この道は、昼間はどんな感じですか?」
思いきって聞いてみた。
「昼間?昼は、木漏れ日がキラキラしていて、花や緑

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silver story【バリの空 】#1

#1
だんだん遠くの方からざわめきが聞こえて来た。
何だろう?人の声?

その瞬間、スゴイ激痛が!
ここだと特定できないくらい体のあちこちに痛みが走った。

なに?私どうしたんだろう。
見上げればいろんな顔が私を覗きこんでいた。

何を言っているのかわからない
驚いた顔 ニヤニヤした顔 必死で何かを言っている顔 ポカンと口を開けた顔 男 女 こども 老人。

あ!そうか 
ここは、

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