10.食べよう!テトロドトキシン
私は毒を食べるとおおむね死んでしまいます。
毒を身を守るために使用する生き物も多いです。
フグなんかはイメージも付きやすいですよね。フグ毒と呼ばれるテトロドトキシンという猛毒でフグを食べた生き物をやっつけてしまいます。無色・無味・無臭で特効薬はありません。
なんと恐ろしい毒なのでしょう。
いや、この「恐ろしい」という感想は捕食者側の想いですね。
フグからしたらなんと頼もしい毒でしょうか。生きるために不可欠です。きっとテトロドトキシンに確信を持っているでしょう。
ただ、フグはフグ毒を生産しません。食物連鎖の過程で生物濃縮をして獲得している説が有力ですが、詳しいメカニズムは解明されていないとか。
なのでフグはテトロドトキシンが含まれている餌と含まれていない餌だと、前者に誘引されるとか。ヒトには無味・無臭ですが、フグには大変美味しい"スパイス"なのでしょうか。
余談ですが、上記の理由から餌を完全管理された養殖のフグは無毒です。
フグとテトロドトキシンはさすがに極端な例です。フグ以外食べる生き物はあまりいないでしょう。
ただ、多様性という意味ではある意味わかる話かと思います。
日本人と馴染み深いゴボウですが、日本以外で食べる文化はあまりありません。
太平洋戦争最中に英国米国の捕虜に提供したところ、「木の根を食べさせられた!捕虜虐待だ!」と裁かれた事例がありました。まさに文化の違いから生まれた問題でしょう。
さて、個人レベルだとパクチーなんかは好みが分かれるのではないでしょうか。
私は美味しいと感じるのでパクパクいけちゃいます。
このパクチーの匂いも遺伝子によって石鹸やカメムシの匂いに感じる人もいるそうです。(というかそっちの方が多数派だそうです。)
どんな事でも違いがあり、そこに多様性があります。
大事なのは違いがあると知ること、そしてヨソはヨソウチはウチ寛容する事が「多様性」でしょう。
フグに「テトロドトキシン食べよう」と確信をもって薦められたら…。
フグは体に毒を溜めますが、人間にとってはたまったもんじゃありません。
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