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日記 一〇二号室その3

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夜ごはんときもちを記録した日記のつづき(2017年6月11日〜)。 踊る阿呆に、見る阿呆。 踊ってころんでしょげて蹴っ飛ばしてうたって仰いで。 よきもあしきももらったものを消化し…
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2017年7月の記事一覧

耳語り

耳語り

二〇一七年七月二十九日土曜日

曇りのち雨

きょうからいわゆる市民大学へ月一で三月まで通う。のんさんの授乳が気がかかりで仕方なかったけれど、わたしはちゃんとひとりになれた。

あっという間の、有意義な時間。言語化されない(思う)のなかに、きのうの体験で感じたことはとどまっている。

わたしには知らないことがまだまだどひゃあとあり、その混沌としたせかいのなかにはいくつも靄がかかって隠れているドアノ

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あかい うま

あかい うま

二〇一七年七月二十八日金曜日

曇り

cafe slowはおおらかにゆったりとしようとそう思えるような、懐のおおきさがある。帽さんがいっしょに食べようと言ってくれて注文したお豆のパフェ、甘みの差異が豊かでおいしかった。のんさんは塩結びをほぼひとつぺろりとたいらげる。なによりあたたかいカフェオレをひと口、おおきく息を吐く。こんなにほっとするのか、と作用におどろいた。

夜ごはんは、焼き鳥、冷奴、

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新月は唄う

新月は唄う

二〇一七年七月二十七日木曜日

あかるい曇り時々日が差す

あさこさんと待ち合わせ。
妊婦さん特有 (な気がする)快活な感じが彼女を纏っていた。きもちよいさわやかな風。
それは、なんとなく食欲がないとかそんな気分とは関係なしに窓の外ではけろっとした顔で吹いているというようなもの。

ここ最近、手足口病をがんばりさらに帽さんへの贈りものづくりもがんばったのんさんにえほんをと思っていたのだけれど、

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南瓜休み

南瓜休み

二〇一七年七月二十六日水曜日

雨と曇り

小沢健二さんがミュージックステーションに出演した、その録画したものを、このごろのんさんは興味があるという様子で見ている。畳の部屋にあるギターを指差し、取ってと。膝のうえに座りギターを鳴らしたりする。

そうやってよく見ている、聞いている『流動体について』。

はじめは
”できることは宇宙のなかでよいことを決意するくらい”
という言葉がぽんわり残り、じんわ

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指先にお便り

指先にお便り

二〇一七年七月二十五日火曜日

曇り 雷と天気雨

午前中にそれは届いて、すべて揃った。のんたろ先生にひと仕事おねがいしてあしたの準備はできたぞできた。うふふ。

雷がとおくに聞こえるけれど、雨が降る前にと、すこし公園へ。
川沿いの砂利道、コンクリートの腰掛けられるような高さのところへ来ると (ぷーって)と、しゃぼん玉をしようと言う。以前、ここでしゃぼん玉をしたのをたぶん彼女は覚えている。わたしも

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ガリ勉ぞうさん

ガリ勉ぞうさん

二〇一七年七月二十四日月曜日

曇り

夕方、公園へ向かう。家にいるよりよっぽど涼しい。ランニングをしているひと、犬の散歩をしているひと、数少ないここにいるひとだけが知っている。暑いときは土と木かげ。さわあっと湿り気も風が流してくれる。

木の枝を拾って、なにかを払っているみたいに、なにかと会話しているみたいに空に向かって枝を伸ばし喋っていた。
なんとなしに短い枝を拾って土に線をひく。すこしすると

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扇風機の夜遊び

扇風機の夜遊び

二〇一七年七月二十三日日曜日

雨と曇り

朝ごはんはもりもりと食べたのに、授乳を終えたら寒気がして、体温をはかると三八度三分。一時間後にまたはかると、三十九度八分。ぱたりと眠る。

汗をかいて起きると、帽さんたちはおつかいへ行ってくれている。のんさんのお茶水筒も、お尻ふきも、家にあるからそわそわしてそこからなかなか眠れない。とはいえ、帽さんのいっしょうけんめいも目に浮かぶ。

夜ごはんは、うどん

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鯉の舞い

鯉の舞い

二〇一七年七月二十二日土曜日

曇り (だったかな)

土曜日に聞くラジドに、いくこさんの結婚パーティーで進行をしていた彼が出演。
really really free market
物と物、エピソードと物、スキルの交換。エピソードも交換の対象!これはなんだかちからをもらったなあ。

お昼ごはんを食べそこねて、大相撲を見ながら夕ごはん。相撲を見ながらっていいなあ、いいなあと言いながら食べる。

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冷蔵庫のまゆげ

冷蔵庫のまゆげ

二〇一七年七月二十一日金曜日

晴れ

ひみつのうひひを、のんさんと制作。

公園を歩くと、もぐらがなくなっていた。ぬいぐるみが落ちているのかなとよくみたらもぐらだった。もぐらに会えるときは、息をしていない。もぐらの掘った穴のぽっこりを見つけるたびに飽きもせずうきうきするわたしは、もぐらに会うと心からずどんとどんよりする。

お顔を見て手を合わせた。

のんさんは、フェンスにつかまって、その向こう

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くるくると風が喋る

くるくると風が喋る

二〇一七年七月二十日木曜日

晴れ

玄関よこのトネリコは、わんさか葉っぱを茂らせている。大家さんより、庭師の方が今度来るから道路にせり出しているところをカットしますと言われた。

それを言われてから、ばくばくとするきもちとぬるーっとうすく灰色がかかっている。剪定であるとか、カットというのはひつようなときがあるというのは、そうだなと同意。けれどもなんだろうなあこのばくばく。帽さんはカットするのだそ

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ハイヒールを、ふかして歩く

ハイヒールを、ふかして歩く

二〇一七年七月十九日水曜日

晴れ

布団によこになっているわたしのあたまのうえには、ティッシュBOX (五つ積まれてパックされたままの状態)、長靴 (ひだりあし)、かゆみ止め、布おむつ、おしり拭き、トイレットペーパーの芯が置かれている。はじめの二つは、のんさんのお気に入り。そうやってわたしのあたまのうえには混沌が配置されて宇宙をつくっている。

きゅうげきな胸のどきどきというのか、そういうものの

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キウイの言うとおり

キウイの言うとおり

二〇一七年七月十八日火曜日

晴れとどんがらがっしゃーんの雨と雷そして曇り

一才半の検診。予防接種と待ち時間と、重たいどんよりきもちと対話しながら説得して向かった。のんさんの身長や体重や歯の具合がわかるのはよろこびじゃんね、と。

雷の音がして、一度家に戻り洗濯物を取り込んだのは、ぱんぱかぱーんだった。

保健センターに着くとぽつぽつ、ぽつり。「じゃあじゃあ」と空の見える天井を見上げながらのんさ

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眠りをさがして

眠りをさがして

二〇一七年七月十七日月曜日

晴れ

いのちのはじまり、という映画を観る。
映画館はのんさんが生まれる三日前の日曜日に行ったきり。観たのは『母と暮らせば』だった。

もともと映画は自発的には観ない。現実の流れに、違う感情になるであろう時間をどのタイミングでいれたらよいのかよくわからなくて、誰かに誘ってもらわないとなかなか観ない。だれかの話を聞いているようで、ドキュメンタリー映画はきもちが進む。

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おかえりなさいのいるところ

おかえりなさいのいるところ

二〇一七年七月十六日日曜日

晴れ

ナカムラさんのところへ行く。譲ってもらったというレコードとスピーカーを見せてくださった。かくかくと四角くて、ひとり暮らしのアパートに置いたらそれだけでいっぱいだというおおきさ。達郎さんのレコードを聞く。(達郎さんのうたは、jungle swing、プラスティック・ラブが好き)

あれやこれやとお喋りをしていたら一時間もお邪魔していた。ここは、文房具店なのだけれ

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