見出し画像

上手さよりも強さ


今日は基礎の話。

いきなりだが少し昔話をさせてほしい。
大学まで私は野球ばかりしていた。高校のときも毎日部活に明け暮れる生活だった。
自分のチームは全部で60名ほどいる割と大きな部だったが、その中に今でも印象に残っている選手がいる。

どんな選手かというと、地味。
ファインプレーをすることはほとんどない。
難しい球を上手にヒットにすることもない。
特別足が速いわけではない。

ただ、自分の守備範囲に来た球はきちんとアウトにする。
甘い球は見逃さずヒットにする。
ピッチャーのクセが分かったときは盗塁する。

という風に、地味だけど活躍するのだ。
安定という言葉がぴったり。
派手さはない。ただ、堅実。
自分の仕事はきちんとこなす。そんな選手。

彼と同じポジションに化け物みたいに上手い選手がいたので、彼は最後まで控えだったが私は彼のプレーが好きだった。なぜなら、安心できるから。
とりあえず、彼の正面にゴロが飛んだらほぼほぼアウトにしてくれるから。

さて、この話は単なる昔話ではなくてバスケの育成にも言える。

つまり、バスケも自分の仕事をきちんとやり切ることが出来るかどうかが重要になってくるということだ。

さらに言い換えれば、基本の動作をどれだけ徹底して実行できるかが大切だということ。

では、バスケの基本とは何か。
もう数え切れないほどある…。
①試合終了まで走り抜ける体力。
②攻守の切り替え。
③シュート力(レイアップ、フリースロー)
④パス(味方にDFの影響を受けずにつなげる)
⑤ドリブル
 (DFに奪われずペイントまで侵入できる。)
⑥ボールマンDF
⑦ポジショニング
⑧スペーシング
⑨リバウンド

多すぎる!
まとめると中学校で私が学んでほしいのは
「1on1の能力(OF.DF含む)」
「走ること」
この2つに絞った。

この2つをきちんと機能させるためには、上に挙げたような様々な事柄が必要になってくる。

さて、本題に戻すと基本をどれだけ徹底してやれるかということが大切になる。

基礎基本の動作が「ただできる」ではなく、「DFがプレッシャーをかけてもできる」レベルにまで高めないといけない。

だから、スーパープレーはいらない。
いや、あったら嬉しいが。
それを生み出すためにひたすらミスを重ねると試合に負ける。だから、自分たちにできることのレベルを高めることが結果として良い選手や数字を残す選手になっていくのではないか。

地味だけど基本をきちんとやる。
派手さはないけれど、試合終了まで自分たちに
できることを粘り強くやる。

こういう姿勢が育成年代には求められるのではないか。上手いよりも強い。そういう選手が自分のチームから出たら嬉しい。

余談だが今日職員室でウィンターカップの決勝の話になった。そこで出たのが「東山のオフェンスリバウンド」だった。明らかに4Qまでは東山ペースだった。しかし、明成が最後の最後で逆転。もちろん、明成の勝負強さもあったが東山が最後の最後でリバウンドが取れなくなった。その結果、明成のオフェンス回数が増え3pが決まった。

リバウンドという地味だけど基本のプレー。これが勝負の明暗を分けたのではないか。

ある先生は、

「結局バスケは最後まで頑張れるかが勝負を分けるよな」

とおっしゃっていた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?