見出し画像

ハロプロの沼は楽器レコーディング映像にこそ潜んでいる。

ハロプロの魅力はなに?

そう聞かれた時の答えはさまざまだ。メンバーのパフォーマンス力、歌唱力、ダンス、幅広い楽曲にライブの素晴らしさ等、挙げだしたらキリがないだろう。

その中のひとつに豊富な無料動画コンテンツというのもある。

ハロ!ステはハロプロの魅力のメインとなるライブ映像を新鮮な状態で撮って出ししてくれ、またメンバーが料理を勉強したりヘアアレンジやメイクを披露する動画なんていうのも流してくれる。

tiny tinyは様々なハロメンをゲストに呼んで、パーソナルな部分の掘り下げをしてくれるトーク番組。最近、リニューアルされて振り付け師のみつばちまき先生とハロプロにも多数楽曲を提供しているミュージシャン中島卓偉がMCになった。

リニューアルされ、よりテクニカルな部分、パフォーマンスへの言及が深くなって評判がすこぶる良い。

更にOMAKE CHANNELは10分前後の短いおまけ映像を提供するチャンネルだが、観て貰えれば分かる。全然おまけなんかじゃない。新曲MVをメンバーみんなで初めて観る動画だったり、ダンス講座を開いたり、ソロでアカペラを披露したりと本当におまけとは言えないクオリティ。最高。

そしてハロプロにハマればハマるほど楽しみになっていくのがアプカミだ。このチャンネルはレコーディング風景やMV撮影風景、ダンスレッスンなどハロプロの楽曲制作やライブの舞台裏が見れる貴重なチャンネルである。

アプカミでまず楽しみなのが、各グループの新曲ボーカルREC風景だ。メンバー個々がどんな感じでレコーディングしているのか見れるのが嬉しい。どんどん上手くなっていく過程や、超絶上手い子による貫禄のレコーディング風景はハロプロの醍醐味だ。

しかし、ハロプロにハマるとそれ以上に楽しみになるのが楽器REC映像である。ハロプロは最近のアイドルでは珍しい生の楽器をレコーディングして曲を作ることが多い。

完全に打ち込みオンリーの曲もあるけど、その辺は流石に昔から音楽制作を基軸にしてきた事務所である。細部へのこだわりが垣間見れる楽器レコーディングを見ると、インストゥルメンタルも聴きこみたくなること必至。

ということで前身番組のMUSIC+の頃から含めて300回くらいあるアプカミから代表的な必見の楽器レコーディング風景をセレクト。

ここから更なるハロプロ沼は深くなる。

■圧巻のハモンドオルガンREC

アプカミの前身であるMUSIC+の頃から見ているヲタの多くが記憶に深く刻んでいるであろう楽器レコーディングが、アプカミ#04でのハモンドオルガン奏者・河合代介さんによる『チョット愚直に、猪突猛進』(こぶしファクトリー)のレコーディング風景だろう。

なかなかオルガンのレコーディング自体を見ること自体が珍しい。ハモンドオルガンの機能説明(超丁寧!)に始まり、河合さんの荒ぶる演奏には誰もが感嘆の声をあげた。

まず楽器REC映像を見るならこの回から。ついでにダンス☆マンとヒャダインの対談も面白いので是非どうぞ。

■米国メタル界の巨匠による超絶テク

MUSIC+85、86では2週にわたり℃-ute『情熱エクスタシー』のギターREC映像が公開された。ギターは元メガデスのマーティ・フリードマン!

メタル界の巨匠による圧巻の超絶テクと巨匠に気を使うアップフロント制作陣の鍔迫り合いのような意見交換が面白い。

基本はリラックスしたレコーディング風景ではあるが、本番が始まるとピキンと緊張感が走るのが画面越しにも伝わってくるプロの仕事。

■バンギャルも必見のベース&ドラムREC

アプカミ#49は『This is 運命(こぶし2016Ver.)』のベース、ドラム、ギターレコーディング。ハロプロでも数多くのギターを担当している朝井泰生さんが当時のメロン記念日でも演奏を担当したベースの村井研次郎さんとドラムのJOEさんを起用して新録。

これの何が凄いって、ドラムのJOEさんは元SEX MACHINEGUNSで村井研次郎さんは現在も活動中のヴィジュアル系バンドcali≠gariのベーシストである。ギターの朝井さんがやってたバンド繋がりでの招集だったけど、またハロプロで村井さんのベースが聴けるとは思わなかったので、V系好きとして大興奮の回でした。

■楽曲に深みを作るストリングスREC

近年のハロプロ楽曲で肝になっているのがストリングスパートだ。ほぼクラッシャー木村さん率いるチームが担当しているが、4人から6人編成、多いときはそれ以上にもなるヴァイオリン、チェロ、ヴィオラなどの弦楽器が楽曲に広がりを持たせている。

はじめてREC風景を見たのがMUSIC+45の℃-ute『次の角を曲がれ』。当時のレーベルマネージャー橋本慎さんが細かくレコーディング内容も解説してくれてて面白い。

アプカミ#60では作詞作曲を担当した湘南乃風のSHOCK EYEさん立会いの下で℃-uteのラストシングル『ファイナルスコール』のストリングスRECが公開されている。大人数で圧巻。

最近のアプカミ#183での『青春の花』ストリングスRECもトリッキーな構成をしていて面白い。こぶしの楽曲にストリングスは相性抜群だった。

紹介した以外にも最近はストリングスが多くの曲に使われていて、アプカミにもレコーディング風景がたくさん紹介されている。

■ドラムセットや叩き方でこんなに違う

打ち込みと差が出る部分のひとつにドラムの多彩さがハロプロの特徴としてある。様々なドラマーが多様な技を披露してくれているが、その違いを楽曲と共に感じるのも楽しい。

MUSIC+35ではアンジュルム『大器晩成』のドラムRECが公開された。レコーディングする前の音色設定の現場から見せてくれていて、微妙なセッティングの調整を繰り返すことで楽曲の音を決めていく様子が面白い。

MUSIC+44では℃-ute『次の角を曲がれ』のドラムRECに作詞作曲の中島卓偉さんも立ち合いで、ハロプロの名物アレンジャー鈴木Daichi秀行さんのスタジオまで見れるという豪華な内容。

ハロプロ界隈だけじゃなく、BABYMETAL界隈の人にも見てほしいのが、つばきファクトリー『可能性のコンチェルト』のドラムREC。なんと演奏はベビメタの神バンドでもある青山英樹さん。JAM Projectのサポートもやってるよね。なかなかレコーディング風景なんて見られない人だと思う。

最近のドラムRECで圧巻だったのはアプカミ#158こぶしファクトリーの『Come with me』だろう。「手数姫」の異名を持つ若き天才ドラマー川口千里さんの圧倒的手数のドラムさばきに溜息が出る。

■ギターも好みの音色ってあるよね

当然、ギターも曲によって様々な音作りがされている。演奏者の個性や使用するギターの種類、アンプの違い等でも全く違う音になるから面白い。

MUSIC+36 でアンジュルム『大器晩成』のギターREC風景が少しあるのだが、編曲の鈴木俊介さんが自ら担当していて、見事なカッティングテクだったりワウペダルを使った演奏や、レアな映像としてはトーキングモジュレーターを使用したレコーディングが見れたりする。

アプカミ#21では個人的にも大好きな楽曲でもあるアンジュルム『七転び八起き』のギターRECが公開されている。演奏は度々登場する朝井泰生さん。重々しいロック色の強いサウンドが如何にして作られたのかが見られて興奮する。かっこいい。

アプカミ#138のBEYOOOOONDS『アツイ!』も朝井さん。そもそもX JAPANを意識したロックでメタルな曲なので当然ギターソロがあるのだが、その収録風景は圧巻。よくそんな速弾き出来るよなぁと感動する。

■ベースラインこそハロプロ楽曲の心臓

数ある楽器RECのなかでも個人的に一番好きなのがベースRECだ。ハロプロといえば【赤羽橋ファンク】が象徴としてある。そしてファンクで重要なパートといえばベースだろう。いかに気持ちいいベースラインであるか、うねる様に奏でられているかが大切(だと思ってる)。

ハロプロ楽曲のベーシストですぐに名前が出てくるのが笹本安詞さん。古くは℃-uteの『まっさらブルージーンズ』の頃からハロプロのベースを数多く担当している方だが、特にスラップ奏法の妙技がたまらなく好きだ。

アプカミ#17ではモーニング娘。'16の『泡沫サタデーナイト』を軽快に、とっても楽しそうに弾いている姿が見られる。ちなみにベースRECに続いてストリングスRECもあるのでお得な回。

もう一個、笹本さん動画。つばきファクトリー『表面張力』のベースRECは、それだけで独立した回となっている。こちらも楽しそうな笹本さん。しかしベースから始まる曲って無条件でカッコいいと思えてしまうのはなんでだろう。

レアな映像としてはアプカミ#136の中島卓偉セルフカバーアルバムのレコーディング。『いいんじゃない?』のベースにハロプロとも関係性が深いOKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんが参加。初対面同士だったみたいだけど、和気あいあいとレコーディングしていて和む。

■逆に打ち込みオンリーの曲も見せちゃう

基本は生演奏ではあるけど、完全に打ち込みを排除しているわけではないので、アプカミ#15では打ち込みオンリーで制作されたアンジュルム『次々続々』の作曲編曲をしたヒラショーこと平田祥一郎さんの制作現場を訪問して、実際に使った機材と音源を解説している。

専門用語が出まくりで全然理解できないけど、すごいことは分かる。

■最終兵器ほのピアノ

ここまではハロプロの楽曲制作を彩るプロのミュージシャンを紹介してきたが、最後に今後のハロプロを担うであろう最終兵器を紹介。

現役音大生で第8回ジュラ・キシュ国際ピアノコンクール 高校生部門で2位になったこともあるBEYOOOOONDSの才女・小林萌花は、研修生ではなくオーディションによってハロプロに加入した。そのピアノの才能を見込まれてライブ中にも生演奏を披露しているのだが、アップフロントは彼女に実際に使用する音源のレコーディングもさせている。

アプカミ#152では『アツイ!』のレコーディングで初々しい姿が拝める。

アプカミ#176では『小夜曲“眼鏡の男の子”』

定期的な撮影が難しくなった今の状況下で特別企画として合併号的に公開されたハロステでは『We Need a Name!』のREC風景。こちらは更に最近は表にあまり出ない橋本さんがディレクションしている姿も見れてレア。

プロ目線からしても彼女のピアノ技術は素晴らしく、また可能性に満ちているのだろう。完全に戦力として計算に入れられている、信頼されている感じが映像からも見て取れる。

こういう育成もキチンと考えているアップフロントは、やはりなんだかんだあっても信頼できる事務所だと思うのだ。今はまだBEYOOOOONDSの楽曲しか携わっていないが、どんどん他のグループの曲にも参加して貰いたい。

■まとめ

さて「ハロプロの沼は楽器レコーディングにある」ということで各楽器の主なレコーディング風景を紹介したが、これ以外にも多数の動画がアプカミにはあるので、ぜひ関連動画をどんどん深堀りしていっては如何でしょう。

楽器の魅力が分かるとハロプロは何倍も楽しくなること間違いなし。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

全て無料で読めますが、「面白かった!」「すき!」なんて思ってくれたら気持ちだけでもサポート貰えると喜びます。