『葛藤』2章 ヒート | 短編小説
1章はこちら
注意:2章はほとんど修羅場です。心の弱い方はブラウザバックを推奨します。
1節 荒波の中
身体が波に揺られる。
ぐわん、ぐわんと不規則な波。
荒れた海に沈むかのような感覚。不安定で、息苦しい。
聞こえるのは不気味な不協和音。複雑に、無秩序に絡み合う。そのまとまりのない音に不安を煽られる。
波が強くなる。身体が崩壊するのではないかと思うほど強く。緊張で身体がこわばる。壊れないように抗うかのように。
(このまま死んでしまうのだろうか…)
血が引いていくよう。海