積分でボウルの体積を求めてみる

どうもポッテ君です(???)

ボウルありますよね、料理で使うやつ。
あれの体積を求めてみます。

とりあえずボウルは半径rの完全な半球とします。
じゃあ球の体積の公式を1/2倍にすればいいってそういうことじゃないんですよ()

なのでまず球の体積の公式が成り立つことを積分を使って求めていきます。

円はもちろん以下のように表せます。

$$
y^2+x^2=r^2
$$

ここで、半円は次のようになります。

$$
y=\sqrt{r^2-x^2}
$$

この半円をx軸周りに回転させた回転体は球になります、回転体って言ったらなんか回転寿司行きたくなってきた(???)
ってことで積分の回転体の体積の公式をします。

$$
y=f(x) (a\leq x \leq b)のグラフをx軸周りに回転させた回転体の体積Vについて
V=\pi\int^b_af(x)^2dx
$$

この公式は、ざっくりいうと回転体を適当なc(a<=c<=b)決めて平面x=cで切り取ったら半径f(c)の円ができるから積分にこの円の面積をぶち込めば体積でるやろって公式です()
ちなみに円の面積もしっかり証明するなら積分からでてきます。

ということでこれを使って球の面積は以下のようになります。

$$
V=\pi\int^r_{-r}(\sqrt{r^2-x^2})^2dx
$$

2乗とルートは普通に消します。あと半円は遇関数なので0からrの積分を2倍すればいいです。

$$
=2\pi\int^r_0(r^2-x^2)dx
$$

この形になったら、置換積分法(の逆)を使います。

$$
x=r\sin tと置いて\\
x\rightarrow rのときt\rightarrow \frac\pi2,x\rightarrow 0のときt\rightarrow 0\\
dt=\frac{dx}{dt}dt=r\cos t dtなので\\
=2\pi\int^{\pi/2}_0(r^2-r^2\sin^2t)r\cos tdt\\
=2\pi r^3\int^{\pi/2}_0(1-\sin^2t)\cos t dt
$$

sin^2t+cos^2t=1なので、1-sin^2t=cos^2tです。これは常識()

$$
=2\pi r^3\int^{\pi/2}_0\cos^2t\cos tdt
$$

ここで2乗のcosを半角の公式を使って1乗の形にしていきます。
こいつは三角関数の加法定理から導出します、半角の公式なんて覚えてないので←

$$
\cos(\alpha\pm\beta)=\cos\alpha\cos\beta\mp\sin\alpha\sin\beta(複合同順)なので\\
\cos2t=\cos^2t-\sin^2t=2\cos^2t-1\\
\therefore\cos^2t=\frac{\cos2t+1}{2}
$$

ということでこれを入れます。

$$
=2\pi r^3\int^{\pi/2}_0\frac{\cos2t+1}{2}\cos tdt\\
=\pi r^3\int^{\pi/2}_0(\cos t\cos2t+\cos t)dt
$$

今度は積和の公式を使ってcosの積を和に分解します。
もちろん積和も覚えてないので導出します()

$$
三角関数の加法定理より\\
\cos(\alpha+\beta)+cos(\alpha-\beta)\\
=\cos\alpha\cos \beta-\sin\alpha\sin\beta+\cos\alpha\cos \beta+\sin\alpha\sin\beta\\
=2\cos\alpha\cos \beta\\
\therefore\cos\alpha\cos \beta=\frac{\cos(\alpha+\beta)+cos(\alpha-\beta)}{2}
$$

これで和に分解できるので

$$
=\pi r^3\int^{\pi/2}_0(\frac{\cos(3t)+cos(t)}{2}+\cos t)dt
$$

やっと単純な積分に落とせたのでこれを積分して

$$
=\pi r^3[\frac{\sin3t}6+\frac{3\cos t}2]^{\pi/2}_0\\
=\pi r^3((\frac{-1}6+\frac32)-(0+0))\\
=\frac43\pi r^3
$$

これで球の体積の公式が出てきました、半球はもちろん半分にすれば出てきます。

でも完全に半球のボウルとか回って使いづらいので底が平面になっていることを考えます。
これを、z=0でx軸と原点で交わり角度が-θ(0<θ<pi/2)をなす直線が交わった球上の点を通るzx平面に垂直な平面とします。要するに中心からθ[rad]だけ下を見たら底が見えてくるってことです。

これは、さっきの積分の範囲を変えれば大体終わるので簡単です。変更点だけ取り出すと

$$
範囲を[0,r\sin\theta]にする\\
定義域の上限と下限の絶対値が一致しないので「0からrまでを2倍」としない\\
置換積分法(の逆)で、tの範囲は0から\thetaになる\\
$$

これを踏まえて、最後の部分だけ計算し直すと

$$
V=\frac\pi2r^3[\frac{\sin3t}6+\frac{3\cos t}2]^\theta_0\\
=\frac\pi2r^3(\frac{\sin3\theta}6+\frac{3\sin\theta}2)\\
=\frac\pi{12}r^3(\sin3\theta+9\sin\theta)
$$

ということでこれでボウルの体積が計算できます。
例えば、直径30cm、θ=pi/3とすれば、10125√3pi/8(約6887)立方cmの水が入ります。

また次回~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?