[組織ブログ Ver.23] 「視座共進化」は個人だけではなくチームにおいて相乗効果で成長できる有能なものである
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「視座」
理解しているようで理解できていないこの言葉について、理解されていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?少なくとも僕は正確に理解することができておりませんでした。
そして、本ブログのタイトルにある「共進化」という言葉について。言葉の意味は漢字の通りですが、この2つの言葉を掛け合わせた「視座共進化」が非常に重要度が高いと最近感じており、本ブログの執筆に至っております。
では、ご覧ください!
1. 視座とは
「視座」という言葉を理解するために「視点」「視野」との違いなどもウェブで調べてみたのですが、下記が参考になりそうです。
その通りだよな、と思いつつ「山根なり」の解釈を本ブログで書きたいと思います。
1-1. 視座が 高い / 低い という表現について
僕もこれまでの社会人人生の中で、視座が 高い / 低い という表現をしておりました。メンバー、リーダー、マネージャー、部長、役員、取締役、社長と役職が上がっていくと、自分が見るべき「範囲」が広がってきます。「範囲」が広がってくると、メンバーと同じ目線と言うよりは、自然と自分が「空中に浮いている」イメージになります。
例えば、メンバーからマネージャーに昇格をした場合、「地面から2メートル上の空中」に浮いており、地面から見る景色より明らかに 「広範囲」を見ることができるイメージです。そして役員や取締役になると、地面から10メートルの空中」に浮いているイメージです。マネージャーよりもさらに広範囲で捉えなくてはならないことが増えてきます。
そのため、視座が 高い / 低い と言う表現については僕も違和感がなく、あらゆる役職の方々と話をすることによって、視座が「高い」メンバーから「低い」メンバーへの良い影響を及ぼすことができると思っています。
ただ、ここで1つ 違和感を覚えてきたのです。
1-2. 視座は役職や年次、スキルと比例するのか?
前項の通り、視座が 高い / 低い について違和感はありません。ただ、前項の考えは「役職や年次、スキル」に「比例」して「優劣」がある項目については違和感がない、という意味合いです。
どういうことかと言うと、社会人として仕事をする上で、「役職や年次、スキル」は重要です。スキルを積んだほうが顧客に価値提供ができますし、顧客も自分も豊かになることは概ね同意いただけるかと思います。
ただ、「役職や年次、スキル」に優劣があったとしても「比例しないもの」は何なのでしょうか?
そこで、最近僕が学んでいる「組織」や「人間関係」についての知見を掛け算したところ ある気づきがありました。それは、
「"価値観" や "感情" における視座は、役職に比例しない」
ということでした。
その感覚は以前からぼんやりあったのですが、なんとも言語化ができていませんでした。そんな中、その気づきに確信が持てたのは、著名人である芦田愛菜さんのある言葉でした。
すごくびっくりしました。
人生経験が豊富な方が言うような話を、まだお若い芦田愛菜さんが言っていて、ものすごく勉強になりました(本ブログの話を進めやすくなるため、あえて「お若い」という言葉を使いました)。この話においては「視座」と言うよりは「心の持ち用」と言う表現のほうが適切かもしれないのですが、前述した「価値観や感情における視座」については優劣がないのかなと個人的に感じるようになりました。そのため、「役職」とは、比例しない視座が存在するのだな、と感じるようになりました。
1-3. 価値観や感情が発生させる視座について
前項で説明したお話を、もう少し詳しく説明したいと思います。
1-1で説明をした「視座の高い / 低い」については、皆さまご認識の通りかと思います。ただ、1-2で説明をした「価値観や感情における視座」については「高い/低い」という表現ではないと感じています。なぜならば、価値観や感情における良し悪しはないと思っているからです(誤解がないように言うと「ない」というより「少ない」と表現したほうが適切かもしれません)。
少し話がそれますが、下記をご覧ください。
同じ「事実」を見たとしても「解釈」が異なります。
なぜ「解釈」が異なるかと言うと「価値観」が異なるからです。
なぜ「価値観」が異なるかと言うと人それぞれ「原体験」が異なるからです。
前述した「役職」「スキル」と比較して「価値観や感情」は「高い/低い」で表現がしにくいため、「視座」という言葉の説明をどのようにすれば良いのか?という論点が残ります。本項について、僕なりにたどり着いた答えを記載したいと思います。
「価値観や感情」が伴う視座は「n次元」の世界にいることをイメージしていただけると合点が効くと個人的には思っています。「2次元」は2つの軸、例えば「縦と横」などです。「3次元」は3つの軸、例えば「縦と横と斜め」などです。「n次元」とは「縦と横と斜めとAとBとCと…」など、nは半無限だと捉えていただければと思います。
つまり、価値観や感情の軸は半無限に存在しており、理解にゴールはありません。仮に良し悪しが発生する場合とは、軸が「自分」である場合に発生します。なぜならば「自分と価値観がマッチしている尺度」は感覚的に把握することができるからです。ただ「自分と価値観がマッチしている尺度」に固執しているだけの人生は、範囲に限りがある人生になってしまうと個人的に思っています。
ただ、ここで一つ残念なお知らせがあります。
1-4. 人間は「無意識的」に「価値観」の拒絶をしていることもある
人間には必ず「価値観」が存在します。そして、自分の「価値観」からは外れた相手の言動を「無意識的」に拒絶していることもあります。
ポイントは「無意識」であること。
つまり、僕ら人間は知らぬ間に相手を拒絶していることを気づがないこともあります。もちろん意識的に「この人嫌だな」「この人苦手だな」というのはあるかと思います。ただ、何百人も「嫌い」「苦手」な人がいる人はそこまで多くはないのでは?と思います。
何を言いたいかというと、「n次元」の価値観に僕ら人間は毎日のように触れているにも関わらず、無意識的に(知らぬ間)にスルー(拒絶)をしてしまっていること。これを続けている僕らは、仕事において「相手視点に立とう」と言われても難しいのかもしれません。誤解がないように申し上げると、自分と価値観がアンマッチな人とずっと時間を共にしてください、と言っているわけではありません。仲が良い方とずっと一緒にいたほうが楽かと思います。ただ、仕事において、そして人生において少なからず交流がある方々がいらっしゃるかと思います。その際に完全なる価値観一致は不可能だと思っています。また、自分と価値観が異なるポイントばかりに目がいってしまう方はいらっしゃいます。
前述した「相手視点に立てる」というスキルが存在するのであれば、誰しも保有したいのではないでしょうか?僕はほしいです。そんな中「n次元」に存在する自分と異なる価値観を拒絶するのはもったいなくないでしょうか?という話になります。
次項から話の角度を少し変えます。「教科書的な視座の作り方」が4つあります。
4つがバラバラに存在していると言うよりは、この4つの合わさる範囲が視座を形成をしているといっても良いと思います。
1-5. 「やりたい」が発生させる視座
いわゆる「Will」です。
社会人として仕事をする際に、「やりたい」という仕事に出会えることは素敵だと思います。なぜならば「やりたい」、つまり 希望通りの仕事をすることができれば、その他の仕事よりも やる気が出ますし、何より没頭することができると思います。
没頭すると何が起きるのか?普段の仕事で出てこないようなアイディアが生まれたり、思考をする量が多くなり、そして思考をする質が上がる感覚があります(個人的に感じています)。
「やりたい」ことが明瞭であれば、自然と視座が上がるのではないかと思っています。与えられた仕事、やらなければならない仕事において、最高ランクの視座を持つのは資格があるのではないかと思っています。
1-6. 「すべき」が発生させる視座
いわゆる「Should」です。
前項で説明をした「やりたい」については「希望」です。「すべきこと」は「ゴール」という表現に近いかと思います。ゴールが明瞭になればなるほど、そのプロセスのイメージが湧きますし、自然と視座が上がってきます。
例えば、
- 能力はあるが「やりたいこと」は無く「すべきこと」がわからないAさん
- 能力は普通だが「やりたいこと」「すべきこと」に強いBさん
上記2名が存在していたとしましょう。同じ仕事をよーいドン!でスタートしたらAさんのほうが速く終わるかもしれません。ただBさんの方がクオリティが高い可能性も十分あります。なぜならば「やりたいこと」「すべきこと」が合わさっており、自然と視座が上がっている可能性があるからです。
1-7. 「できうる」が発生させる視座
いわゆる「Could」です。
「できうる」とはロードマップと変換していただけると良いと思います。つまり「やりたい」が明瞭になっており、「すべき」も明瞭になっていたとしても、そのロードマップがまったく見えていなければ、何をして良いかわからなくなってしまうかもしれません。
ただ、僕個人的には「長期ゴール」と「長期ロードマップ」は作らないタイプです。なぜならば、長い期間同じゴールを目指していたとしてもVUCAの時代において適切なゴール自体が異なる可能性があるからです。
話を戻すと「できうる」については視座を高くする一つのポイントかなと思います。
1-8. 「起こりうる」が発生させる視座
いわゆる「Could be」です。
前項で記載しましたが、設定したゴールに対して何もアクシデントもなくゴールに対してのプロセスを進むことができれば、まったく苦労することはありません。ただ人生はうまくいかない事もある、というのは皆さまご存知なのではないでしょうか。
人生や仕事は不確実性があることが多数発生します。その「起こりうる」と言う予見が視座を高くすることがあります。例えば、「リスクマネージメント」という言葉があります。あらかじめ発生し得るリスクに対してきちんと準備をしておきましょう、と言う考え方です。繰り返しになりますがアクシデントはつきものです。「間違いなく発生します」と断言しても良いほど、うまくいかないことが多いです。それが普通です。前項で記載をさせていただいたロードマップについては、正直、あってないようなものです。ただ、ロードマップを作成することによって発生させる視座もある、そういう風な意味合いで記載をしています。本項においてはロードマップを作る上で「起こりうる」という類の視座だとご理解いただけると良いと思います。
1-9. ビジョンクローバー
先日参加したオーセンティックさんのセミナーで教えていただきました。
1-5〜1-8で説明した内容はこちらの図のイメージです。
2. 共進化とは?
シンプルに説明をすると「共に進めて変化すること」でしょうか。
つまり、相手と共に刺激し合いながら良き変化をすることのイメージでしょうか。この「共進化」のポイントは、「共に」「進む」「変化」です。後ほど「視座」の要素も入れて説明しますが、「共に」という部分は相手(グループ)の中で「学ぶ」ことがなくては前へ「進む」ことかはできないと思います。
ただ、もしかしたらこのように思っている人はいるのではないでしょうか?
「自分はこの特定メンバー or このグループ or この会社で学ぶものはない」
本音を言うと僕も過去に思ったことがあります。「あ、この環境にいたらこれ以上の学びは無いんだろうな」と。ただ、これは間違いだと気づきました。その理由は2つあります。
1つ目は、「自分が無数のstandardを作ることはできる」ことです。自分が「知らない」ことを学べる環境は魅力的だと思います。ただ、自分が知らないことを、自分が直面した「課題」を起点にノウハウを作り、standardを作ることができれば問題ないと思うのです。
つまり、学ぶと言うよりは、自分で「創出」することができれば無数に成長することができると感じています。ただ、本件については本ブログで伝えたい内容ではありません。
2つ目は、前項で説明をした「価値観や感情が発生させる視座」です。前述しましたが、n次元における「価値観や感情が発生させる視座」は学びに上限はありません。社内では何度か発信していますが、2023年において僕が最も「価値観や感情が発生させる視座」を学んだのは、2023年新卒のメンバーと、元々アルバイト雇用で少し前に正社員になったメンバーからでした。この2名と比較すると、僕のほうが社会人経験があると思うのですが、シンプルに勉強になりましたし、そのメンバーから真摯な姿勢で学びを得ることができた経験は、僕に成長の機会をいただけるきっかけになったと、個人的に恐縮ながら感じました。
3. 視座共進化とは
前述した内容である「視座」と「共進化」を並べた言葉です。言葉の通りで視座を共に前に進め変化させていく、という意味です。
最初この言葉を聞いたときに、率直に感じたのは、「視座を共に進めて変化させていくことは、現職においては僕が「提供者」になるのだろうな」でした。僕は現職において代表です。そのため、僕があらゆるスキルが高くなくてはならないと感じています。もちろん僕よりも特定のスキルが高いメンバーはたくさんいると思うのですが、メンバーに「何かを与えたい」と言う気持ちが強いです。そのため、僕が「提供者」であると思っていたのです。
ただ、前述しましたが「視座」は誰からでも学ぶことができます。これに気づいてからは、あらゆるメンバーとの対話は学びの連続になっています。なぜもっと早く気づかなかったのか?もし気づけていたら、より個人的な成長ができていたのではないか?という一種の後悔と戸惑いがあるのが正直な本音です。
話が少しそれますが、当社ポテンシャルライトでは「組織構築ワーク」と銘打って、1ヵ月に1階のペースで組織コンサルタントの方を真似て、いろいろなワークを実施しています。その際に、「チェックイン」と「チェックアウト」を実施しています。
- 「チェックイン」はワークが始まる時点での今の気持ちを声にだす
- 「チェックアウト」は、ワークを置いた時点での気持ちを声にだす。
これを参加者全員で実施します。最初は「参加者全員でこれを実施するのはどういった意味があるのか?」と感じていたのですが、前日の内容を学んでから、年次が異なる全メンバーの「内面」を知れる機会はそこまで多くないため、僕にとってものすごく大きな学びの機会となっています。
話を戻します。
38歳と言う年齢において、本件に気づくことができたことが僕にとっては大きな収穫でした。日々生活をしていても、気づきの連続です。
例えば、
これらの様々な方との話において、何が良い/悪いと言うわけではなく、様々な方の視座に触れることができたら、それを自分なりに解釈して、自分の事を書き込んでいるような、そんなイメージです。
4. 視座共進化をするためには
さまざまな要素が掛け合わせられなければ、「視座共進化」は成し遂げられないと思っています。「あ、なんとなく視座学べた〜」だと効果が薄いと個人的には思っています。僕にとって非常に重要なのは、「年次や年齢、経験が低いメンバーから 視座を共に進めて変化ができた」という体感をすることです。もしかしたら、この言葉を作った方々の意図とは異なるかもしれないのですが、僕はそう捉えています。
では、視座共進化をするための要素を説明します。
4-1. 誰からでも視座を学ぶことができると理解する
本ブログで説明をした内容を納得感を持って読み進めることができていたとしたら、本項の説明は不要かもしれません。
前述しましたが「視座」と聞くと、年長者から年少者に提供すると言うイメージが強いかと思います。ただ、本ブログのアジェンダ 1 で説明をした通り、n次元で存在をする「感情や価値観における視座」や、「ビジョンクローバー」の4つの項目における視座形成については、年長者/年少者と言う枠組みはほぼ関係ありません。なぜならば感情や価値観に良し悪しは少ないこと、そして個人によって「やりたい」「すべき」「できうる」「おこりうる」が異なるからです。そのため、年少者からも学ぶことができる、ということを、本質的に理解することがスタートラインに立てる一歩目だと思います。
4-2. 相手が同じ状況であること
前項で説明をした状態を、自分だけではなく「相手」が同じ状態であれば、一気に視座共進化が進むのかなと思っています。
もし仮に「自分」が前項で説明したような姿勢を作れたとしましょう。これは素晴らしい姿勢です。そして相手が同じような姿勢を持つことができていたら、自分と相手の視座共進化のレバレッジは一気に進むのではないかと思っています。そのため、当社においては「視座」についての考え方をメンバーに理解/浸透させたいと思っています。
4-3. 心理的安全性があること
話を少し逸らしてしまうのですが、僕は、心理的安全性を「目的」にすることは好ましくはないと思っており、心理的安全性は「手段」であるべきだと思っています。なぜならば、目的になってしまうと、心理的安全性がゴールになってしまい、会社が飛躍するイメージが湧きません。
一方で、会社を成長させるために、ミッション/ビジョンを達成するために必要なことがさまざまある中で、「当事者意識」「視座共進化」などが存在する中で、「心理的安全性」が必須だと考えています。
話を戻して、心理的安全性がない中で、相手の視座を学ぼうと思う気持ちは起きないのではないかと思っています。心理的安全性がなければ「上下関係」が生まれることが多く、「共進化」は成し遂げることが難しいと思っています。
4-4. 視座共進化ができた事例を教え合う
自分が相手から「受け取った」視座については、自分は「わかります」。一方で、自分が相手に「提供した」視座については自分は「わかりません」。
これは視座以外でも同じことが起こっているかと思います。ティーチングでもコーチングでも、自分が発信者である場合、相手が「何」を学んで感化されたかは、相手の内に秘められています。そのため、自分で持っている視座は自分でしかわからないのです。また、自分が当たり前だと思っている視座は、相手にとってはそうではないこともあります。
「言ってることはわかるけど、どのように取り組むの?」
そんなことを思っている方がいらっしゃるかもしれません。次項に記載したいと思いますが、SOUNDカードを用いたワークにおいて、「自分にはなかった視点(新たな発見)はありましたか?」という質問をし合うことはおすすめです。自分にはなかった視点/新たな発見と言うのは、自らの視座を上げる要素となりえます。それを発信し合うことによって、自分も相手も理解することができると感じています。
5. (募集) SOUNDカードについて
また、別のブログで詳しく書きたいと思うのですが、ここ最近SOUNDカードという「言える化ツール」を用いた対話をすることを多く実践しています。
このカードを用いることによって、本ブログの主題である「視座共進化」が可能だと思っています。このカードを用いたワークにご興味をお持ちの方は、お声掛けいただければと思っています。
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最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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