廃墟から見つかった手記
例えばおこづかいで買ってしまったゲームソフト、あるいは親から買い与えられたコミックスのつまらなさを自宅に遊びに来た友人から指摘されたとき、作品に下された率直な評価を私や親の人格が否定されたと錯覚し、友人を非難して作品の不出来な部分まで肯定してしまうような幼い心理は、今日政治など大人の世界でも常態化しているくらい地続きで我々の生活を侵食している。そこで非難された友人側が発する「批評なのだからあなたとは切り分けて考えるべきだ」という正しい反論に頷きつつも、友人らと同じ立場に私が身