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高校生の私に何故か刺さったモテないおじさんとの年の差恋愛映画

時々聴いているPodcastでこんな話をしていた。

「プラダを着た悪魔」と「レオン」は何故、女性人気が高いのか。

そして、普段あまり映画を観ない女性があたかも少数派のポジションをとって、一番好きな映画として公言している(意訳)という。
いかにも偏見な表現で興味深く共感した。

因みに、この2作品は私も好きで、確かに学生時代は周りにも好きな女性が多かった。

人気の理由について、二人の男性パーソナリティーが考察をし、その1ヶ月後の配信でリスナーのコメントを読んでその謎が解明されている。

どちらの配信内容も非常に興味深かった。同世代のことなので、自分の学生時代のことを思い出しながら聴いていて楽しかった。

リンクを貼っておくので、興味がある方はぜひ聴いてほしい。


この中で私が気になったのは、パーソナリティーの方のお母様の「レオン」の人気についての見解。

ファザコン的視点。

ジャン・レノに憧れの父親像を抱いていると。

それを聴いて私は思い出した。
私が初めて「レオン」を観たのは、おじさんと女学生の年の差恋愛モノにハマっていた時期だった。

今改めて文章に起こすと、ちょっとゾッとする。

正直言うと、「レオン」はそういう意味では刺さらなかったのだが、確かに私にはそういう時期があって、それをきっかけに観た気がする。今の今まで完全に忘れ去っていた。

私は父親と仲良くないし好きでもないので、自分が登場人物に憧れの父親像を抱いていたとしたら、それはまたゾッとするポイントである。

だからこそ私に「レオン」は刺さらなかったのだろうけど、そもそもどうしてあんなにも年の差恋愛モノにハマっていたのだろう。当時の感覚を思い出しながら、好きだった映画を振り返ってみた。





一番好きだった映画は、「ゴーストワールド」

高校卒業後、変わり者のイーニドとレベッカが社会に出るまでのモラトリアム期間を描く。

イーニドが図らずも好きになってしまったモテないおじさんシーモア(ロバート・ブシェミ)に、私も恋をしていた。

やっぱり一番の理由は、レコード好きであること。

何故サブカル女子にとって、レコードというものはあんなにも魅力的なんだろう。

ソフィア・コッポラ監督の「ヴァージン・スーサイズ」の中で、電話越しにレコードで曲を流しあって会話をするシーンにどんなに憧れたことか‥。

話は逸れたが、ひねくれ女子とオジサンとレコードは最強の組み合わせだったと思う。

あと、全然関係無いが、レベッカ演じるスカーレット・ヨハンソンが大好きだった。


もうひとつの映画は、「17歳の肖像」

優等生ジェニーがおじさんデイヴィットと出会い、大人の華やかな世界を知るも、それは苦い経験となってしまう。

正直、この作品は痛々しい。
憧れの輝かしい世界を魅せてくれるが、その裏側の黒い部分も突きつけてくる。しかし、この危うさや儚さがまた良くて、20代成り立ての頃の私は憧れを抱いていた。

大人の世界に憧れているだけではなくて、その苦い経験を経て得るものに憧れていたのかもしれない。

大人の世界を若いうちに経験した女の子が大人になると、周りの女性よりも成熟して見える。箔がつくような気がする。

ドラマや映画の見すぎだろうか。

私はそんな女性になりたかったのだ。

危ない思考だ。

それと、これも関係無いが、主役のキャリー・マリガンはかわいい。




振り返ってみると、当時の私は知的な大人の世界に憧れていた。特に映画や音楽などのカルチャーに精通している人に憧れた。

確かに、文化的に造詣の深い家庭では無かったので、無い物ねだりでそういう世界に憧れていた。ただ、意識的に「父親がそういう人だったら‥」という感情は無かったと思う。無意識のレベルでは分からないが、もしそうだとしたらやっぱりゾッとする。

もうひとつは、おませでちょっとやんちゃな女の子に憧れていた。クラスメイトとは馴染めない異質な女学生に。

真面目で優等生だった私は、ちょっと道を外しそうな危うい女の子にもなってみたかった。更にその経験の先にも憧れの女性像を描いていたのだと思う。

或いは、単純に、同年代で誰もしていない経験をしたかった。他人とは違う特別でありたかったのかもしれない。いかにも思春期の頃に考えそうなことだ。


大人になった今、これらの作品を観たらどう思うのだろう。

恥ずかしくて観ていられないかもしれない。

少なくとも、以前のような憧れの眼差しでは観られないだろう。

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