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弱聴の逃亡日記

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東京から故郷の岩手県まで歩いて旅した経験談を少しコミカルに、ときどき真面目に綴ります。
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2019年4月の記事一覧

弱聴の逃亡日記「ヘッドライト照射と温かい飲み物」

  2017年11月30日 夜

 福島県那須川市を出て、郡山市を通過し、二本松市の町に着く頃には辺りはすっかり暗くなっていた。
 夕飯は何にしようなどと考えながら歩いていると、ちょうどよく商業施設が建ち並ぶ賑やかな一角に入り、弱聴はラーメン屋さんの隣にあったたこ焼き屋さんに入った。
 簡易テーブルとパイプ椅子のこじんまりとした店内でアツアツのたこ焼きをホフホフと頬張っていると外は雨が降り出してき

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弱聴の逃亡日記「イモムシ姿、目撃される」

  2017年11月29日 7日目後半
 国道四号線を北上し福島県白河市から那須川市まで順調に歩みを運ぶ。
 山の森林、家々が並ぶ町の景色、風の匂い。見るもの触れるものに不思議と親しみを感じるのは福島県に入ったせいだろうか。
 福島県は出身地の岩手県と同じ東北地方に分類される。福島は小さい頃に何度か訪れたことがあるし、同じ東北というだけで自然と親近感が湧く。
 東日本大震災後からよく見かけるように

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