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英語流のアウトラインは、科研費申請書にも使える(1/3):パラグラフについて改めて

 弊社クライアントの理系研究者の先生方とお話ししていて、アウトラインを構成する「パラグラフ」の解釈について、当方と先方とで認識にズレがあると感じることが続いたので、改めてアウトラインについて書くことにしました。以前、論理の流れが蛇行しないようにアウトラインを書きましょうと勧めた手前、説明不足でした。お詫びします。(下記リンクは有料記事)

 改めて、当方がパラグラフと理解していることの源流をたどってみたところ、英語圏で広くAcademic Writingとして教えられている型に行き着きました。しかしまた、その書き方は日本では「英語で書く」という文脈だけで教えられていることが多いことに思い至りました。「今ひとつピンとこない」と思った方もいらっしゃると思います。木下(1981)の著書でAcademic writingの用語の一つである「トピックセンテンス」(p.62ほか)の概念が言及されていたので、日本でもだいたい通用すると根拠も薄いままに思い込んでおりました。

 なお、本稿(全3回)では英語流Academic Writingの構造について説明しますが、まずは、日本語で書く際に役立てるためです(もちろん、英語で文書を作成する際にも役に立つのは言うまでもありません)。「実務的な文書」の守備範囲は、Academic Writingが用いられる学問の場よりも広い、つまりビジネス文書のたぐいも含むと考えて差し支えありませんが、あえて日本語で書く実務的な文書に英語のAcademic Writing手法を持ち込もうとしているのは、アウトラインを考える上で非常に役に立つと筆者は考えるからです。
2/3に続く

木下是雄(1981)「理科系の作文技術」中央公論新社。82版。2017。

Photo by Paul-Louis Pröve on Unsplash