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英語流のアウトラインは、科研費申請書にも使える(2/3):具体的な構造

 下記の図は、英語で「paragraph structure」と検索するとたくさんヒットします。小学生レベルから、大学レベルまであります。それだけ、英語圏では広く教えられている文章の構造だと考えて良いでしょう。筆者がここで参考にしているのは例えば、ここここなど。それらをもとにした図を用いて、説明します。

 まず、Academic Writingの構造についてざっくり言うと、下図(1)のような構造に分けられます。Introduction(前文)、Body(本文)、Conclusion(結論)。きわめてシンプルです。

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  これを、パラグラフという観点から見ると、下図(2)の右側の列のようになります。本文はパラグラフに小分けされます。なお、当欄では実務的な文書、特に競争資金の申請書などを前提としており、このたぐいの文書では通常、論文と違って結論を必要としないため、Conclusionに関わる部分は無視します。

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 (3)は、各パラグラフをさらに細分化したものです。まず、Introductory paragraphの中に、「Thesis statement」とあります。これは日本語では「主題文」などと訳されることが多いようです。つまり、この文書で伝えたいことをまとめた、最も大切な文章です。Chin et al. (2012)は、Thesis statementはIntroductory paragraphの一番最後に書かれていることが多いとしています。

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 前回に説明したパラグラフの型を、たとえば科研費の申請書(基盤B)に当てはめて考えてみます。大項目、たとえば「1. 研究目的、研究方法など」「2. 本研究の着想に至った経緯など」はそれぞれ、Introdutory paragraphとBodyで構成できます。

 さらに、例えば上記「1.研究目的〜」でBodyを構成するパラグラフは、次の三つに分けられます。(1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」、(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性、(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか--です。自動的にパラグラフを最低でも三つ以上作ることになります。

 (1)(2)(3)の問いに対して端的に答えられる文章が、トピックセンテンスとなります。続いて、トピックセンテンスを補強、説明することを書きます。つまり、Supporting sentenceのことです。パラフラフが三つ「以上」としたのは例えば、Supporting sentenceが多数ある場合は、改行して別のパラグラフにした方が良い場合などがあるからです。

 そのように考えると、申請書の問いはとても「優しく」作られていると思います(「易しく」はないですが)。問われる通りに答えていけば、きちんとした構造=誰もが理解できる文書が出来上がる順番で訊いてくれているわけですから。

 ならば、やはりアウトラインを考えずにおもむろに申請書を書き始めてしまうとしたら、損している気分になりませんか? 科研費に限らず、競争資金の申請書はどれも同様の説明を求められているので、同じことが言えます。
3/3に続く

Chin et al (2012). 'Academic Writing Skills: Student's Book 2'. Cambridge: Cambridge University Press

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